心臓が口から出てしまうほどの激しい動悸、苦しさ・・・
手足、体が震え、めまいやふらつき、冷や汗・・・
そして現実感が遠くなり自分が自分でないような気がしてしまう・・・などパニック障害の一般的な症状は10種類以上にも及びます。
これら、10種の症状のうち4つ以上の症状が一挙に起こってしまうのがパニック障害の特徴。
発作は数分程度でピークをむかえ、大抵は30分程度、どんなに長くても1時間くらいで治まります。
しかし、そのパニック障害の発作自体が強烈なので「また発作が出たらどうしよう・・・」という不安が頭から離れなくなってしまいがち。
この不安感が1ケ月以上継続し、発作も繰り返し起こしてしまう場合はパニック障害である可能性が非常に高いといえます。
目次
パニック障害の症状とは?吐き気をともなうことも・・・
パニック障害の主な症状
・発汗 ・動悸 ・心拍数増加 ・息苦しい ・震え ・窒息感 ・胸が痛む、または胸のあたりの不快感 ・めまい ・ふらつき ・気が遠くなる ・死への恐怖感 ・現実感がなくなる ・冷感または熱感 ・感覚麻痺 ・吐き気 ・腹部の不快感 コントロール不能に陥る恐怖感 |
これらの症状に当てはまるものがあっても、その症状が単独で起こるのであればパニック障害ではなく他の病気の疑いがあります。
パニック障害で一番問題であるのは、「予期不安」という、まだ起きていない発作に対して恐怖が募ること。
長い間予期不安に悩まされ、そこから次の発作が起きて更に不安が増してしまうという悪循環に陥ることもあります。
パニック障害の症状が悪化すると、以前発作を起こした場所を避ける「広場恐怖」という不安障害までも引き起こし、家から外に出られなくなる・・・など日常生活に支障をきたすようになってしまうことも。
そして症状が悪化すると意識を失い倒れてしまうようになります。
ある日突然パニック障害に
最近ではパニック障害と耳にすることも増えてきました。
これは、ある日なんの前触れもなくいきなり息苦しくなったり、激しい動機が起こったり、不安感に押しつぶされそうになるなどのパニック発作をおこす「心の病気」。
パニック障害は乗り物に乗っていたり、街の雑踏だったり、例えば家でくつろいでいたり・・など発作を起こす要因が何もないであろう場所でも突然起こるのが特徴です。
そのため、多くの人が原因がわからず放置しがちで、ますます症状を悪化させてしまうのです。
発作自体をおさえることは、専門家の精神科医にかかればそう難しいことではありません。
少しでも早く、適切な治療を受けることが重篤化しないための最善の道です。
パニック障害を知ろう
もしかして?と思ったらしっかり読んでおこう
どうして前触れなく発作が起こるの?
パニック障害の発作の原因は、未だはっきりとしたことはわかっていません。
しかし、脳幹の一部である「青斑核(せいはんかく)」が何らかのエラーを起こすからではないかという説が濃厚となっています。
もともと青斑核は、身の危険や不安を感じるとノルアドレナリンという神経伝達物質を分泌します。
何も起きていない、危険でもない状態の時に青斑核が誤作動を起こし、不必要なノルアドレナリンを異常分泌してしまうことで様々な症状が起こってしまうと考えられています。
どんな人がなりやすいの?
パニック障害を発症しやすいのは、圧倒的に2~30代の女性です。
過労、運動不足、喫煙、月経などによるホルモンの影響、日常生活におけるストレスの他に、親も発作を起こしていると遺伝的にその子供もなりやすいという傾向もあるそう。
特に、筋肉に疲労物質である乳酸が溜まると発作が出やすいともいわれているので、体が肉体的に疲れているときは注意が必要です。
パニック障害の対処法を知っておこう
パニック障害とうまく付き合う5つのポイント
①自分自身を責めすぎない
パニック障害は、決して性格が弱いとか怠けグセがあるからといって発症するものではありません。
予期不安、広場不安が強くなってしまうと外出は困難になりがちですが、「自分は甘えているからだ」と責めすぎないこと。
自分自身を責め続けることは、かえって症状の悪化につながります。
②適度な運動、息抜きを意識的に
体も心もほぐしてくれるような、適度な運動や息抜きは自分で行えるパニック障害対処法のひとつ。
ヨガ、気功、太極拳など呼吸法でリラックスできる運動が適しています。
また、仲の良い友達とたわいもない話をしたり、ショッピングに出かけたり、何か趣味を見つけることで上手に気晴らしするクセをつけることも心がけましょう。
③生活は規則正しく
不規則な生活は、自律神経のバランスを崩すので発作を起こしやすくします。
まずは、生活のリズムをきちんと整えましょう。
夜型生活の人は、朝型に変更して毎日起きる時間、眠る時間を一定に。
食事も決まった時間にきちんと3食摂ることが重要です。
④治療は薬が中心に
脳内の神経伝達物質の働きに異常が起きてしまうのがパニック障害の発作の原因。
この機能を正す薬で治療していくことが基本となります。
症状が軽いうちであれば、発作は早く治まる上に徐々に薬を減らして数カ月で治療が終了することもあります。
薬の量は専門医の指示通りに守ること。
自己判断で量を調節したり、中断すると逆に症状を長引かせる要因になります。
⑤こんな嗜好品はやめよう
パニック障害の発作を引き起こす要因をなるべく取り除くことを考えるのなら、喫煙者ならまっさきに禁煙を。
コーヒー、タバコの中のカフェインは、脳の神経に作用し発作を誘発しやすいといわれています。
他にも、お酒、炭酸飲料も引き金になるとされているので注意しましょう。