性行為は恋人や夫婦がお互いの愛を確認し合う行為です。
性行為はその多くが気持ちの良い行為と思われていますが、何らかのトラブルなどによって性交痛などに悩んでいる人は案外多いのです。
性行為の悩みを抱えていても、極めてプライベートな悩みのため、誰にも相談出来ずに解消されないままというパターンに陥りやすいものです。
愛を確認し合う行為でもあり、お互いの気持ちを高め合うこと行為でもある性行為が性交痛のためにそれ自体がペナルティになってしまっている人も少なくありません。
また、こうした悩みを恋人や伴侶に隠したまま放置していると、性交のチャンスも減ってしまい2人の関係もギクシャクし始める可能性も非常に高いのです。
そこで、今回は性の悩みでも意外に苦痛を感じている人が多い、性交痛についてお伝えしていくことにします。
目次
性交痛とはどんな症状?
性交痛とは性行為中に発生する痛みの総称で、色んなパターンや色々な原因が考えられます。
男性器を入れる際に入り口がヒリヒリして痛くなる、または男性器を挿入後に感じる痛みなど、人によって感じる痛みは様々です。
また、その症状の違いによって簡単に解決するものもあれば、病気の可能性もありますので、放置せずにキチンと原因究明に努めなければ大変な事態にもなるので気を付けたいところです。
症状によって原因が違う!性交痛の原因とは?
性交痛はお伝えしている通り、様々なパターンがあります。
女性器も男性器も、皆が同じわけではありませんので、その特徴から発生することも多いのです。
では、次からは痛みの種類や原因を見ていくことにします。
◆入り口がヒリヒリする痛み
男性器を挿入する時などに入り口がヒリヒリした痛みを感じる場合は、女性器が十分に濡れておらず、準備不足が原因で潤いが足りていないことが原因になっていることがほとんどです。
性行為は人によって様々で、男性側に依存することが多いので、前戯が足りておらず、気持ちよくなっていない状態で男性器を挿入されたりすると、入り口付近に裂傷ができてしまう場合があるのです。
そのまま無理に動かしても、膣が濡れないままの性行為は痛いだけで苦痛にしかなりません。
また、その時は痛みを乗り越えられても、傷が付くことで性行為をしていなくても痛みが残ってしまうことも少なくありません。
中には濡れていないわけではないのに、入り口がヒリヒリ痛いという場合は、相手の男性器が大きすぎるというケースも考えられます。
こういう場合は、慣らしていない状態での早急な挿入が原因となっていることがほとんどです。
特に相手が若い男性の場合、テクニック不足や欲望に任せて挿入を急ぐケースが多いので、パートナーに自分が性行為で痛い思いをしていることを伝えることが必要です。
そうしたこととは別に、入り口のヒリヒリした痛みの原因の一つに、感染症などで陰部が炎症を起こしているなどの性感染症が原因ということも考えられます。
この場合、相手に感染させてしまうので、早めに病院で受診するようにしましょう。
精神的なものによる痛み
性交痛の原因として意外に多いのが初体験の際や、まだ性行為に慣れていない時に、1度でも痛みが酷くて性行為に苦痛を感じてしまった場合、、トラウマになってしまっていると、緊張などで体が硬くなります。
そのため、括約筋などに力が入ってしまい、男性器を挿入する際や性行為中に痛みを伴ってしまう場合があるのです。
こうなってしまっては、自分の気持ち1つでどうにかできる問題ではなくなってきます。
また、女性は月経や出産、更年期などの影響で女性ホルモンが減少したりします。
ホルモンバランスの崩れや乱れによって精神的だけではなく、体にさまざまな症状が出てくるため、不快感を感じたりすると精神的な面で性交痛が表れるのです。
身体的特徴による性交痛
人それぞれ身体的に個人差があるように、性器の形や位置などにも個人差があります。
人より処女膜が硬くて厚いという処女膜強靭症や、膣の大きさが狭い、パートナーの男性器が大きいなどの理由から性交痛に繋がるのです。
処女膜強靭症の場合は、何度性行為を経験しても痛くて性行為自体が出来なかったり、性行為が出来たとしても毎回出血して痛みが改善されないのです。
処女膜は、膣の入り口付近にある粘膜のヒダで、薄くてやわらかいものから厚くて硬いものまであります。
また、一部分にしかない人もいれば、全体的に張りわたっている人もいるため、個人差があるのです。
こうした場合もパートナーに相談して、自分の女性器の形や向きなどを把握して一緒に試行錯誤を繰り返していくと良いでしょう。
膣の奥が痛い
性行為の最中に子宮の奥に痛みを感じる場合は病気が原因です。
性行為で一番奥を刺激した時に当たる場所が、子宮の裏にあるダグラス窩(子宮と直腸のくぼみ)で、子宮内膜症を発症する部位です。
子宮内膜症は20代~30代で発症するケースが多く、内膜症の出来やすい部分がダグラス窩や、卵巣、卵管や膀胱子宮窩(子宮と膀胱の間にあるくぼみ)、仙骨子宮靭帯(子宮を後方で支えている靭帯)があります。
性行為中に膣の奥部分が痛いという場合は、病気を発症している可能性が高いので早めに病院を受診しましょう。
膣の潤滑液不足のヒリヒリや性交痛を解消する方法とは?
病気や身体的特徴以外の原因の場合は、色んな方法で性交痛をやわらげる方法があります。
◆ラブグッズを利用しよう
身体的特徴に個人差があるように、気持ち良いと感じる部分にも個人差があります。
気持ちいいと感じる強さや部分を自分で探してみるのも一つの方法です。
ローターやバイブなどのラブグッズを利用して自分の性感帯を探しましょう。
マスターベーションに抵抗がある場合には、パートナーに悩みを打ち明けて一緒にラブグッズを利用しながら性感帯探しをしてみるのもおススメです。
性行為で2人の関係がギクシャクしてしまう前に、性交痛という悩みを打ち明けてお互いに気持ちを高め合うことが出来ればより2人の関係性も深まります。
◆潤いを補うアイテムを利用しよう
それでも膣の潤滑が少ないくて性交痛改善できないという場合には、潤滑ジェルやローションなども活用してみましょう。
潤滑ジェルやローショ苦手という男性には、ジェルたっぷりのコンドームもあります。
潤滑ジェルや、ローション、ジェルがたっぷりついたコンドームも色んな種類があるので、自分に合ったタイプをみつけましょう。
◆前戯や雰囲気つくりで性的興奮を高めよう
膣の潤滑液が十分に出ていないのに、早急な男性器の挿入や、相手の自分本位な性行為のままでは性交痛はいつまでも改善されません。
お互いに気持ちを高め合うことで、性的興奮を高めて、十分に膣が潤った状態で男性器を挿入することが大切なのです。
性感帯をしっかり刺激して潤わせるために、敏感な部分に塗布して丁寧にマッサージする用のコスメがあります。
前戯をしっかり出来るだけでなく、敏感な性感帯を刺激出来るので、潤い不足を解消することが出来るのです。
興奮を高めて、不安感や恐怖心を和らげるためには、雰囲気つくりも大切です。
緊張したままでは、体が固まったままになるため、膣も硬いままになってしまいます。
リラックス出来るアロマを取り入れたり、雰囲気を高める照明を取り入れたりして精神的にリラックス出来る雰囲気つくりをしましょう。
◆体位を工夫して性交痛をなくす
男性器の挿入が深くなると痛みを感じるという場合は、性行為時の体位を工夫するだけでも性交痛が解消されます。
女性はうつぶせになり、両脚を真っ直ぐ伸ばしたまま、男性は女性の背面に密着するようにする体位のうつぶせバックでの性行為は、女性のお尻がストッパーとして働くため挿入が浅くなります。
また、正常位の状態で、女性は相手の腰に両手両脚を絡めた正常位脚絡み(たすきがけ、大好きロック)体位は、一見挿入が深くりそうな体位に思えますが、性交痛を感じる部分になると、相手の動きを止めやすい体位なのです。
ここまで深くなると痛いと言葉で伝えても要領を得ない場合が多いですが、性行為中に確認しながら出来るのでおススメの体位です。
体位以外にも、男性器の根元にドーナツ状型のやわらかいリングを装着するアイテムもあるので、気にせず好きな体位で楽しみたいというカップルにはおススメです。
◆相手が気がつかない優秀なコスメ
性交痛の悩みを自分だけで解決したいという人もいます。
病気の可能性がなくて、十分に濡れていないのが原因という場合には、事前にデリケートゾーンに塗って使用するモイスチャー美容液があります。
愛液に近い成分で開発されたモイスチャー美容液のため、相手に気が付かれることなく潤い不足を解消することが出来るという商品もあるのです。
それ以外にも近年では色んな商品が出てきているので、自分に合った商品を見つけて性交痛を解消しましょう。
性交痛の病院での治療方法は?
色んなラブアイテムやグッズ、美容液、コスメを試しても効果が見られない、手っ取り早く性交痛を改善したいという人は病院を受診することをおススメします。
◆漢方療法
近年では、20代でも更年期の症状が出ている女性が増えています。
更年期は、女性ホルモンの分泌が低下することで、膣内の潤滑液不足が起こることで性交痛を感じるのです。
そういう場合には、漢方療法で根本から改善していく方法もあります。
ただし、ホルモン補充療法とは違い、漢方を用いての治療となるので効果が出るのに時間が掛かります。
薬の副作用が心配、通院する時間がないという人にはおススメの治療法です。
◆ホルモン補充療法
低下したエストロゲンを補う治療法です。
体の状態などの個人差によって投与方法が変わってきます。
周期的併用投与法や、持続的併用投与法、エストロゲン単独投与法の3種類あります。
性交痛だけではなく、更年期での症状を根本的に治療する方法です。
膣の潤い不足などで入り口がヒリヒリする性交痛などではなく、病気が原因で性交痛を感じる場合には早めに病院を受診しましょう。
◆性感染症が原因の場合
性器クラミジア感染症や、カンジダ外陰膣炎などの症状には性交痛もあります。
性感染症は、相手のパートナーに感染するため、何かおかしいなと感じたら早めに病院を受診しましょう。
性交痛だけではなく、そのまま放置しておくと不妊などの原因になります。
◆子宮内膜症が原因の場合
子宮内膜症の代表的な症状は性交痛や不妊です。
最近の女性には、この子宮内膜症が非常に増えています。
こうした女性は、症状として月経の乱れが特徴的で、それ以外にも排便痛、下腹痛、腰痛などの痛みがみられます。
子宮内膜症は妊娠・出産することで体質が変わり容易に治る場合もあります。
しかし、それまでは性交痛の中でも子宮が痛いというケースが出てきます。
出産などの治癒の他の治療法は、症状の重症度や種類によって投薬よる治療と手術による治療方法に分けられます。
子宮内膜症は癌化する可能性もありますので、妊娠・出産の予定がない人は早めに病院を受診し、治療に努めましょう。
この原因がなくなるだけで、子宮の痛みを伴う性交痛を避けることができる確率はグンと上がります。
◆処女膜強靭症が原因の場合
処女膜強靭症の場合は、処女膜を手術で切開や切除します。
いつまでたっても性交痛が続く、毎回出血が見られる、相手や自分の指が入らないという場合は病院を受診しましょう。
今まで産婦人科で受診しても問題ない手術で治らないと言われたというケースも多いようです。
専門で手術からアフターケアの専用トレーニングをしている専門医を探すことをおススメします。
まとめ
行為中に何度も性交痛を感じてしまうと、性行為自体が怖くなったり、苦痛になったりします。
性交痛による痛みによる恐怖心から、トラウマになりより性交痛がひどくなるというループに陥るのです。
精神的な部分と体の反応は連鎖してしまうものなので、カウンセリングを受けたり、病院を受診したりして少しずつ慣らしていくことが大切なのです。
多くの女性が性交痛の悩みを抱えています。
一人で悩まずに、まずはパートナーに相談してみましょう。
一人で解決出来る方法もありますが、パートナーの助けが必要な方法も多いのです。
また、2人で楽しみながら色んな方法を試してみるのも関係性がより深まり、より充実した性生活を送ることが出来ますよ。