「年齢を重ねるごとに地肌が目立つようになってきた・・・」
「抜け毛の量が以前よりも増えてきた気がする・・・」
そんな髪の毛にまつわる不安や悩みを持つ女性は多くいます。
特に最近では10~20代のような若い世代であっても薄毛に悩む人が増えてきているといわれています。
クリニックではこうした女性の不安や悩みを解消すべく、薄毛治療が行われています。
そもそも女性の薄毛はどうして引き起こってしまうのでしょうか?
この記事では、女性の薄毛に関する様々な知識から、対策方法、女性の薄毛治療についてご紹介していきます。
目次 [非表示]
- 女性の薄毛の原因
- びまん性脱毛症(FAGA)
- 過度なダイエット
- ヘアスタイルやカラーによる原因
- 産後やピルの服用を中止する
- 女性の薄毛の種類
- びまん性脱毛症
- 円形脱毛症
- 牽引性脱毛症
- 分娩後脱毛症
- 粃糠(ひこう)性脱毛症
- 脂漏性脱毛症
- 女性の薄毛とホルモン
- 女性ホルモンのバランスの乱れは年齢と無関係
- 女性のAGAは男性ホルモンとの関係が強い
- 女性の薄毛対策~洗髪・マッサージ~
- 正しい洗髪の方法とは
- 薄毛対策にはマッサージが有効
- マッサージで注意する点
- 女性の薄毛対策~食生活~
- ビタミンを含む食品
- ミネラルを含む食品
- たんぱく質を含む食品
- バランスよく取るのが大事
- 女性の薄毛対策~ストレス発散・喫煙とアルコール~
- ストレスはこまめに発散
- 無理のない禁煙を
- お酒の飲み過ぎには注意
- 女性の薄毛治療の効果
- 内服薬
- 外用薬
- HARG療法(ハーグ療法)
女性の薄毛の原因
薄毛の悩みというと男性の方が思い浮かぶ人も多いかと思います。
男性が薄毛になってしまう理由としては、男性ホルモンの影響から引き起こる「AGA」や生活習慣等が原因とされています。
しかし、女性の場合、薄毛になってしまう原因は男性とは異なるのです。
では、どのような原因がみられるのでしょうか?
びまん性脱毛症(FAGA)
まず、薄毛に悩む女性の半数近くの原因とされている、びまん性脱毛症があります。
びまん性脱毛症は別名女性男性型脱毛症(FAGA)と呼ばれています。
男性の薄毛の原因として知られる「AGA」ととても似ている症状で、原因も同じく男性ホルモンです。
ただし、発症する仕組みは男性と女性で異なります。
男性の場合、テストステロンという男性ホルモンから5a-リダクターゼという酵素の影響でジヒドロテストステロンに変化します。
この5a-リダクターゼの量が体質・遺伝など様々な要因で増えてしまうと、結果的にジヒドロテストステロンの量も増えてしまい、薄毛を促進させてしまうのです。
一方、女性の場合テストステロンや酵素の量自体も少なく、普段は女性ホルモンの方が優位にあるので強く働くことはほとんどありません。
しかし、更年期で女性ホルモンのバランスが乱れたり、閉経を迎えて女性ホルモンの分泌量が落ちてしまうと、男性ホルモンが優位になり薄毛を促進してしまうのです。
過度なダイエット
美容を気にしている方の中には過度な食事制限を行い、美を保とうとしている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、食事制限によって体に必要な栄養成分が不足してしまうと髪の毛や頭皮といった末端の組織まで栄養素が届かず、成長がストップし、成長しきらないまま髪の毛が抜けてしまうのです。
また、食事制限のみのダイエットだと運動不足によって血流が滞りやすくなり、栄養がきちんと取れていても末端まで届かず薄毛になってしまう可能性があります。
ヘアスタイルやカラーによる原因
カラーやパーマをかけることは、頭皮や髪の毛にとって負担をかけることになり、薄毛につながってしまう恐れがあります。
特に、カラーは頭皮との相性が悪いと炎症を起こしてしまう可能性もあるので注意しなくてはなりません。
また、ヘアスタイルによっても薄毛につながる場合があります。
例えば毎日ポニーテールやお団子ヘアなど髪の毛を引っ張るようなヘアスタイルにしていると、髪の毛や頭皮に大きな負担がかかり、それが原因となって抜けてしまいます。
産後やピルの服用を中止する
産後はホルモンバランスの乱れから、体調が優れないことも多いですが、これは体調だけではなく抜け毛にもつながってしまいます。
ホルモンバランス以外にも育児のストレスや食欲が落ちてしまうことで十分な栄養が取れないことも相まって、抜け毛に悩む産後の女性は多いのです。
しかし、産後からしばらく経てば再び体も安定してくるので抜け毛の悩みも解消されます。
また、産後と似たような原理で抜け毛が発生する場合もあります。
それはピルの服用を中止することです。
ピルは排卵をストップさせ、妊娠しないようにする効果がありますが、ピルを飲むことで体内で分泌される女性ホルモンをいつでも安定化させる働きがあってこそ生まれる効果です。
しかし、今までピルを服用していたのに突然服用を中止してしまうと、脳は体が出産したと勘違いし、産後に起きる抜け毛と同じような現象を引き起こしてしまいます。
このように、様々なことが原因で女性の抜け毛は発症する可能性があります。
女性ホルモンだけではなく、ストレスや栄養不足、血行不良など、様々な要因が複雑に絡み合っている可能性も十分にあり得るのです。
女性の薄毛の種類
薄毛と一言にいっても、様々な種類があることはご存じでしょうか?
種類によって薄毛の原因も異なるため、改善するためには自分がどの薄毛に当てはまるか知る必要があります。
女性の薄毛の種類は6つあるので、一体どんな特徴があるのかご紹介していきます。
びまん性脱毛症
男性に多い薄毛はAGAですが、びまん性脱毛症はAGAの女性版とも言える薄毛で、女性の薄毛では最も多い種類です。
女性男性型脱毛症やFAGAと呼ばれることもあります。
この薄毛の特徴は髪全体が薄くなることです。
特に頭頂部のみや、頭頂部から前頭部が薄くなりやすい特徴があります。
主な原因は男性ホルモンの分泌量が増えたことで、発毛がストップする期間に当てはまる休止期の割合が増えたことにあります。
男性ホルモンの増加は女性バランスの分泌が低下したことでのバランスの乱れが生じたなど原因は様々があるので、原因に応じた対策で改善が見込めます。
円形脱毛症
こちらも女性がなりやすい薄毛の一つで、男性でもなることが多いです。
自己免疫疾患の一種で、名前のとおり10円玉くらいの円形の薄毛が特徴になります。
この薄毛は体内に侵入してきたウイルスや細菌など外敵から体を守る免疫機能が、成長している髪の毛を攻撃することで抜け毛が起きる突発性なものです。
小さな薄毛であれば自然に治りますが、薄毛が広がる場合や再発が多い場合は正しい治療で治す必要があります。
牽引性脱毛症
髪の毛が長い女性は髪の毛を結ぶ機会が多いでしょう。
牽引性脱毛症は髪の毛を強く引っ張った刺激で起きる薄毛です。
いつも同じ分け目にしたり、髪の毛をまとめる際強く結ぶことが多かったりすると頭皮や毛根に負担がかかることで抜けやすくなります。
また、結ぶ以外にヘアアイロンやエクステをすることが多い人もなりやすい傾向があるようです。
負担がかかる部分の頭皮の血流が悪くなるため、育毛や発毛に欠かせない栄養が行き渡らないため、気が生えにくくなり薄毛となってしまいます。
牽引性脱毛症は毎日同じヘアスタイルを避けたり、髪や頭皮への負担を軽くするセットを心がけたりすることで改善可能です。
分娩後脱毛症
出産後に抜け毛が増えることで発症する薄毛です。
妊娠中は髪の毛の生成や維持に影響がある女性ホルモンが大量分泌されますが、出産後は女性ホルモンが減るのでバランスが乱れてしまいます。
維持を続けていた髪の毛も休止期に突入することで、薄毛となってしまうのです。
分娩後脱毛症の場合は一時的なものなので、だいたいは半年から1年をかけて自然回復します。
ところが、高齢出産の場合は年齢的に女性ホルモンが低下しているため、完治までさらに長く、場合によっては完治が困難なこともあるので要注意です。
粃糠(ひこう)性脱毛症
粃糠性脱毛症が頭皮の角質に異常が発生することで発症する薄毛です。
はがれた角質とフケが毛穴に詰まると雑菌が増え、毛根や頭皮に炎症が起きることで髪の成長が止まり、髪の毛が抜けてしまいます。
頭皮に異常が起きる原因はシャンプーによる洗いす、もしくはすすぎ不足であること、他にもパーマやカラーリングの刺激などが当てはまるでしょう。
他にもダイエットや生活習慣が悪い、ストレスが影響の自律神経の乱れなどの影響もあります。
脂漏性脱毛症
粃糠性脱毛症同様にシャンプーでの洗いすぎや、すすぎ不十分などのヘアケアによる影響で頭皮の皮脂が過剰に分泌され、毛穴に詰まることで起きる脱毛です。
長時間のドライヤー使用による頭皮の乾燥や脂質の多い食事、自律神経の乱れなどによる影響もあります。
脂漏性脱毛症は放置すると脂漏性皮膚炎になる可能性が高いです。
脂漏性脱毛症は大きなフケや頭皮の悪臭、かゆみや湿疹などの炎症、かさぶたができるなど悪化し、さらに抜け毛を増やす原因となります。
女性の薄毛とホルモン
女性の薄毛の種類は多岐に渡り、薄毛になる原因も様々です。
しかし、女性の薄毛のほとんどは、女性ホルモンが影響しているものが多くなっています。
髪の毛全体のボリュームが落ちてきた、髪の毛の分け目の頭皮が目立ってきたなどの症状は、ホルモンバランスの乱れによって起きていることかもしれません。
ここでは、女性の薄毛とホルモンの関係性について詳しくご紹介していきます。
女性ホルモンのバランスの乱れは年齢と無関係
上記で女性ホルモンの分泌量が少なくなることによりびまん性脱毛症(FAGA)が起こり得るということをご紹介してきました。
女性の薄毛と聞くと、更年期の女性や50代以降に起こるものというイメージがありますが、最近は20代・30代の女性に薄毛症状が出ることも珍しくありません。
これには様々な背景が考えられますが、一つは女性の社会進出が関係していると言えます。
男性と同様の仕事量や責任を任される状況が多くなれば、当然強いストレスを抱えてしまうことになります。
生活リズムも不規則になってしまいますし、食生活も乱れてしまうことでしょう。
これによって、薄毛だけでなく男性のように体毛が濃くなったりヒゲが生えてきてしまうこともあります。
吹き出物や加齢臭が気になったりした場合は、女性ホルモンが低下し男性ホルモンが強くなっているサインです。
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、髪の毛の成長を阻止し薄毛や抜け毛を発症しやすくなる要因でもあります。
こうした症状は、年齢関係なく若い女性にも容赦なく降り掛かってきてしまうのです。
女性のAGAは男性ホルモンとの関係が強い
実は女性の薄毛は、男性のホルモンが原因で引き起こる場合もあります。
男性の薄毛というのは、男性ホルモンが過剰に分泌してしまうのが原因と言われています。
個人差はありますが女性にも男性ホルモンの分泌は少なからずあり、頭皮環境もこれによって左右されているのです。
女性ホルモンというのは、もともと男性ホルモンであるテストステロンが原料になっていることをご存知でしょうか?
女性の卵巣では、テストステロンがアロマターゼ酵素によって女性ホルモンであるエストロゲンに変換されています。
若い年代は女性ホルモンの量が圧倒的に多いのですが、40代半ば以降になると更年期と共に卵巣が衰えてきます。
そうすると女性ホルモンの分泌量が激減して男性ホルモンの働きが強くなってきてしまいます。
この男性ホルモンによる薄毛を「AGA」と呼んでいますが、AGAは男性だけでなく女性にも起こる可能性があるのです。
そのため、シニアの女性の間でAGA症状に悩む人も少なくありません。
若い女性でも、体毛が濃い、ヒゲが生えているなど男性ホルモンが多い人は、過度なストレスや睡眠不足によってAGAを発症させてしまう可能性があります。
ですから、女性のAGA症状は、いかに男性ホルモンの分泌を少なくするかが重要なポイントになってきます。
男性ホルモンの働きを少しでも弱体化させ、薄毛の改善に導いていくかが大切です。
ここからは女性の薄毛対策としてどんなことができるのか、具体的な方法をご紹介していきましょう。
女性の薄毛対策~洗髪・マッサージ~
女性の薄毛対策として、まずは洗髪の仕方を振り返ってみましょう。
間違ったやり方をしていると薄毛が進行してしまう可能性もあります。
そこで、正しいシャンプーの仕方とマッサージ方法について解説していくので、現在自分が行っている洗髪のやり方とぜひ比較してみてください。
正しい洗髪の方法とは
自分ではしっかりと洗っているつもりでも、頭皮には悪影響になっている場合もあります。
正しい洗髪のやり方を実行することで、薄毛を予防できるでしょう。
1.ブラッシング
洗髪の前にブラッシングをすることで、抜け毛を予防することができます。
髪の毛を洗っている際に指に髪の毛が引っかかることはありませんか?
これは、髪の毛にホコリがついていることで引き起こされることもあるのです。
ホコリが付いたまま洗ってしまうと、髪の毛が絡まってしまい洗髪の際に髪の毛を引き抜いてしまう原因にもなるのです。
それを防ぐためにもしっかりとブラッシングを行いましょう。
2.予備洗い
まずは、お湯だけでしっかりと髪の毛を洗います。
その時のお湯の温度は少し温めの38度ほどが良いでしょう。
髪の毛についている汚れを洗い流し、毛穴を開かせることでシャンプーを付けたさいに汚れを出しやすくするのです。
3.シャンプー
予備洗いが終了したらシャンプーです。
この時、手の上でしっかりとシャンプーを泡立てることが重要です。
直接シャンプーを頭皮に付けてしまうとシャンプーが毛穴の中に残ってしまう原因となってしまいます。
泡立てたシャンプーを地肌に付け、指の腹を使ってマッサージをするように優しく洗っていきましょう。
ただ単にゴシゴシ洗うのではなく、頭皮を動かすように指を密着させてマッサージをします。
4.すすぎ
洗い終わったらしっかりとすすぎをします。
洗い残すしがあると毛穴の詰まりの原因となるので、2~3分程度かけてしっかりと洗い流すのです。
5.トリートメント
トリートメントをする場合には、必ず頭皮に液体がつかないよう気を付けてください。
毛先に使うよう揉みこみ、シャンプーと同様に十分に洗い流します。
また、きちんと乾かすことも薄毛対策には有効です。
自然乾燥をしてしまうと髪の毛が傷んでしまい、切れ毛や抜け毛の原因にもなるので、洗い流さないトリートメントなどを付けて髪の毛を熱から守ってからドライヤーで乾かしましょう。
根元から毛先の順に洗っていき、髪の毛が傷まないよう長時間ドライヤーの風や熱を当てないよう早めに切り上げることがポイントです。
薄毛対策にはマッサージが有効
薄毛に悩んでいる場合、自分で頭皮のマッサージを行っている人も多いでしょう。
ですが、薄毛が気になる部分だけに刺激を与えていたりなど、間違ったやり方を続けていると薄毛が進行してしまう可能性もあります。
効果的なマッサージのやり方を紹介していくので今日から実践してみましょう。
効果的なツボ・百会のマッサージ
両耳から頭頂部に向かった線と眉間から真上に向かう線が交差する場所が「百会」です。
そこを中指を使って優しくゆっくりと押しましょう。
血行を促す効果があるツボなので、血流が良くなり薄毛対策となります。
効果的なツボ・風池のマッサージ
首の後ろにある太い筋の外側の上には「天柱」と呼ばれるツボがあります。
そこから数センチ外側にある髪の毛の生え際のくぼんだ部分にあるツボが「風池」です。
親指の腹を使って押し上げるようにマッサージをする事で血流が良くなり、薄毛対策となります。
マッサージで注意する点
頭皮のマッサージでは、力を入れすぎてしまうと頭皮を傷めてしまう原因にもなります。
優しく圧迫することが有効的なので力加減にも注意しましょう。
また、爪を立てないよう気を付けることも大切です。
爪が伸びていると頭皮を傷つけてしまう原因にもなるので、短く切ってからマッサージを行うと良いでしょう。
頭皮が乾燥していると傷つきやすいので、育毛剤を付けてから行うなどして対処すると薄毛対策をしっかりと行うことができるので試してみてください。
女性の薄毛対策~食生活~
食生活で薄毛対策をする方法もあります。
食事は髪だけでなく、肌や骨など体を作り、体調を整えていくのに必要不可欠なものですから、しっかりとバランスよく栄養をとって生活することで心身ともに健康になり、薄毛対策にもなるのです。
では髪に良いとされる食事とはどのようなものでしょうか。
一つひとつ見ていきましょう。
ビタミンを含む食品
言わずと知れた、体の調子を整える栄養素・ビタミンです。
他の栄養素が良く働けるように手助けをすることで、体を健康に保ったり神経の働きを支えてくれます。
肌などにとっても大事な栄養素ですが、髪の場合はビタミンA、ビタミンB群、ビタミンEが特に深い関わりを持っています。
ビタミンAは細胞の酸化を抑え、健康な肌を保ってくれますし、ビタミンB群は細胞の代謝を上げてくれて、ビタミンEは血管を広げて血行を促すでしょう。
しかし、これらのビタミンは体内で作ることができません。
ですから食事で補う必要があります。
ビタミンを多く含む代表的な食品は、かぼちゃ、レバー、アーモンドなどです。
他にも野菜にはたくさんのビタミンが含まれているので、積極的に取り入れましょう。
ミネラルを含む食品
ミネラルも体の調子を整えるのに必要不可欠な栄養素です。
微量ながらも骨や歯などの体を支える構造の成分として含まれていたり、筋繊維や神経の働きを調整してくれたりと、縁の下の力持ち的な役割を果たしています。
髪も同じようにミネラルの助けを借りていて、特に亜鉛、ヨウ素の関わりが深いといわれているのです。
髪を形作るたんぱく質、ケラチンを作る際に亜鉛が使われていますし、亜鉛は薄毛の原因となる酵素を抑制する働きを持っているとも言われています。
ヨウ素は直接髪に働きかけることはありませんが、新陳代謝を制御している甲状腺ホルモンの働きを整え、正常に髪が生えてくる手助けをしてくれるのです。
そんな亜鉛やヨウ素といったミネラル分を含む食品は、牡蠣やいわし、昆布などが挙げられます。
たんぱく質を含む食品
お肉の脂が頭皮に悪いと警告する情報は多いですが、お肉に含まれているたんぱく質、アミノ酸は髪を構成する栄養素です。
これが不足してしまうと髪の毛が切れてしまいやすくなったり、新しい髪がなかなか生えず薄毛になったりしてしまいます。
また、人間の体そのものもたんぱく質で作られているので、不足してくるとそもそも肌や免疫に影響が出てくるでしょう。
疲れやすくなったり肌のハリもなくなってくるので、しっかりとたんぱく質を取るように心がけましょう。
多くたんぱく質を含むオススメの食材は鶏肉や牛肉、卵などです。
バランスよく取るのが大事
オススメの食材をいくつかご紹介しましたが、上記の食品をとるだけで髪に良い食事と言えるのでしょうか?
答えはいいえです。
人間の体は様々な栄養を織り合わせて作られています。
ただ1~2品くらい抜いたところですぐに影響が出るものではないですが、それが続けばいつしかその栄養素が不足して体調を崩してしまうでしょう。
脂肪や脂質が髪や健康に悪いと聞いて一切取らなくなれば、細胞の膜や肌などを構成している材料が足りなくなり、カサカサした肌になったりシワの原因になってしまいます。
また、食事に気を遣いすぎてストレスを溜めこんでしまったり、食べすぎ、食べなさすぎもよくありません。
飲み会や祝いの席で出てくるおいしい料理が、たとえ脂質や塩分が高そうに見えても、気にせず食べてしまって構わないのです。
代わりに、他の日で不足しているであろう栄養素をしっかり適量取ることを目標にすると、健康的でストレスなく髪や健康に良い食事を摂れるでしょう。
食生活で改善を目指すなら、まずは1週間の範囲内でバランスよく食事を取れるような目標を立ててみると良いです。
例え1日だけ完璧な食事を取れてもあまり意味はなく、良いバランスを長続きさせることが、髪や体の健康にとっても最適な行動と言えるでしょう。
女性の薄毛対策~ストレス発散・喫煙とアルコール~
現代社会では、ストレスを感じずに生きていくことはほぼ不可能でしょう。
しかし、小さなストレスの蓄積や大きなストレスは、薄毛の原因となってしまいます。
また、喫煙や飲酒などの生活習慣も、女性の薄毛の原因としてよく挙げられるものです。
それぞれの対策をご紹介していきましょう。
ストレスはこまめに発散
ストレスは薄毛の大きな原因になります。
現代では仕事や人間関係など、心身ともにストレスを感じる場合も多いでしょう。
ストレスの影響は薄毛だけでなく健康にも及ぶものなので、しっかりとストレス発散を行う、ストレスをなるべく感じない環境を作るなどの対策が必要です。
男女問わずストレスの原因となりやすいのが仕事です。
女性の場合は家事・育児による悩みも多くみられます。
ストレスを発散する方法は人によって様々ですが、半身浴を行う、好きな音楽を聴くなど、日常生活に組み込めるストレス発散方法を見つけておきましょう。
小さなストレスが蓄積していくことで体調を崩したり、薄毛の原因になったりするので、こまめにストレス発散を行うことが重要です。
休暇や休日で時間がある場合は、旅行へ行ったり趣味に没頭したりするのも良いでしょう。
忙しくて時間が取れないという場合は、栄養補給や疲労回復ができるサプリメントを服用するのもオススメです。
栄養を補給し、体の疲れを取ることで、日常生活を快適にすることができるでしょう。
また、ダイエットや食事制限もストレスが溜まる原因です。
無理な食事制限で栄養不足に陥ることで、精神状態が不安定になってイライラしてしまったり、食べたいものを必要以上に我慢することでストレスを溜めてしまうということが考えられます。
ダイエットを行う場合も、運動を取り入れるなどしてストレス発散も同時に行えるようにしましょう。
ちなみに、運動はストレス発散にとても良い方法で、しかも血行促進につながるので適度な運動は育毛効果をアップさせることも期待できます。
激しすぎる運動は体を壊す原因にもつながってしまうので、無理をせずにできる運動を選んで定期的に行いましょう。
無理のない禁煙を
煙草の主成分であるニコチンは血行不良を引き起こします。
血行が悪くなると栄養が全身に行き渡らなくなり、頭皮環境の悪化や髪の成長が阻害されてしまうこともあるのです。
喫煙者が薄毛に悩んでいる場合は、禁煙が薄毛改善の必須条件となるでしょう。
しかし、無理な禁煙は大きなストレスになってしまい、かえって薄毛の原因となってしまうことも考えられます。
煙草を1本も吸わない状態にするのが難しい場合は、1日に吸う本数を減らす、タールを下げるなどして徐々に禁煙を進めていくと良いでしょう。
禁煙したい旨を周囲の人に言っておいたり、煙草を吸いそうになったら注意してくれるように頼んでおくのも1つの手段です。
どうしても禁煙ができないという場合は、禁煙外来を利用するのも良いでしょう。
お酒の飲み過ぎには注意
飲み会や忘年会、友人との食事など、お酒を飲む機会は多くあります。
しかし、飲み過ぎには注意が必要です。
アルコールを分解するためには多くの栄養素が必要になり、そのため必然的に頭皮に栄養が行き渡らなくなってしまいます。
また、眠りが浅くなることで疲労感が翌朝まで残ってしまい、ストレスを感じてしまうということもあるでしょう。
しかし、飲酒を完全にやめる必要はありません。
適度な飲酒であれば体の負担も大きくありませんし、人によってはストレス発散になる場合もあります。
また、お酒には血管を柔らかくして血行を良くするという働きもあります。
飲み過ぎにはくれぐれも注意が必要ですが、無理な禁酒を行う必要はないのです。
まずは、ストレスを感じる環境やできごとにはどんなものがあるかを考えてみましょう。
その上で、自分なりのストレス発散方法や、ストレス発散を行える時間を見つけていくことが大切です。
喫煙や飲酒の習慣がある人は、その頻度や量が適切かどうかを見直してみましょう。
禁煙したりお酒の量に気を付けたりすることで、薄毛の改善を期待することができます。
女性の薄毛治療の効果
日々進化し続ける医療の中で、薄毛の治療法も多様化してきています。
その中で、しっかりカウンセリングを受け、自分に合った治療を選んでいくことが大切です。
では、どんな治療法があり、どのような効果があるのかを見てみましょう。
内服薬
内服薬としての処方薬にはパントールがあります。
今までの薄毛治療薬は男性に特化した薬ばかりでしたが、ドイツで開発されたパントガールは、女性の薄毛治療薬としては世界初の安全性と効果が認められた治療薬です。
この中には、毛髪の主成分シスチン、健康な毛髪に欠かせないたんぱく質のケラチン、皮膚組織を正常化するパントテン酸カルシウム、栄養素のビタミンB群などが含まれます。
効果に即効性はないものの、毛髪に必要な栄養素で組織の活性化と代謝を促し、自然で健康的に発毛を促進してくれるほか、傷んだ髪のダメージケアにもなります。
外用薬
いわゆる育毛剤と呼ばれる、頭皮に塗布する治療薬です。
処方されるのはミノキシジルや、パントスチンがもっとも一般的ですが、その違いは効能にあります。
パントスチンに含まれるアルファトラジオールは、男性ホルモンのテストステロンが脱毛因子に変わるのを抑制する働きをします。
これは、年齢を重ねるとともに女性ホルモンが減り、そのことで起こるダメージを防いで抜け毛を予防するという効果があり、発毛を促す薬と併用することが多いです。
対してミノキシジルは、もとはアメリカで開発された血管拡張剤でしたが、副作用として発毛効果が発見され、その後発毛薬としての開発が進みました。
頭皮に直接塗布することで、毛細血管を広げて血行を促進し、毛髪に必要な栄養素の運搬を助け、発毛につなげます。
また、毛母細胞に直接作用し、細胞分裂の活性化をさせることで髪の成長を早める効果もあると言われています。
つまり、パントスチンは「抜け毛対策」、ミノキシジルは「発毛」に特化した薬だとわかります。
HARG療法(ハーグ療法)
毛髪の成長因子やアミノ酸、ビタミンなどが含まれる薬剤を頭皮へ直接注入し、細胞に働きかけて毛髪を再生させる再生療法です。
この治療は、薄毛治療の中でも高い発毛率を誇り、安全性も高いことでも近年人気が出てきてますが、初めての人には、所要時間や治療内容、痛みはあるのかなど心配な面もあるかと思います。
注入方法にも色々あり、極細の針がついたダーマローラーと呼ばれるローラーを頭皮に転がして成分を浸透させるダーマローラー法や、表皮部へ細かく注射を打って皮下組織に成分を浸透させるナパージュ法など、クリニックや病院によって様々です。
所要時間もクリニックや病院によりますが、平均1時間前後が多く、時間があまりない人も安心して施術を受けることができます。
もう1つ気になるのがお値段ですが、高い発毛率を誇る最新の再生医療ですので、内服薬や外用薬治療と比べると、やはり少々高めなのが現実です。
こちらも受診機関によりますが、平均1回あたり10万円前後かかります。
しかし、だからといって、値段が安いという理由のみでクリニックを選ぶのはとても危険です。
特に初めて治療を検討している人は、わからないことだらけで不安も多いことでしょう。
また、直接注入といわれると、痛みが伴うのではと思う方も少なくありません。
ですが、最近では痛みの伴わない針の種類も増えつつあり、クリニックなどによっては、部分麻酔を行ってから打つ場合もありますので、痛みや注射が苦手な人でも、安心して治療を受けられるクリニックも増えてきています。
このように、クリニックや病院によって値段や内容など様々な違いがありますので、様々なクリニックを調べ、施術内容や所要時間などをしっかりと確認し、吟味した上で、安心できるところを選ぶようにすると良いでしょう。
女性の薄毛は単純に女性ホルモンだけが影響しているのではなく、食生活や誤った洗髪方法、ストレスなどの要因が複雑に絡み合い、髪の毛や頭皮に影響をもたらしている可能性は高いです。
今回紹介した原因や対策方法を参考に、自分でできる対策方法から始めてみましょう。
ただし、女性ホルモンが関わっている場合は、上記の対策方法だけでは改善できません。
クリニックによる薄毛治療と併用することでより改善効果に期待できるでしょう。
もし、薄毛に悩んだらまずはクリニックへ相談してみてはいかがでしょうか?