皆さん、秋にアレルギー症状が悪化する経験はないでしょうか?私の周りでは子供の喘息やアトピーの症状が秋になると頻発するなどの声を良く聞きます。秋って季節も良くなるし過ごしやすくなるので身体に負担が少ないイメージですが、なぜこの時期に症状が出てしまうのでしょう。今回は今のシーズンに多いアレルギー症状について記載していきたいと思います。
目次
アレルギー疾患の種類とは
アレルギー疾患と一言で言っても、どんな種類の疾患があるのでしょうか?
まずはそれぞれの疾患の種類と症状に関して把握していったほうが良いと思うので記載します。
ご存知の通りアレルギー疾患は決して子供だけのものではなく、大人でも抱えている慢性疾患なのです。
気管支喘息
・子供編・・・喘鳴(ぜんめい)といわれる、ゼイゼイ、ヒューヒューのような呼吸になり、呼吸が苦しい状態が続きます。運動の際にゼイゼイ息切れが激しかったり、咳が長引くお子様も喘息の疑いがあります。
・大人編・・・気道に慢性の炎症があり、気道が狭くなることで、ゼイゼイ、ヒューヒュー音がする喘鳴や、呼吸困難の症状が現れます。気道の慢性炎症はいろいろなアレルゲンや環境の変化に敏感に反応してしまいます→気道過敏症といわれる症状です。
アレルギーの原因物質にはダニやハウスダスト、ペットの毛などいろいろな要因が関係しています。自身がなんのアレルギーに反応してしまうかも把握することも有効です。
これにはIgE抗体検査というアレルギー反応を調べる検査があるので、医療機関で一度検査をしてみると良いでしょう。その他気管支喘息の症状には、ストレス、環境の変化、アルコールなども要因になると言いわれています。生活習慣を整えることも重要ですね。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の症状は、湿疹とかゆみが皮膚にでる症状で良くなったり、悪くなったりの再発を繰り返します。赤みのある発疹が特徴でジュクジュクしています。
強いかゆみのためひっかくと発疹が広がり症状がひどくなっていきます。ひっかくと液体が出たり、皮がむける、長引くと固くなって盛り上がってくることもあります。頻出箇所としては、関節を曲げたり伸ばしたりが多い、肘や膝のくぼみの部分や脇、首や目や口や耳のまわりなどです。またもう一つの特徴として、左右対称にできることも判断基準の目安です。
アトピー性疾患の患者さんは皮膚のバリア機能が低下しており、異物が外から侵入しやすい状態になってしまっています。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎の症状としては、年間を通してくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状が続きます。原因はダニやハウスダストなどのアレルギーです。春先には花粉症の症状が現れます。
ちなみに、筆者の私もこのアレルギー疾患を抱えている一人です。
アレルギー性結膜炎
いわゆる「しろめ」と言われる部分の粘膜が結膜と言われますが、この結膜がアレルゲンを要因として炎症を起こします。症状としては目のかゆみがメインですが、目やにが出たり、目がゴロゴロする、涙がでるなどの症状もあります。
秋になぜアレルギーの症状が悪化しやすいの?!
ここまで、アレルギー疾患の種類と症状に関して見てきましたが、それではなぜ秋にこれらの症状が悪化するのでしょうか?
ここからはその原因究明に入ります。今この記事を書きながら筆者も目がなんだがかゆくなってきました・・・
アレルギーの原因物質
秋のアレルギー症状を紐解くべく、まずは、アレルギーの原因となる物質に関して詳しく見ていきます。ここでは食物アレルギーや薬アレルギーに関しての情報は省きます。主に居住空間でのアレルゲンに関して見ていきます。
室内のアレルゲンの主な物質
カビ
チリやほこり
ペットの毛やフケ
昆虫(ゴキブリなど)
花粉
次に表をお見せします。この表はアレルギー疾患のひとつである、アレルギー性鼻炎の方の年齢別のアレルゲンIgE抗体陽性率を示したものです。
抗体陽性率とは、そのアレルゲンに反応してしまう人の率ということです。
参考:原因抗がスギのみ花粉症患者は除く 奥田稔ほか:日耳鼻 2002, 105,(12 ), 1181
この図からわかることは、ハウスダスト(室内塵)とヤケヒョウヒダニの率が非常に高いことです。
年齢別には10歳~20歳までが最も多く、その後減少していきます。
このことからも、アレルギー疾患の患者が若い年齢が多いことの感覚と一致しています。
ハウスダストやヤケヒョウヒダニって?
では具体的にハウスダストっていったい何なんでしょうか?また「ヤケヒョウヒダニ」はダニの種類だということは分かりますが、他のダニと何が違うのでしょうか?
それらを解説していきます。
ハウスダストとは
目に見えない小さなほこりを指し、よく太陽の光などが入って来たときにホコリのようなものが見えますが、あれがまさに「ハウスダスト」です。中身はダニのフンや死骸、カビや真菌、食べカスやペットの抜け毛なども混じっている場合もあります。
ヤケヒョウヒダニとは
実はダニには数十種以上もの種類があります。これは結構驚きですね。ダニといえば一般的に『刺されてかゆい』というイメージですが、実は刺すダニは2種類しかなく、
イエダニとマダニです。イエダニとは、まさに人を刺して血液を吸うダニで皆さんが持っているダニのイメージがこれです。
最近有名になったマダニは、動物などに寄生するダニで、森や林などに存在しています。一時期そのマダニにウィルスが発見され殺人ダニとして西日本を中心に死者を出したこともありました。実際に家の中にいるダニの多くは刺さないダニなんです!!これは驚かれるかもしれませんが、実際この刺さないダニがアレルギーの一番の要因とされているヤケヒョウヒダニを含むチリダニです。このチリダニの糞や死骸を吸い込むと、アレルギーが発症するのです!!エサはタンパク質でいわゆる人間のフケや垢、食べかすなどです。チリダニの大きさは0.1~0.3mmで肉眼では見えないです。私も顕微鏡で見たことがありますが、肌いろがかった透明の色をして動いていました・・・
秋にアレルギーの症状が多くなる原因
ここまでで、お察しの方もいるかとは思いますが、ダニはの繁殖が一番多いのは体感と同じ夏です。ダニは高温多湿を好むので夏に増殖します。先ほど申し上げた通り、アレルギーの原因はチリダニの死骸とフンです!!この死骸が一番多いのがまさに今の時期、秋なのです!夏にダニが多かったので糞もカーペットの下などにたくさんたまっています。
ですので
秋にダニの死骸や糞が増える→アレルゲンが増殖→アレルギー発症という順番
なのです。
秋のダニ対策は?
ここまでで、秋にアレルギー症状が多くなる原因がお分かりになったと思います。ではどうやって対策をすればよいのでしょうか?
ダニの多い場所
まずは室内でダニが多く存在している場所を把握して、そこから対処してきましょう。
人が一番過ごす場所に多い
なぜかと言うと、先ほどにも書いたように、ダニのえさは人間のフケや垢、食べかすなのです。つまり室内の中で人が多く過ごしている場所にダニが多く存在します。
具体的には
- 布団
- まくら
- カーペット
- ソファ
- 畳
などです。
す。
具体的ダニ対策その1
洗えるものはまめに洗う。シーツやまくらカバーに付いた糞や死骸は洗濯をすることで落とすことができます。洗えるものは洗ってしまえばOKなのです。布団もこの季節は丸洗いするのが良いでしょう。掃除機で吸い取ったり、干したりする方法もありますが、これもダニ対策として完全ではないので、秋はぜひ思い切って丸洗いがおすすめです。
具体的ダニ対策その2
洗えないソファやカーペット、畳はどうするか?
まずは第一にこまめに掃除機をかけることです。
その他の対策として・・・ダニ対策のグッズがお店で売っていると思いますので、そちらを併用すると良いでしょう。
ダニを殺す殺ダニ剤、寄せ付けない忌避剤、おびき寄せるシートなどいろいろなものが販売されていますが、
私がおすすめするのは、寄せ付けないタイプの忌避剤です。
なぜかというと、安心な成分でできているものが発売されており、殺虫成分が入っていないのでペットやお子様がいる家庭でも安心して使えると思うからです。
おびき寄せるシートも使いましたが、あまり効果が実感できなかった気がします・・・。
スプレータイプの忌避剤が一番効果が実感できました!
気になる方はぜひ、お店の人に尋ねてみてくださいね!
それでは皆さん、この記事を参考に秋のアレルギー症状の悪化を防いで、健康に楽しく秋を満喫しましょう!