妊娠したら知っておきたい、切迫早産や切迫流産についてまとめます。
流産との違いや、「安静」と言われた場合の過ごし方などについても知っておきましょう。
安静と言われるとどうすごしていいかわからなくなる妊婦さんは多いそうです。
安静時にやっていいこと、悪いことも頭に入れておきましょう。
目次
切迫流産とは?
切迫流産と診断されたからと言って、そのまま流産に至ってしまうとは限りません。
「流産」と「切迫流産」は違うものです。
切迫流産の時期・兆候は?
生理二日目くらいの出血があり継続する、また強い下腹部の痛みがある場合にはすぐに受診しましょう。
子宮筋腫や、子宮腺筋症などの病気をもともと持っている人は切迫流産になりやすいこともあります。
切迫流産の原因
未だはっきりとしたことはわかっていませんが、初期の流産の半数以上は、受精卵の染色体異常などの胎児側の要因であることが多いといわれています。
反対に後期の流産では、母体側の影響が多く、感染症や子宮の異常(腫瘍や筋腫など)が原因となることもあるため、治療によって流産を防げることもあります。
切迫流産の症状
妊娠中に出血があったり下腹部の痛みなどの症状があった場合「切迫流産」と診断されます。
しかし、医師の指示を適切に守ることで妊娠が無事に継続されることもあるので、心配しすぎないようにしましょう。
切迫流産と診断されても、すぐに流産につながるわけではありません。
切迫流産の治療法
お腹の張止めなどの薬が処方されたりしますが、12週未満の場合は経過観察をするしかない場合もあり、何も処方しない病院もあります。
感染症、または母体の病気が原因の場合は抗生物質などの必要に応じた薬が処方されます。
切迫流産のよくある自覚症状
・強い筋肉痛のようにズキズキとしたお腹の痛み
・前かがみでないと歩けないほどのお腹の痛み
・下着にちょっとつく程度の出血後、子宮が萎縮するような違和感
・生理痛のような下腹部の痛み
切迫流産の場合、多くの人が出血や痛みがあって受診したことから診断されています。
中には妊娠発覚と同時に診断された、という人もいるようです。
切迫早産とは?
切迫早産は切迫流産に比べて、原因や予防方法がわかりやすいといえます。
医師の指示に従い安静にし、しっかりと治療をすれば早産を防ぐことも可能です。
切迫早産の時期・兆候は?
大抵妊娠22週から36週の間にお腹の張や痛みを感じ出血をおこします。
周期的なお腹の張りや痛み、また出血、おりものの増加が切迫早産のサインです。
出血や1時間に5回以上お腹の張りを感じた場合は、速やかに通院している病院に連絡を。
おりものの異常はとてもわかりにくいので、気になることがある場合には健診時に相談しましょう。
切迫早産の原因
切迫早産の原因で最も多いのは、子宮頸管と呼ばれる子宮の入り口の感染症です。
子宮に入り込んだ細菌が、子宮の収縮や破水の原因になってしまいます。
他にも、子宮頸管無力症、子宮筋腫や子宮腺筋腫など、多胎妊娠、母体が無理をし過ぎた場合にも起こりえます。
切迫早産の症状
切迫早産の症状は、子宮が収縮して子宮の出口が開きやすい状態になるのが特徴です。
お腹の張りをともなって子宮頸管が短くなる、つまり子宮口が開いてくるじょうたいを切迫早産といいます。
子宮頸管無力症などは、お腹の張りなどの自覚症状がないまま子宮口が突然開いてしまうため、健診での診察はとても重要になってきます。
切迫早産の治療法
切迫早産の治療法において重要なのは、安静に過ごすことです。
安静の度合は、個人の症状によって異なるのできちんとした医師の指示が必要です。
張りがある場合は、子宮収縮抑制剤という張り止めが投与されることもあります。
感染症の場合には、抗生物質の投与や膣内洗浄が行われることも。
切迫早産のよくある自覚症状
・歩けないほどのお腹の張りが頻繁におこる
・お腹の張りとチクチクとするような痛みを感じる
・お腹の強い張りが頻繁におこり出血も伴う
切迫早産は約20%ほどの人が健診のときに診断をくだされます。
その他の80%ほどの人は、お腹の張りを感じて健診以外に受診し、診断されています。
万が一36週未満の早産になってしまうと、赤ちゃんの身体の機能はまだ完成されないまま生まれることになります。
27週未満で生まれた場合には、脳障害、運動障害、未熟児網膜症などの合併症や後遺症なしに育つ子供は、全体の1/3程度といわれています。
現代では医学の進歩によって34週以降であれば、ほぼ問題なく成長していくようになっていますが、37週未満の赤ちゃんに最もよい環境はあくまで母体の中。
できるだけ胎内で育てられるように、安静を守ってください。
「安静」の過ごし方
自宅安静と入院安静について、わけてみていきましょう。
あくまで一般的なものをまとめていますので、細かな判断は主治医の指示に従いましょう。
自宅安静中にしていいこと
入浴
感染症予防を考えたうえでも清潔を保つことは大切。
シャワーを浴びたり、さっとお風呂に入るくらいなら問題はありません。
しかし、長風呂は負担がかかり疲れやすいので、入浴時間は短めに。
料理などの家事
自分が過ごしている部屋の簡単な掃除や、短時間の料理は問題ありませんが、長時間キッチンに立ちっぱなしになるような調理や大掃除はやめておきましょう。
また、お布団を干すこと、家具の移動などは控えておいたほうが安心。
手を貸してくれる家族がいるのであれば甘えましょう。
また、そうでない人も無理をして家事をすることはありません。
上の子のお世話
妊娠中、安静にしなくてはならないのにまだ小さい兄弟がいて・・・という人も少なくありません。
妊娠中は気持ちが不安定になってしまう子供も多いので、抱っこをしてあげたい瞬間も。
そんな時は座ってお腹を圧迫しないように、抱っこしてあげましょう。
無理のない程度のスキンシップをこころがけましょう。
テレビを見る
安静、を意識して適度に楽しむのであればテレビを見ることもかまいません。
適度に離れた位置で、疲れないように見るようにしましょう。
ソファでリラックスしたり、横になりながらテレビやDVDなどを鑑賞してリフレッシュするのも悪くありません。
自宅安静中にしてはいけないこと
トイレでいきむ
妊娠中は便秘に悩む人も多いものです。
便を出すために思いっきりいきんだからといって、すぐに赤ちゃんが生まれてしまうことはありませんが、お腹の張りや出血がある場合には控えめに。
便秘が酷い場合には、主治医に相談してみましょう。
重いものを持つ
重いものを持つとお腹に圧力がかかります。
腹筋を使う動作は、子宮収縮を招くことに。
重いものは持たず、家族や第三者の手をかりるようにしましょう。
性交渉
切迫流産や切迫早産の診断を受けているときは、性交渉は避けましょう。
外出・散歩など
自宅安静と言われたら、基本的に自宅で過ごすことを意識しましょう。
どうしても行かなければならないこと以外は、後回しに。
まずは症状がおさまるのを待ちましょう。
入院安静中にしていいこと、悪いこと
入院安静には4段階のレベルがあります。
①ベット上安静
一番安静度が高く、トイレもベットの上で行います。
子宮頸管無力症や破水の人はこのケースになることがあります。
ベットの上から全く動くことができないので、精神的な負担も大きいものですが、ベットの上でできる気分転換方法を見つけることも重要です。
②室内安静
自分の入院中の部屋の中のみ歩いてもいい、というレベル。
室内にトイレ、洗面所などがついているのであれば自分で行っても大丈夫です。
③病棟内安静
病棟の中なら歩いてもいい、というレベル。
無理のない程度であれば、他の入院妊婦さんの部屋へいってお話ししたりすることも可能です。
④病院内安静
入院安静の中では最も安静度が低いレベルです。
隣の病棟や病院の庭の散歩などが許される範囲です。
ただし、入院安静が必要な状態であることには変わりがないので、動きすぎるのはやめましょう。
入院安静中は、その安静度や病院、医師の方針によってもしていいこと、いけないことが限られてきます。
基本的には、お見舞い客とのおしゃべりですら、禁止されることも少なくありません。
入院安静になったら、しっかりと主治医の指示に従って過ごしましょう。
切迫早産 、切迫流産と診断されたら
切迫早産 、切迫流産と診断されてもお腹の張りに気を付けたり、外出も必要最小限にするなどして無事に出産を迎えられた人は沢山いらっしゃいます。
切迫早産 、切迫流産と言われたら、まず無理をしないで、赤ちゃんとゆっくり過ごすことを考えましょう。
また実際に診断されるとその現実に不安を感じたり、自分を責めてしまう人もいますが、赤ちゃんの生命力を信じて出産前に赤ちゃんとゆっくり過ごす時間を与えられた、と考えましょう。
無理をし過ぎず、周囲に協力してもらえることはどんどんお願いしてよいのです。