ちょっとした拍子に激しい咳が出てつらい・・・
という症状に悩んでいる人が増えています。
咳に関する病気の中で実はあまり知られていないのが咳喘息。
気管支喘息と名前は似ていますが、全く違う病気です。
自然と治まることも多く、風邪と間違えやすいので気づかずにいる人も多いのですが、長引く咳には要注意。
咳喘息の症状とは?
のどがイガイガする、咳が激しい、などが咳喘息の主な症状です。
症状がひどいと、話しをできないほど咳き込んでしまうこともあります。
咳の出るきっかけは、香水やエアコンの風など様々。
「たん」を伴わないから咳が、数週間・数カ月も続いていたり、頭痛や発熱を伴っていないのであれば咳喘息である可能性が高いです。
咳喘息は市販の咳止めでは治りません。
咳喘息が疑わしかったら、必ず呼吸器科などの医師の受診を。
咳喘息の原因は?
咳喘息は、主にハウスダスト、ダニ、などに対するアレルギー反応や、花粉症、アトピー性皮膚炎などに合併して起こります。
何がアレルゲンになっているかは、専門機関での検査が必要です。
ちなみに、花粉症、アトピー性皮膚炎の人に起こる咳は、アトピー性咳と区別されることもあります。
しかしながら、治療法や病状はほとんど同じです。
咳喘息はどんな人がかかりやすい?
咳喘息は以外にも若い世代に多くみられます。
20代から30代が中心で、女性の方が圧倒的に多くかかっていいます。
なぜ、女性に多いのかははっきりとわかっていませんが、ここ数年で急増しています。
咳喘息から気管支喘息になることも
気管支喘息とは、アレルギー反応のために気管支に炎症がおき、気道が狭くなってぜいぜいという息遣いや呼吸困難が起こるものです。
一方で咳喘息は慢性的に、咳だけが出る病気です。
性質は異なるものですが、咳喘息をしっかりと治療せずに放置していると2割くらいの割合で気管支喘息へ移行するといわれています。
咳喘息は、早めの治療が肝心です。
咳喘息と風邪は間違いやすい
自分が咳喘息であると気が付かない人は、自分にアレルギーがあることを知らない人が大半です。
そのため、咳が長引いても風邪であると勘違いしてしまいがち。
風邪薬を飲んでいるのに、全くよくならない・・・なんてときは要注意。
逆に、風邪がきっかけで起こる咳喘息もあります。
このケースは、さらに気が付きにくく発熱や頭痛がおさまったのに、咳だけが治らない・・・というパターンを繰り返します。
季節の変わり目は要注意
咳喘息がよく起こるのは、季節の変わり目です。
特に、春から夏、秋から冬に多くみられます。
梅雨時になると、咳が出る・・・というような季節性の症状も、咳喘息の判断材料に。
布団に入った後や、天気が変わった直後など気温や気圧の変動が咳喘息のきっかけになることもあります。
咳喘息はレントゲンではわからない
咳喘息は、レントゲンや聴診では判断できないので、風邪と間違えられたり、原因不明の咳と診断されてしまうこともあります。
胸部のX線写真では、影が写ることなく正常であり、聴診でも雑音が聞こえない、というのが咳喘息の特徴です。
正しく診断を得るためには、呼吸器科の専門医がベター。
咳喘息の治療は?
咳喘息はきちんとした治療をすれば、数日から数週間でよくなる病気です。
治療方法としては、ステロイドを含む粉末の薬の吸入、気管支拡張薬のテープを貼る、などが行われます。
咳喘息の決め手となるのは、ステロイドの吸入。
ステロイドに抵抗のある人もいるかもしれませんが、マイクログラム単位のごく微量なステロイドの吸入は副作用もほとんどありません。
長びく咳にはこんな病気も
長引く咳には、風邪はもちろん、気管支炎や肺炎、百日咳、マイコプラズマ肺炎などもあります。
このように、咳を起こす病気は咳喘息以外にも様々。
また、長引く咳には思わぬ病気が潜んでいることもあるので素人判断せずに、きちんと専門医を受診してください。