料理研究家、管理栄養士である村上祥子さんがテレビで紹介したことをきっかけに、大注目を浴びているレモン酢。
レモン酢はフルーツ酢の中でも、多くの健康効果があるといわれています。
今回は、話題のレモン酢についてまとめます。
レモンの成分を知ろう
フルーツや野菜などの有効成分が発見されたのは、割と最近になってからです。
今では様々な成分の機能が研究によって明らかになり、健康に役立てられるようになってきました。
しかしレモンは、成分や効能もまったく解明されていない何百年も前から、世界中で健康に役立てられてきました。
その歴史は16世紀頃からはじまり、長い航海の際に船にたくさんのレモンが積み込まれていたことから始まります。
長期に及ぶ大航海の中では、レモンをかじることによりビタミンCの不足によっておこる出血性の病気「壊血病」などの様々な病気を防いでいたそうです。
レモンの有効成分
ビタミンC
レモンといえばまず、ビタミンC。
ビタミンCは疲労回復、風邪予防に役立つ他、肌や骨の形成に必要なたんぱく質「コラーゲン」の生成にもなくなてはならない成分です。
さらに最近研究で明らかになったのが、ビタミンCに血液中の余分なコレステロールや中性脂肪を減少させ、血液がサラサラになるという働きです。
ビタミンCが豊富な柑橘類を普段から多く摂っている人ほど、肥満や生活習慣病を予防することができます。
レモンポリフェノール
レモンには多彩なポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールは抗酸化作用を発揮する「機能性成分」であり、体内に増えすぎると病気や老化の原因になる「活性酸素」を抑制する働きがあります。
レモンに含まれるポリフェノールは、エリオシトリン、ヘスペリジン、ケルセチンなどが確認されています。
この3つのポリフェノールの中でも、特にレモンに多く「強い抗酸化作用」を発揮するのがエリオシトリンです。
エリオシトリンは血管を強くする、血液循環をよくする、血中の脂質を減らす作用があります。
また、ヘスペリジンは柑橘類全般に含まれるポリフェノールで血管強化に役立ちます。
ケルセチンは玉ねぎや蕎麦にも含まれているポリフェノールですが、関節、血管、血液の健康維持に効果をもたらすと注目を集めている成分のひとつです。
ヘスペリジン、ケルセチンはビタミンPとも呼ばれます。
ポリフェノールには、抗酸化作用以外にも大腸菌やピロリ菌、虫歯菌などに対する抗菌作用もあります。
そして、これらのレモンポリフェノールは果肉や果汁に比べて「皮」の部分に多く含まれています。
つまり、レモンの抗酸化作用や抗菌作用を存分に発揮させたいのであれば、皮もきちんと摂ることが重要になってきます。
レモンの色素成分、香り
レモンの色素成分や香り成分も健康を助けるのに役立ちます。
カロチノイドの一種の色素成分であるβクリプトキサンチンは、血液循環や骨の強化に効果をもたらします。
また、香り成分のリモネンは、リラックス効果や血行促進効果があることでも知られています。
レモンの摂取によって不眠症が緩和したりするのも、リモネンのリラックス効果がうまく作用したものといえます。
クエン酸
レモンの独特の酸味のもとであるクエン酸は、細胞でエネルギーを生み出す「クエン酸回路」で重要な働きをする成分です。
疲れを感じた時にレモンを摂るとクエン酸回路が働き、早く疲労が取れ体力も回復します。
さらに、クエン酸には「キレート作用」というものがあり、カルシウムや鉄など体に吸収されにくいミネラル分を包み込んで吸収されやすい形に変化させます。
この働きは骨粗鬆症の予防に有効に働きます。
レモンを皮ごと効果的に摂るためには、レモン酢にするのがベスト。
レモンと酢の組み合わせはお互いの効果を倍増させるため、レモンを丸かじりするよりもずっと効果的です。
豊富にポリフェノールを含む皮ごと摂れるだけでなく、酢の酢酸にも含まれるクエン酸回路の働きによる相乗効果で、疲労回復、肥満の解消、美肌効果が期待できます。
さらに、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防や改善にもレモン酢は役立ちます。
レモン酢の作り方 ~村上祥子さんレシピ
材料 レモン酢800ml分
・酢400ml(米酢、玄米酢などの穀物酢。りんご酢などの果実酢でも可)
・国産レモン180g(1個半から2個くらい)
・氷砂糖180g(黒砂糖、上白糖、きび砂糖でも可)
・保存用の瓶(電子レンジ対応の耐熱ガラス製)
1.レモンはお湯で洗う。皮の表面をタワシなどでごしごし洗い、水分はペーパータオルでしっかりふき取る。
2.レモンを0.5~1センチ幅の輪切りにする(皮ごと)
3.耐熱瓶にレモン、氷砂糖を入れて酢を入れる
4.瓶の蓋はしないで、電子レンジで加熱
500wなら1分20秒、600wなら1分、750wなら50秒
※この時点では氷砂糖はまだ溶けません。
5.電子レンジから瓶を取り出し、蓋をする
常温で12時間放置したら出来上がり
レモン酢の保存方法
レモン酢は常温で約1年間保存ができます。
直射日光は避け、涼しいところで保存しましょう。
使用していく中で水分が減ってきたら、空気に触れないように瓶の中にさらにラップなどをしましょう。
レモン酢は時間の経過とともに、どんどん色が濃くなりレモン自体の皮の色が抜けてきます。
それでも効果に問題はありません。
レモン酢の飲み方
レモン酢は基本的に水やお湯で割るだけでおいしく飲むことができます。
(レモン酢大さじ1を2~3倍以上の水やお湯で薄める)
その他にも、紅茶で割ってサワーティにしたり、牛乳や豆乳で割ってヨーグルトのような風味を楽しむこともできます。
無糖の炭酸水でわるのもさっぱりとして美味しいです。
そして、寒い季節ならホットコーヒーに混ぜてレモンコーヒーを楽しんだり、甘酒に加えても◎。
スポーツの合間の水分補給や脱水予防には、レモン酢1カップに塩を小さじ1/2加えて塩レモン酢を作り、500mlのペットボトルの水を30mlほど抜いたものに塩レモン酢を大さじ2杯入れて、ボトルを良く振れば究極の脱水予防ドリンクになります。
レモン酢の活用方法
レモン酢は料理にも幅広くアレンジできる活用しやすい調味料にもなります。
1.レモン酢を飲むのではなく、そのまま酢漬けになったレモンをおやつのかわりに。
2.レモン酢を飲み切ってレモンだけ残ったらサツマイモと煮ておやつに、又お肉などの煮物に入れればお肉が柔らかくなります。
3.漬けたレモンを細かく刻んでチーズケーキを作るときにいれたり、ヨーグルトに混ぜて食べる
4.漬けたレモンだけ取り出して、炒め物に混ぜる
5.レモン酢に醤油、サラダ油、塩、コショウを混ぜドレッシングに
6.レモン酢に素揚げのアジをいれれば美味しいアジの南蛮漬けに
レモン酢を飲み続けて得られる効果とは
レモン酢を習慣づけるようになると、様々な健康効果が得られ、体も変化していきます。
中には毎日3階レモン酢を飲むようにしたら、肌の艶がよくなり3週間ほどで8キロのダイエットに成功したとか。
また、お酒が大好きな人でも、お酒にレモン酢を入れつづけているうちにお腹回りがサイズダウンしたという例もあります。
むくみに悩まされている人にも効果があり、レモン酢を飲みだして数日でむくみが緩和していきます。
レモン酢は、やはりダイエットやむくみに効果的、さらに美肌も得られるありがたいドリンクなのです。
しかも、コレステロールや中性脂肪値も下げるので健康維持には欠かせませんね。
国産レモンの旬は冬。
早速レモン酢を作ってみてはいかがでしょうか?