寒くなってくると、みずみずしく美味しくなる「大根」。
そんな大根を生で食べることによって、ダイエットだけでなく生活習慣病予防もできることがわかっています。
欧米化した食生活のリセットにも役立つ、大根おろし。
今回は、大根おろしでなぜ痩せられるのか?まとめていきたいと思います。
目次
大根おろしは腸の毒消しをしてくれる
日本人は、古くから穀物や野菜を中心とした食生活を送ってきました。
ごはん、お味噌汁にお漬物、といういわゆる伝統的な和食は日本人の体質にも最も合っており、健康を保つのにも最適な食事といえます。
この伝統的な和食に、必ず付け加えてほしいのが「大根おろし」です。
腸の環境を整えることは健康の要ということも最近は知られてきましたが、その腸内環境を整えるのにこれ以上ない、といえるのが「大根おろし」なのです。
私たちの病気の一部は、今まで食べることのなかった「体質に合わない」食事を口にするようになったことにもあります。
食生活の欧米化、肉食化により、日本人の腸内環境は著しく悪化してしまいました。
肉類をはじめとする「動物性たんぱく質」は、腸内に異常発酵を起こし有害物質を発生させます。
できてしまった有害物質は、血液にのって全身を巡り様々な組織に炎症を起こしてしまいます。
そして腸内の異常発酵は、血液までもドロドロに。
そのため血管は硬く、もろくなり、血圧が上がりやすくなり血栓もできやすくなります。
これらが要因となって、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や脳卒中などの重篤な病を引き起こすのです。
大根おろしに含まれる効果的な成分とは
大根には、
ビタミンCや有機酸、アミノ酸(グルタミン酸・ギャバなど)、ポリフェノール、消化酵素(ジアスターゼ・プロテアーゼ・リパーゼなど)
といった成分が含まれています。
この中でも、最も知られているのは消化酵素のジアスターゼではないでしょうか?
大根おろしを食べると、胃がすっきりと感じるのはジアスターゼの働きによるものです。
ちなみに、このジアスターゼの本体は「でんぷん」の消化酵素であることがわかっており、プロテアーゼは「たんぱく質分解酵素」、リパーゼは「脂肪分解酵素」です。
これらの有効成分によって、有害物質の発生が抑制されれば、すなわち腸内環境は整い、血液までもきれいになります。
これこそが、健康の要でもある「整腸浄血」というもので、まさに大根おろしは腸内の毒消しをしてくれるのです。
昔から、焼き魚に大根おろしを添えるのは腸内の異常な酸化分解物質を抑制するためと考えられ、古くからの人々の理にかなった知恵といえるでしょう。
大根はすりおろしてこそ優れた成分を作り出す
腸内の毒消しは、消化酵素や食物繊維によって行われていますが、大根おろしが優秀な理由はそれ以外の成分にもあります。
大根おろしをすりおろすと、組織が傷つき、そこにある酵素が活性化されることで「イソチオシアネート」という新しい「辛み成分」が作られます。
イソチオシアネートには、強い抗酸化作用があり血液をサラサラにしたり、発がん性物質を抑制する作用も期待されています。
イソチオシアネートをつくる酵素は大根の先の方に多いので、先のほうにいくほど大根おろしは辛くなります。
つまり、辛みがあるほどに効果は高くなります。
また、大根の皮にも、ビタミンPやC、カルシウムなどの栄養成分が含まれています。
ビタミンPは毛細血管強化や血圧の上昇を抑える作用があり、これらの成分も生活習慣病予防に役立つと考えられます。
そして効果的に大根おろしを食べるのなら、大根を皮ごとすりおろして食べることが一番です。
どんな野菜でも、皮と皮のすぐ下にその野菜の有効成分は凝縮されているもの。
大根も皮や皮のすぐ下には、酵素やビタミン類、食物繊維、イソチオシアネートがたっぷりと含まれているのです。
これらの有効成分は熱に弱く、加熱すると活性が失われてしまうため、生で食べることが一番の効果を得やすいのです。
イソチオシアネートを効果的に摂る方法まとめ
大根の性質を知って、有効成分を効果的に摂りましょう。
イソチオシアネートをしっかり摂るには
イソチオシアネートは、大根の組織が破壊されてはじめてできる成分。
大根をすりおろしたら、必ず10分以内に食べることが重要です。
10分以降たってしまうと、イソチオシアネートはどんどん減ってしまうことがわかっています。
大根のすりおろし方
上でも触れたようにイソチオシアネートを作る酵素は、皮や皮のすぐ下にあります。
皮をむかずにすりおろした方が、イソチオシアネートは沢山作られます。
大根おろしと合わせたいもの
鰹節やシラスなどを乗せて醤油をかけて食べれば、たんぱく質も一緒に摂取できるのでおすすめ。
また、加熱せずに作られた「生ハチミツ」とまぜれば、咳や喉の痛みに効果的です。
大根おろしは汁ごと食べよう
イソチオシアネートやジアスターゼはすりおろすと90%以上が水分に溶け出してしまいます。
つまり、汁を捨ててしまうと有効成分のほとんどを捨てているのと同じことに。
かならず汁ごと食べることが重要です。
大根おろしの保存方法は?
大根おろしはすりおろして10分以内に食べることが鉄則ですが、どうしてもまとめてすりおろしておいて保存したいというのなら「冷凍保存」がおすすめです。
ここでのポイントは、急激に冷やすこと。
空気に触れないジップロックなどに入れて薄く伸ばして冷凍してください。
長期間の冷凍保存には向かず風味は変化するので、早めに消費するようにしましょう。
20キロダイエット成功者もいるという大根おろしダイエット
大根おろしのダイエット効果
様々なテレビ番組やメディアでも注目されている大根おろしダイエットですが、健康によい酵素や食物繊維が豊富なのはわかったけど、どうしてダイエットにつながるのか?と疑問を持っている人もいるかもしれません。
なぜ、大根おろしを食べ続けると自然なダイエットが可能なのでしょうか?
アレンジ豊富で、飽きない
いろいろな食べ物がダイエットに効果的だとブームになりましたが、一時的に食べるようになっても長期的に続けられる食品はそうそうないものです。
毎日食べるうちに飽きてしまい、ダイエットを続けることが苦痛になることも少なくはありません。
しかし、大根おろしはとってもアレンジがしやすく、味の変化を楽しめるところにも結果を出せる人が多い理由が潜んでいそうです。
シンプルにお醤油をかけたりポン酢をかけて食べるのは一番おすすめですが、納豆と和えたり、ちりめんじゃこを乗せたり、色々なバリエーションが可能です。
また、大根おろしを活用して手作りのドレッシングをつくるのも美味しいです。
独特の臭いや辛みが苦手な人は、ヨールグルトに入れて食べてみてください。
りんごのすりおろしのような風味になり、美味しく食べられます。
便秘解消が大きなカギ
大根おろしでダイエットを考えるのなら毎食1センチ程度の輪切り分は食べるようにしたいものです。
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毎食汁ごとの大根おろしを食べ続けると、まず便秘の解消を実感できます。
沢山の消化酵素と食物繊維の働きで腸内環境が整い、理想的とされる「バナナ状」の便が出るようになります。
そもそも便は、すべてが食物のカスなわけではなく、体内の壊れた細胞や組織の老廃物も含まれています。
この老廃物が体内に溜まると新陳代謝が低下し、太りやすい体質へとなっていきます。
その老廃物を大根おろしの効果によって外へと排出し、体内に蓄積されにくくなるので、体重が落ち徐々に太りにくい体になれるのです。
そして、腸内環境が整えばもちろんお肌もきれいになります。
まさに大根おろしダイエットは、健康、ダイエット、美容にまで効果をもたらす最強の健康ダイエットといえるかもしれません。