シナモンと言うと、お菓子などに使われている香辛料としても有名ですが、最近テレビ番組でシナモンがシミやシワに効果的だということが取り上げられ、とても話題になりました。
では、なぜシナモンがシミやシワに効果的なのでしょう?
今回はシナモンがシミやシワに効果的である理由や選び方、注意点などもまとめてご紹介していきましょう。
目次
シナモンの特徴
まずはシナモンの特徴からご紹介していきましょう。
シナモンは、「肉桂」「桂皮」とも言われる香辛料で、クスノキ科の常緑樹に分類されます。
元々は樹木なのですが、その幹や枝の樹皮を剥ぎ取りコルク層と呼ばれる層を取り除いて乾燥させることで、普段日常的に使われているシナモンになるのです。
甘い香りはするものの、シナモン自体に味はほとんどなく、多少苦味を感じる程度となっています。
そのため、お菓子などの香り付けに用いられることが多いです。
古代エジプト時代から高級な香辛料として献上されていたということもあり、その歴史はかなり古いことが分かります。
シナモンというと洋菓子をイメージすることも多く、ヨーロッパなどでよく使われていると思われるかもしれませんが、中国では古くから漢方薬として活用されていることや、日本でも東大寺が作られた8世紀頃には既に伝わっていたと言われているので、世界的に見ても歴史の古い香辛料と言えるでしょう。
シナモンの効果
では、シナモンを摂取するとどのような効果が期待できるのでしょうか?
それぞれ詳しくご紹介していきましょう。
血管を保護してくれる
シナモンには独特の香りがありますが、あの香りは「シンナムアルデヒド」と呼ばれる成分によるものです。
シンナムアルデヒドが体内に入ると血管の中にあるタンパク質の受容体を活性化させる働きを示します。
タンパク質の受容体が活性化されることによって、タンパク質から構成されている血管自体が保護され健康的な血管を保つことができるのです。
体内の塩分濃度を調整してくれる
シナモンにはカリウムというミネラル成分が豊富に含まれています。
カリウムは、塩分の多い食事を取って体内で過剰になっているナトリウムの排出を促すことができ、塩分濃度を調整してくれる役割を持っています。
むくみがひどい方や、高血圧に悩んでいる方にもシナモンを活用することで予防することができるでしょう。
血糖値が安定しやすくなる
シナモンに含まれているプロアントシアニジンは、インスリンの分泌を促すことはもちろん、インスリンが働きやすいように感受性を高める効果も期待できると言われています。
インスリンは血糖値の上昇を抑えるためにも欠かせない成分なので、血糖値が気になる方はシナモンを取り入れてみても良いでしょう。
また、インスリンによって血糖値の急激な上昇が抑えられると、過食を予防することもできるので、ダイエットにも有効です。
高い殺菌・抗菌効果を持つ
血管を保護してくれるシンナムアルデヒドは、血管保護だけでなく高い殺菌・抗菌効果を持つことでも知られています。
研究でも胃潰瘍の原因にもなってしまうヘリコバクターピロリ菌やバクテリア、シラミなどにも有用性が高いと言われています。
精神的にリラックスできる
シナモンの香りは独特な甘い香りを持っていますが、この香りがリラックス効果を高めてくれます。
気分が沈んでいる時や、孤独感が強い時はシナモンの香りを嗅ぐと落ち着くでしょう。
シナモンはなぜシミやシワに効果的と言われているの?
シナモンには様々な効果があることが分かりましたが、本当にシミやシワに効果が期待できるのでしょうか?
シミやシワに対する効果について、詳しく解説していきましょう。
まず、先程紹介したシナモンの効果の中で「血管を保護してくれる」という項目がありました。
この血管保護機能とシミやシワへの効果は非常に密接した関係を持っています。
肌には栄養素が届けられるように毛細血管が張り巡らされていますが、この毛細血管を損傷してしまうと栄養が届けられなくなり、その部分の肌機能が落ちてしまいます。
また、血行が悪くなると細い毛細血管に血液が届きにくくなってしまうので、肌への悪影響も考えられるでしょう。
シナモンには毛細血管の内皮細胞にある「Tie2」を活性化させるアンジオポエチンと同じような働きをする成分が含まれています。
40代になると徐々にTie2が減っていってしまい、細胞間に隙間ができてしまうようになります。
この隙間からどんどん栄養が漏れてしまい、例え毛細血管が損傷していなくても栄養が細胞に届かなくなってしまうのです。
体にはたくさんの毛細血管が張り巡らされているため、アンジオポエチンだけでは修復に時間がかかってしまうものの、シナモンの有効成分がサポートしてくれることで、毛細血管の修復もスピーディーに行われるようになります。
毛細血管が回復すれば、栄養が肌の線維芽細胞にも届くようになり、コラーゲンの生成も増えて肌のハリ感がアップします。
また、同時にメラノサイトやマクロファージなども通常の働きを示すようになるため、シミ・くすみの改善にもつながります。
つまり、毛細血管が修復されることでシミやシワ効果が期待できると言えるのです。
肌を健康的で美しく保つためには、毛細血管から運ばれる酸素や栄養素がないと代謝することができないため上手く機能しなくなってしまいます。
古い角質が残ってシミ・くすみの原因となったり、コラーゲンやエラスチンなどの肌の土台を支える成分の分泌量も減ってしまいシワを作る原因となったりもするため、毛細血管の正常に維持させることも美容には欠かせないと言えるでしょう。
シナモンの種類と選び方
美容効果も期待できるシナモンですが、実は大きく3つの種類に分けられることをご存知でしょうか?
シナモンの種類によっては特徴も異なってくるので、活用する前に種類の特徴と選び方について知っておきましょう。
カシアの特徴
カシアは現在流通されているシナモンパウダーの主流となっているもので、ニッケイ属シナニッケイという樹木から採取されるシナモンです。
基本的にコルク層が残っている状態のままになっているので、非常に固く手で折ることも難しいという特徴を持っています。
甘さはもちろんですが、香りが比較的スパイシーなのでスイーツよりも料理に合わせやすいシナモンだと言えます。
セイロンシナモンの特徴
セイロンシナモンは、カシアとは異なりコルク層が取り除かれているので非常に柔らかいという特徴があります。
スリランカなどで栽培されており、香りはカシアに比べると薄めになっています。
しかし、その香りの中にはバニラのような甘さもあれば、柑橘系のような爽やかさも感じられ、スイーツに使いたい種類のシナモンになります。
ニッキの特徴
ニッキは、日本産のニッケイから作られているもので、カシアやセイロンシナモンとは違う特徴を持っています。
基本的にシナモンは木の皮からできているのですが、ニッキに関しては根っこを乾燥させることで作り上げます。
原料となっている木の種類がニッケイ属ということもあり、似ている部分も多いのですが、他のシナモンに比べると香りに辛さが含まれているといった特徴の違いが見られるでしょう。
それぞれ異なる特徴を持っているのですが、シミやシワ対策で選ぶならどのシナモンが良いのでしょう?
結論から言うと、シミやシワ対策におすすめなのは「セイロンシナモン」です。
シナモンには「クマリン」と呼ばれる香り成分が含まれているのですが、この成分は摂取しすぎてしまうと肝臓・腎臓の機能を低下させてしまうと言われています。
そのためシナモンの摂取量には注意しなくてはならないのですが、セイロンシナモンやカシア、ニッキに含まれているクマリンの量が大きく異なっているのです。
セイロンシナモンは最もクマリンが少なく、定期的に量を摂取しても問題ありません。
カシアやニッキでも良いのですが、安全性を考慮するならセイロンシナモンを選んだ方が良いでしょう。
また、セイロンシナモンは上品で柔らかい風味が特徴的なシナモンになります。
シナモンを定期的に摂取するとどうしても飽きてしまいやすいのですが、セイロンシナモンであれば飽きずに長続きさせやすいと言えるでしょう。
ただ、セイロンシナモンは料理よりもスイーツに合わせやすいため、とり入れる時にスイーツばかりを食べすぎないように気を付ける必要があります。
スイーツに含まれている糖分は過剰に摂取すると肌の老化を促進させてしまい、シミやシワ対策のために食べていたつもりが、逆効果となって表れてしまう可能性が高いです。
後に詳しくご紹介するレシピを活用してみると、スイーツを食べなくてもシナモンを摂取できるのでおすすめです。
セイロンシナモンとカシアは特にパウダーになっていると見分けがつけられないという方も多いかと思います。
ニッキは分かりやすいのですが、セイロンシナモンとカシアは商品表示名でも「シナモン」とだけ書かれている場合があるので、見極める必要があります。
香りに違いがあるので香りを嗅いで確かめる方法もありますが、パッケージされていて香りが嗅げないという場合は、原産地を確認してみましょう。
セイロンシナモンは主にスリランカと表示されることが多く、カシアは中国やベトナム産のものが多く流通しています。
見た目や香りで分からない時は、原産地がスリランカのものを選ぶと良いでしょう。
シナモンを摂取する際の注意点
シナモンを摂取する際の注意点ですが、先程もご紹介したようにシナモンに含まれている「クマリン」をたくさん摂取すると肝臓・腎臓に負担がかかり、機能低下につながってしまいます。
ですから、いくらシミやシワに効果が期待できると言っても、大量に摂取することは止めましょう。
どれくらいの量なら問題ないのかというと、1日あたりの摂取量は0.6g~3gがベストだと言われています。
小さじ1杯で約2g程度ですので、小さじ1/4杯~1杯半の目安で摂取するようにしましょう。
この他にも摂取する際にいくつかの注意点があります。
アレルギー症状が出る可能性もある
シナモンは元々海外から伝わってきた香辛料であり、日本人の体質に合わないケースがあります。
シナモンがアレルギーとなって様々な症状を引き起こしてしまう可能性もないわけではありません。
万が一シナモンを摂取してからアレルギー症状が出てしまったという場合は、すぐに摂取を中止してください。
妊娠中はなるべく避ける
妊娠中はあまり香辛料をとるのは控えた方が良いと言われていますが、シナモンなら刺激も少なそうで摂取しても大丈夫だと感じるかもしれません。
しかし、実際動物を対象にした実験結果によると、妊娠中にシナモンアルデヒドを摂取したことで胎児に危害が及ぶ可能性があるとドイツの研究で明らかになりました。
人間への影響はまだ定かではありませんが、念の為妊娠中はシナモン摂取を避けた方が良いでしょう。
昼間よりも夜間に摂取する
シナモンはシミやシワ対策におすすめの香辛料ですが、実は摂取するタイミングによって逆にシミを増やしてしまう場合もあります。
シナモンは光毒性と呼ばれる性質を持っています。
光毒性のある食べ物を食べると2~6時間程度は紫外線を吸収しやすい状態になってしまうため、シミを作りやすくなってしまうのです。
そのため、シナモンを摂取する時は朝や昼間よりも夜に摂取した方が良いでしょう。
シナモンのおすすめレシピ
シナモンを毎日摂取するとどうしても飽きてしまいますが、いくつかレシピを用意しておくと飽きずに続けられます。
中でもおすすめのレシピをご紹介しましょう。
シナモン豆乳
テレビでも紹介されたシナモン豆乳を少しアレンジしたレシピになります。
材料は豆乳200ml、シナモン適量、はちみつ大さじ1を使います。
マグカップに豆乳を入れて電子レンジで加熱(500W 1分半)し、はちみつとシナモンを加えてよく混ぜ合わせたら完成です。
とても簡単に作れることも魅力的ですが、美容面の効果が大きく期待できるレシピとなっています。
また、温めたシナモン豆乳を寝る前に飲むことで体が冷えにくく、睡眠の質を高めることができるので美容面にも健康面にもおすすめです。
まるごと焼きりんご
スイーツを作るのは面倒だという方も、簡単に作れるまるごと焼きりんごをご紹介しましょう。
材料は、りんご1個にグラニュー糖15g、シナモン適量、レモン汁小さじ1です。
りんごのヘタを上からナイフで切り抜き穴を開けておきます。
そこへグラニュー糖・シナモンを入れ、レモン汁を振りかけましょう。
オーブンは180℃で予熱しておき、温まったらりんごを入れて30~40分様子を見ながら焼いていきます。
これだけで美味しいスイーツの出来上がりです。
1人で1個食べるのは大変でも、冷蔵庫で冷やしても甘みが増して美味しく食べられるので、あえて残しておくのもおすすめです。
シナモンがなぜシミやシワに効果的なのか、またシナモンを摂取する時の注意点や選び方についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
スキンケアだけではなく、シナモンも活用することによってさらにシミやシワの改善効果が期待できます。
上記で紹介した注意点に気を付けながら、ぜひ試してみてください。