髪の毛の量を増やす方法にはどんなものがあるのでしょうか?
女性は出産や年齢によるホルモンバランスの変化で、薄毛に悩まれることがあります。
出産後数カ月して起こることの多い産後ハゲに始まり、ストレスや食生活も関わり多くの女性が薄毛の悩みを抱えています。
この記事では、髪の毛の量を増やす方法や、薄毛の原因、そして薄毛対策や治療方法についてまとめています。
目次
女性の薄毛の種類
女性の薄毛には種類があります。
それぞれの原因と特徴についてまずは知っておきましょう。
薄毛といわれるいわゆる脱毛症は、以下の6つに分類することができます。
1.分娩後脱毛症(産後ハゲ)
出産後に驚くような量の髪の毛が抜けていきます。
これは明らかに出産によるホルモンバランスの変化が原因。
そのため半年から1年ほどたつと、自然に薄毛も解消されていきます。
しかしながら、あまりに多くの髪の毛が抜け落ちるので、驚く人も多く、ブラッシングすることすら怖くなってしまうこともあります。
分娩後脱毛症になる原因
妊娠中は、女性ホルモンが活発になるので髪の毛の毛周期も変化してきます。
髪の毛は女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)大きく関わっており、妊娠中には髪の毛も長い期間「成長期」と呼ばれる健康に生えている状態が続きます。
出産することで、一気にこのエストロゲンが減少し髪の毛も休止期へと進んでしまうために、沢山の髪の毛が抜け落ちてしまうのです。
妊娠中はあまり髪の毛が抜けない、とは思いませんでしたか?
普段抜け落ちるべく髪の毛も妊娠中は長く生えている状態になるので、余計に一気に髪の毛が抜け落ちていくように感じます。
分娩後脱毛症の対策
分娩後脱毛症は、赤ちゃんへの授乳を終えるころには自然に回復しはじめるものです。
一般的には半年から1年で元へ戻っていきますが、この回復にかかる期間には個人差があります。
中にはなかなか薄毛が良くならない人、そして最近増えている高齢出産の人の中にも完治しきれない人もいるといわれています。
育児などのストレスも加わり、さらに抜け毛が増えてしまうこともありますが、悩みすぎずに自然回復を待つのが一番です。
2.瀰漫(びまん)性脱毛症
男性の薄毛とは違い、特定部分が薄くなるというよりも広範囲にわたって全体的に薄くなるのが特徴です。
30代後半から瀰漫(びまん)性脱毛症になる人もおり、中高年の女性にとても多くみられる薄毛の症状です。
瀰漫(びまん)性脱毛症の原因
瀰漫(びまん)性脱毛症の原因は様々ですが、一般的にホルモンの乱れ、ストレス、ダイエット、ピルの服用、ドライヤーの使い過ぎ、年齢によるものなどが考えられます。
ある一部分が薄くなっていくというよりも、全体的に抜け毛が増えていくため自分では瀰漫(びまん)性脱毛症になっていることを気が付かない人もいます。
特徴としては、瀰漫(びまん)性脱毛症になると髪の毛が細くなりコシがなくなる、ヘアスタイリングが決まりにくくなるなどもあります。
抜け毛が増えた気がすると感じたら、鏡などでしっかりと髪の毛の状況を確認してみましょう。
瀰漫(びまん)性脱毛症の対策
瀰漫(びまん)性脱毛症の場合には、薄毛が進行していても改善する可能性が大いにあります。
この瀰漫(びまん)性脱毛症は、薄毛になった原因を見極めれば再び髪の毛が生えてくるようになるとされています。
髪の毛について悩みすぎてしまうことは、よけいなストレスを生み、更なる薄毛を引き起こしてしまうので、瀰漫(びまん)性脱毛症の人は気が付いた段階で医師へ相談し治療を受ける方がよいでしょう。
3.脂漏性(しろうせい)脱毛症
脂漏性(しろうせい)脱毛症とは、頭の皮脂分泌が過剰になっていることで起こる脱毛症です。
この状況が続くと、脂漏性湿疹にもなり得るので早めに治療していきましょう。
脂漏性(しろうせい)脱毛症の原因
そもそも皮脂は、皮膚にある皮脂線で作れています。
そして汗と混ざることで皮脂膜が形成され、皮膚自体を守っているのです。
地肌が乾燥していると、皮膚はダメージを受けやすくなり、その弾力も失われていきます。
脂漏性(しろうせい)脱毛症は皮脂の過剰な分泌により、頭皮が炎症をおこし、抜け毛を引き起こしていることで起こる脱毛症です。
食生活が乱れていたり、シャンプーが合わない、しっかりとシャンプーをすすぎきれていない、なども皮脂の過剰分泌の原因になります。
そうなると、髪の毛の製造元である毛乳頭まで皮脂に触れてしまうため、毛母細胞がしっかりと働けなくなってしまうのです。
脂漏性(しろうせい)脱毛症が悪化していくと、脂漏性湿疹などもできやすくなり、頭皮環境はどんどん悪くなっていくので過剰な皮脂分泌に心当たりのある人は医師に相談し、治療するようにしましょう。
脂漏性(しろうせい)脱毛症の対策
脂漏性湿疹を起こす、菌はマラセチア菌と呼ばれいわゆるカビの一種です。
このマラセチア菌が増殖することで、かゆみを伴う湿疹ができてしまいます。
こうなると余計に薄毛も進行してしまうことになるので、早めの治療が肝心です。
4.粃糠性(ひこうせい)脱毛症
粃糠性(ひこうせい)脱毛症とは、フケが多く出るという人に見られる脱毛症です。
一般的には外的原因で起こり得ることが多いので、生活習慣を変えることで改善することも多い脱毛症です。
粃糠性(ひこうせい)脱毛症の原因
粃糠性(ひこうせい)脱毛症の原因の人は、フケが出やすい特徴があります。
スタイリング剤やシャンプーが合わない、生活習慣の乱れ、頭皮の乾燥などからフケが出るわけですが、このフケや皮脂などが毛穴に詰まってしまうことで、頭皮環境を悪くしています。
毛穴がフケや皮脂で塞がれてしまうと、血液中に含まれる栄養素が毛母細胞まで届かなくなってしまいます。
これが、薄毛の原因に。
放置しておくと、脱毛の状況はどんどん加速していく傾向があるので、生活習慣を見直しながら早めの治療をおすすめします
粃糠性(ひこうせい)脱毛症の対策
粃糠性(ひこうせい)脱毛症の場合には、シャンプーをまず見直す、そしてミネラルやビタミンを意識的に摂ることも必要です。
食生活の乱れによって、ミネラルやビタミンが不足することでも、頭皮の状況は悪化します。
また粃糠性(ひこうせい)脱毛症も過剰な皮脂分泌を起こすことがあり、全体的な薄毛に繋がりやすい特徴があります。
5.牽引性(けんいんせい)脱毛症
牽引性(けんいんせい)脱毛症はその名の通り引っ張られることで薄毛になっている脱毛症のことをいいます。
一般的にロングヘアの人に多く、髪の毛を常に縛っていたり、きつく結んでいることなどで起こります。
牽引性(けんいんせい)脱毛症の原因
牽引性(けんいんせい)脱毛症は、薄毛となる原因が明らかです。
引っ張られた髪の毛には当然負荷がかかり、毛根にもダメージが加わっています。
牽引性(けんいんせい)脱毛症の対策
牽引性(けんいんせい)脱毛症の原因は明らかなので、気になる人は髪型を変えてみるとよいでしょう。
毛根に負担がかからないようになれば、薄毛も改善していくことが期待できます。
この場合の薄毛対策としては、血行促進も効果的。
気が付いたら頭皮をマッサージするなど、頭皮の血行をよくすることを心がけましょう。
6.円形脱毛症
円形脱毛症は丸く髪の毛が抜け落ちてしまう脱毛症。
上でまとめてきた脱毛症とは違い、一部分がごっそりとなくなってしまうのが特徴です。
円形脱毛症の原因
円形脱毛症は、髪の毛だけに起こるものではなく、眉毛やまつ毛などにも見られることもあります。
更に悪化すると全身の体毛が抜け落ちてしまう、ということもあります。
円形脱毛症は、なりやすい体質の人がいるとされており、子供から大人までなる可能性があります。
そして何度も繰り返し円形脱毛症になってしまう人も多いといわれています。
円形脱毛症はリンパ球(白血球の1つ)が原因とも言われていますが、実ははっきりとした原因は明らかになっていませんが、ストレスや疲れ、なども原因といわれています。
円形脱毛症の対策
円形脱毛症になったらすぐに治療を受けることをおすすめします。
内服薬を飲むことで改善するので、悩みすぎないことも重要です。
髪の毛はなぜ抜けるのか
髪の毛に限らず、体に生えている毛には毛周期というものがあります。
全ての体毛が生えてから一度も抜けない、ということはありません。
必ず、どの体毛も、もちろん髪の毛も一定のサイクルに沿って生える、抜ける、を繰り返しているのです。
通常、髪の毛が抜け落ちても、時期がくればまたその毛穴から新しい髪の毛が生えてくるものです。
しかし、この髪の毛の毛周期が乱れてしまうと、髪の毛が減ってしまうので、当然薄毛になってしまうのです。
自分でできる髪の毛の量を増やす方法
もちろん進行した薄毛には、医師による治療が必要になってきます。
特に最近では、男女問わず薄毛治療は人気となっており、昔とは違い「髪の毛は生やせる、増やせる時代」になっています。
しかしながら、当然自分自身の生活習慣も見直すことが重要です。
薄毛対策につながる生活習慣も意識していきましょう。
1.食生活
今の日本人の食生活は、昔と大分変化しています。
発酵食品や野菜を多く摂り、健康的だった日本人の食生活はどんどん欧米化しています。
この食生活の欧米化と女性の薄毛には大きな関わりがあるといわれており、脂肪分が多くカロリーの高い食生活は、中性脂肪やコレステロール増加に直結するため、頭皮に張めぐされる毛細血管の流れも詰まり気味になるといわれています。
血行が悪くなった地肌では、毛母細胞までしっかりと栄養素を運ぶことはできません。
これが食生活の招く、薄毛のメカニズムなのです。
薄毛が気になりだしたら、日ごろ自分が食べている食事についてしっかりと見直すようにしましょう。
積極的に摂りたい食べ物
食事の面ではたんぱく質、ミネラル、ビタミンは意識して摂るようにしましょう。
以下の食材は薄毛対策に効果的といわれています。
たんぱく質:牛肉、ラム肉、卵
ミネラル:牡蠣、イワシ、昆布
ビタミン:かぼちゃ、レバー、アーモンド
また女性の薄毛には、大豆、または大豆加工食品も効果的です。
不足しがちな女性ホルモンエストロゲンに似た作用があるといわれる、大豆イソフラボンは摂るようにしておきましょう。
最も大豆イソフラボンが豊富に含まれているのはきな粉なので、毎朝ヨーグルトにかけて食べるなど習慣づけておきましょう。
2.極端なダイエット
女性の薄毛の原因で多いのがこのダイエット。
太りたくないからとカロリー制限ばかりしていると、体自体が栄養素不足に陥ってしまいます。
体のあちこちで栄養素不足が察知されると、髪の毛も成長期を終え抜けてしまうということに。
とくに年齢を重ねた人の無理なダイエットには要注意。
ダイエットも、必要な栄養素をしっかりと摂りながらすすめていきましょう。
3.ストレス
薄毛とストレスは=で繋がれるほど密接にかかわっています。
髪の毛が抜け落ちる最大の原因とも言われているストレスは、現代女性の悩みの1つでもあります。
最近では女性でも仕事を持ち、男性同等に働いている人も増えています。
時には息抜きをしてリフレッシュできる時間を持てるようにすることも大切です。
4.ヘアケア製品の選び方
使用しているシャンプー、本当に合っていますか?
シャンプーを変えたらフケが出やすくなった、頭皮がべたつく感じがする、など少しでも疑問がある場合はシャンプーを変えることをおすすめします。
合わないシャンプーやスタイリング剤を使用することで、薄毛が加速することは多いため、適したヘアケア製品選びは重要です。
またシャンプーの仕方も見直してみるとよいでしょう。
薄毛対策になるシャンプーの仕方
薄毛が気になるなら、シャンプーを以下の方法でするようにしましょう。
髪の毛や頭皮にダメージを与えないように、やさしく、尚且つキレイに頭皮の汚れを落とすのがポイントです。
1.洗髪前にブラッシングを
まずブラッシングをきちんと行いましょう。
髪の毛が絡まっていたりすると、洗う時に力がかかりすぎて抜けてしまうこともあります。
絡まりをほどく事と同時に、頭皮にある余分な皮脂なども髪の毛側にうつすという作業にもなります。
2.まずはお湯シャワー
髪の毛を濡らして、すぐにシャンプー、というのはよくありません。
髪の毛や頭皮の汚れはまず、お湯だけでしっかりと落とすようにしましょう。
この際に過度に頭皮や髪の毛をこすらないようにしましょう。
3.シャンプーは頭で泡立てない
シャンプーは頭にのせて髪の毛で泡立てています、という人はすぐにやめてください。
シャンプーはまず、手に取り、しっかりと泡立ててから頭にのせましょう。
4.頭皮は指の腹で洗う
頭皮の汚れはしっかりと落としたいものですが、刺激を与えるのは薄毛にもよくありません。
シャンプーの泡で、指の腹でマッサージしながら頭皮を洗うようにしましょう。
5.すすぎが肝心
シャンプーやトリートメントが終わったら、しっかりとすすぐようにしましょう。
この時頭皮にシャンプーやトリートメントが残っていると、頭皮環境悪化の原因に。
また、トリートメントは頭皮には付けず、髪の毛の毛先の方に使用するようにしましょう。
6.しっかり頭皮を乾かす
髪の毛はきちんと乾かすことが基本です。
特に、髪の毛というよりも頭皮をしっかりと乾かしてあげましょう。
濡れたままでいると頭皮湿疹になってしまうこともあるので、洗ってタオルドライしたらドライヤーで乾かすようにしましょう。
女性の薄毛治療は早めに
男性と比べると、女性の薄毛治療効果は出やすいといわれています。
そして今の薄毛治療は、毛髪再生医療、内服薬、外用薬などその治療方法も種類が増えていますから自分の症状や薄毛の種類によって適切な治療を受けることが可能になっています。
また女性専門のクリニックなども増えていることから、周りの目を過度に気にすることもありません。
女性の薄毛は種類が多いだけでなく、その原因も人それぞれなので、自分で適切な対策を取ることはなかなか難しいもの。
中には自己流のケアをしていて、逆に薄毛が進行してしまった、などという例もあります。
女性の薄毛はきちんと医師に相談し、早い段階で薄毛を治療していきましょう。
薄毛治療のクリニックも、最近では価格もリーズナブルになり通いやすくなってきています。
自己流で薬を服用したりするのはとてもリスクが高いのでおすすめしません。
中には男性用の薄毛には効果がありながら、女性には悪影響のあるものもあるので安易に服用するのはやめてください。
悩みすぎることもよくない薄毛問題。
早めに治療すれば半年ほどで、髪の毛は確実に増えていきます。
心配しすぎず、早めの治療開始が重要です。