仕事がらみの会食の席での振る舞い。
あなたはきちんとできていますか?
新卒の若い女子社員なら「かわいい」で済まされることも、ある程度の年齢になったら完全にアウト。
そして会食の幹事を任されたら、スムーズにスマートに完璧なおもてなしをしたいものです。
仕事にかかわる会食は、まさにビジネスの一部。
相手の立場に立って、最高のおもてなしをすれば仕事上だけでなく、女性としての評価も上がること間違いなし!
人前で恥をかく前に、基本的な会食マナーを身に着けておきましょう。
この記事では、会食の幹事になったらすることの流れ、そして間違えてはならない出席者の座るべき位置、つまり席次(せきじ)も和洋中別にお教えします。
会食の幹事になったら
幹事に指名されたらこなすべき10のこと
1.参加者、日取りの決定
幹事になったら、まず相手方の会社にも担当者を立ててもらいましょう。
そして、参加する人数や会食を行う日、場所や予算を決定します。
相手方の担当者から相手側の会社の希望を聞きながらすすめるのが理想的。
そして参加する人の役職はそろえるようにしましょう。
例えば相手側からは部長が出席されることが分かったら、自分の会社側も部長が出席するようにするなど合わせてください。
会食の予算は自分の会社の上司にきちんと確認して、日にちや場所は相手側の意向を優先します。
確認事項
1.会食開催の日程
2.出席する人数、男女の比率
3.好き嫌いの有無
4.会食開催の場所
5.会食予算
2.お店の選択
会食開催地が決まったら、食事の内容を含めしっかりとしたリサーチを。
そして予約時にもお仕事の絡んだ会食、つまり接待であることを伝えておくことも重要です。
友人同志の気軽な会食ではなく、接待であることを伝えておけばお店側も、何かと配慮してくれます。
気になるメニューは、コース料理の中でお好みの一品を決められるプリフィクスディナーがベスト。
メイン料理だけは、お肉かお魚か選べるなどが王道ですが、お店によっても違うので予約時に確認しておきましょう。
相手の会社の方が好きなものや、ハマっている料理を事前に知ることができるのならその料理を出すこともおもてなし度のUPに。
そして、例えば相手の会社と仕事で関わりのある食材や飲み物類などがある場合は、事前に確認して準備しておくのもよいでしょう。
思わぬところで自社に関わりのある製品を出されれば、嬉しいもの。
反対に、競合やライバル企業の扱っている製品が食事の際に出る危険性も忘れずに。
お店は、予約時の確認にいい会食になるかの全てがかかってくると言っても過言ではありません。
3.会食の決定事項連絡
会食開催のお店が決まったら、相手会社側に日時やお店の詳細をメールでお知らせします。
お店の地図のリンクを張ることも忘れずに。
当日スムーズに相手側の出席者が来られるように、事前に一度下見に行って最寄駅や道順を補足すればなおよいでしょう。
また、会食に使用されるお店の評判など、楽しみに思ってもらえるような一言を添えるのもおすすめです。
会食の前日にも、再確認のメールをするように心がけてください。
この時に幹事である自分の携帯番号を添えるのを忘れずに。
緊急連絡先として伝えておいてください。
4.会食の待ち合わせ
会食当日は、もちろん遅刻厳禁。
開始の時間よりも早めにお店につくようにしましょう。
万が一、相手側の会社の方たちが迷われることもあるので、お店の前に自分だけでも待っていると理想的。
参加者全員で表で待っていると、単にプレッシャーをかけてしまうこともあるので注意が必要です。
中には一旦トイレに立ち寄りたい方もいるかもしれないので、個室であればその個室の前でお待ちするのも◎。
5.席への案内
和洋中、と食事によって席次は微妙に違います。
でも、出入り口から一番遠い席が上座で、近い席が下座であることは同じです。
お店によっては、上座が違っていることもあるのでお店の方にはじめに確認しておくと間違いがありません。
6.メニューの決定
会食の時はコースを選ぶのがベター。
でも選択肢があると、相手の満足度が高くなる傾向があります。
もし大皿料理が出てきて取り分ける必要がある場合には、おもてなしする側の末席に座っている人が全員分取り分けましょう。
大皿料理はお皿の左手前から取りはじめていくのが基本的。
主賓の方の分から取り分けて、手際よく、かつ美しく盛り付けられるようにしましょう。
7.お酒のお酌
お酒のお酌は基本的に接待をする側からするものです。
役職の順にお酌していくのが鉄則です。
もしも「自分は手酌でいいですよ」と言われたら「恐縮です」と答えて下がるか、「ぜひ」といってお酌するか、相手の表情を見つつ臨機応変に対応しましょう。
そんなのわからない・・・と思ってしまうかもしれませんが、笑顔で接していえればおのずと感じられるものです。
そして相手側からお酌を受ける際には、ビールなら飲みほしてからグラスを差し出す、日本酒なら盃を両手で持つようにしましょう。
・おかわりのタイミング
相手のグラスが1/4程度になったら、「おかわりいかがですか?」と声掛けしてみましょう。
・お酌の仕方
ビールなどを注ぐときは、必ずラベルを上に。
ラベルは手で覆ってしまわず持つ位置は瓶の下の方を、そして左手を添えてお酌します。
瓶の口とグラスが当たってしまわないように注意してください。
8.会計
支払い方法は、お店側、上司に事前に確認しておきましょう。
相手側の会社の方には悟られてしまわないように、デザートの前後でトイレへ立つ振りをして会計を済ませましょう。
会社名義の領収証をもらうことも忘れずに。
9.タクシー手配、2次会
あくまで相手側の会社の方たちの様子によって、2次会に誘うのが大人のマナーです。
1次会の後半でお伺いをたてておきましょう。
バー、カラオケ、居酒屋さんなど、相手側の希望を訪ねてお店の予約をします。
1次会にお店を選ぶ際に、2次会の候補店もいくつかリサーチしておくとよいでしょう。
もしも、相手側が乗り気でないなら1次会でお開きに。
タクシーの手配は、お店側にお願いして大丈夫です。
10.会食の翌日
会食の開催、そしてその目標とは相手側の会社と良好な関係を築くことにあります。
お礼のメールは翌日の朝イチに送りましょう。
感謝の気持ちを伝えるアフターフォローとなるこの1通のメールも、会社全体のイメージアップにつながります。
また相手側の仕事スタイルを把握している場合には、朝イチにとらわれず邪魔にならなそうな時間帯を選んで送りましょう。
ポイントは相手側からのメールが来る前に、お礼メールを送信すること。
貴重な時間を割いて会食に参加してくださったことを心より感謝しましょう。
和食の席次
床の間があるなら床の前が上座です。
そしてその隣が2番目。
出入口に近い席が下座になります。
大人数になった場合には、床の間、床脇棚を背にした中央が上座になります。
出入口に向かい左右交互に席の順位が下がっていきます。
床の間のない和室の時には、出入口より一番遠い奥の席が上座です。
洋食の席次
西洋の国では、右(right)が正しいという意味でもあることから、右側が上位という考えが一般的です。
出入口から一番遠い①の上座から見て右側が2番、左側が3番というようになります。
中華の席次
中国の皇帝は昔、北を背にして座っていたといわれています。
そのため、皇帝からみて陽が昇る東側イコール、左側を上位と考えます。
和食や洋食とは異なり左側が2番になるので注意しましょう。
恥をかいちゃうテーブルマナー
会食の幹事としての動きはイメージできたでしょうか?
次に覚えておきたいのは、食事中のテーブルマナー。
かしこまりすぎる必要もありませんが、基本はしっかりとおさえておくことをおすすめします。
してはいけないダメなマナーをまとめます。
和・洋・中共通のNGマナー
1.食事中のカラトリーの扱い
お箸、フォーク、スプーンなどを手で持ち上にあげたまま会話をするのはNG。
お箸、フォーク、スプーンなどカラトリーは口をつける部分。
見た目も美しくないので、会話の時には持っている手をお皿に下げて。
2.手を下に添えて食べる
一見上品にも見えるこの行為。
結構やってしまっている女性は多いんです。
これは一般的に「手皿」といわれ、丁寧には見えますが立派なマナー違反。
もし汁気が多くこぼしてしまうのが心配な時は、受け皿を使用するか汁気を切ってからいただくなど、こぼさない工夫を。
洋・中のNGマナー
1.お皿を持ち上げる
器を持ち上げて食事をするのが許されるのは日本くらい。
実は多くの国ではマナー違反の行為なのです。
韓国料理や中華も和食のようにおかずとごはんがある形式ではあるものの、正式マナーではお皿は持たずにいただきます。
器を持って食べるのは「和食」のみと覚えておきましょう。
2.中座の際にナプキンをテーブルに
テーブルマナーにおいて、重要なナプキンの所作。
まず、ナプキンは「たたまない」ということを覚えておいてください。
そして中座するときに、ナプキンをついテーブルに置きたくなってしまいますが、これもNGマナー。
中座するときはナプキンを「くしゃっ」とさせ、椅子の上に置くのが正解。
そして食事を終えて帰るときには、再度たたまずテーブルの上に置いてください。
和のNGマナー
1.お椀を片手で
私たちにとって最も食べ慣れているであろう、和食。
でも、意外とマナー違反してしまっていることも多いのです。
和食の器は基本、両手で丁寧に扱うようにしましょう。
お椀や器を持ち上げたり、置いたりする動作の時には、お箸をおいてから両手で動かします。
和食なら器は持ってよい、といってもそれは小鉢やお椀などの小さなもののみ。
大皿などは持たないのが基本なのです。
2.お箸の扱い
和食で重要視されるのが、お箸のマナー。
お箸は正しい持ち方で持てるようにしておきましょう。
箸の持ち方が適切でないのを「忌み箸」、お椀などの上に横に置いてしまう「渡し箸」、料理を箸で探って迷っているような「探り箸」、お箸の先をなめてしまう「ねぶり箸」などは絶対にしないようにしてください。
洋のNGマナー
1.ナイフを外向きに置く
ナイフとフォークは、「ハの字」または「4時」の位置に揃えることで、食事の休憩や終了をあらわします。
まだ食べるけどちょっと休憩というときは、フォークの背のほうを上向きに。
終了ならば、背の方を下向きに置きます。
このとき、ナイフの刃は必ず内側に来るように置きましょう。
刃が外側に向いていると、とても失礼になるので気を付けてください。
2.スプーンを縦にくわえる
イギリス式ならスープは手前から奥にすくって食べ、フランス式なら奥から手前にすくって食べます。
最近ではどちらでもかまわないものの、スープを横からすくうのだけはNGです。
そして食べるときはスプーンの横の部分から。
レンゲの場合は縦からです。
洋食マナーでは、スプーンを縦にくわえるのは絶対にやめましょう。
3.カップを両手で持つ
コースなどの最後にも出てくる紅茶やコーヒー。
ついお上品ぶって両手で飲んでいる女性、多いのです。
しかし、カップを両手で持つと「ぬるいです」というサインに。
エレガントに片手で飲みましょう。
以上のポイントを頭に入れておけば、スマートかつお上品に会食をこなすことができるはず。
初対面の人が多いときなど緊張してしまうこともありますが、基本は笑顔を忘れずに。
そして、お酒が苦手な場合は自分側の上司に飲めない旨を事前に伝えておいて。
飲める人も、調子にのって飲みすぎないよう注意しましょう。
会食の成功は自分の成功の近道。
面倒くさいとか煩わしいとか考えずに、楽しむ気持ちも忘れないで。