血管は、人間の最大の「臓器」です。
そのため血管や血流、血液の状態は全身の健康に影響を及ぼします。
しなやかな弾力のある血管に、サラサラな血液がスムーズに流れていればいいことたくさん♪
日頃あまり意識することのない血液や血管について、ちょっと知っておいてください。
目次
血管若返りをめざす3つのアプローチ
血液の主な働きは、酸素や栄養を細胞・臓器に送りリンパ管を通じて不要物を回収すること。
私たちの体になくてはならない、栄養の輸送回路ともいえます。
血管といえば、「静脈」と「動脈」と思われがちですが、一番多く存在しているのは毛細血管です。
私たちの血管は、臓器の毛細血管や末端の血管なども全てつなぎ合わせると、10万キロもの長さに。
血液量は、だいたい体重の8%が、平均的とされています。
つまり体重が50キロであれば、血液量は4キロ適度です。(500mlペットボトル8本分)
10万キロもの長さを、心臓から出た血液が動脈、静脈を通り再度心臓に戻るまでの時間はわずか1分ほど。
凄まじい速さで流れていることがわかります。
さらに血管は内皮細胞からホルモンを分泌する働きもあります。
そのため血管が私たちの健康を握っているといってもいいほど。
もちろん血管だけではなく、血液の質もとても重要です。
いくら血管や血流がよくても流れている血液がドロドロでは健康とはいえません。
しっかりと栄養を補いながら、健康な血管、血流、血液にしていくことが健康の基本です。
1.弾力のあるしなやかな血管
健康な血管は弾力性があり、自在に収縮しながら血液を流して炎症や詰まりがないのが理想的です。
息を深~く吸って吐いてみてください。
吸うときに脈が早まり、吐くときに脈がやや遅くなる状態を「心拍変動」といいますが、これが起こっていれば血管はしなやか。
そして毛細血管の発達も重要です。
毛細血管は、酸素や栄養の交換を担っているため、手先や足先が冷えて冷たくなってしまう人は要注意。
毛細血管が弱っている可能性もあります。
心拍変動チェック
片方の手で脈をとり、深く息を吸う。
3秒程度息を止めてから、息を吐き出す。
脈拍が吸うときと吐くときで変化するか確認してみましょう。
注意してほしい生活習慣
・小腹がすけばすぐ間食
・いつも仕事に追われがち
・油を摂らないようにしている
・電車やバスですぐに座ってしまう
2.ドロドロは改善!サラサラ血液をめざす
血液は酸素を運搬して、二酸化炭素を回収してくるのが大きな役割。
理想的な血液は、運搬役である赤血球の膜がやわらかくて、血液中にも老廃物や余分な脂肪のないサラサラな血液です。
そして酸素と結合するヘモグロビンの元でもある鉄分も不足していないことが重要です。
血液の状態は、舌の裏をみることで簡単なチェックができます。
鏡で下の裏を見た時、下裏の静脈が黒っぽく浮き出ていたら血液ドロドロの可能性が。
また舌全体が白っぽくなっている場合には、鉄分不足によって貧血気味になっている可能性があります。
注意してほしい生活習慣
・お酒の飲みすぎ
・早食いをしてしまう
・味の濃いものが好き、脂っこいものが好き
・食事時間が不規則
3.スムーズな血流
血管と血液と並んで重要なのが、血流のよさ。
血液を全身に行き届かせるためには、どうしても血流に勢いが必要です。
毛細血管は血管自体が血流を押し出す力をもっていません。
そのため、物理的な刺激で補助して流すことがポイントになってきます。
しっかりと温まる入浴や、こまめなマッサージはとても効果的です。
両手を耳横につけて上にあげ、震わせてみましょう。
30秒ほど震わせたら、腕をおろしてください。
このときに指先に「じ~ん」とした感覚があれば血流がよい証拠です。
注意してほしい生活習慣
・寝る寸前までスマホが手放せない
・シャワーのみであまり湯船につからない
・生理痛を放置している
・運動不足である
血管は30代から少しずつ劣化
まだまだ若いから大丈夫と思っていても、血管は30代から少しずつ劣化しているんです。
最近ではストレス、食生活の悪さなど血液や血管の状態が悪化している若者も多いとか。
それでも、自分の体の不調が血液や血管の影響だとは気づかれにくく、知らずに過ごしているひとがほとんどです。
でも、血管や血流が原因の不調は徐々に大きな病気へと発展することもあるので、若いからといってないがしろにせず、何等かのサインに気が付いたら早めにケアすることが大切です。
砂糖の摂りすぎも血管に悪影響
若い世代の血管に悪影響を及ぼしている代表はストレスです。
ストレスによる心の緊張は、そのまま血管の緊張へとつながります。
それが原因となり30代でも心筋梗塞で倒れる、という事例も増えています。
そして砂糖の摂りすぎには注意が必要。
砂糖はたんぱく質と結合して血管に炎症をおこします。
ストレスが多く、つい甘い物に手が伸びてしまう、という女性は多いもの。
十分気を付けるようにしていきましょう。
セルライト、肥満、シミも血流の悪さが原因?
血流が滞ると体内の老廃物が回収されないので、お肌に蓄積してシミの原因にもなります。
そして体温が低く、冷え性気味になると脂肪もつきやすくなります。
この状態が継続してしまうと、脂肪細胞がひきつれてセルライト状に。
セルライトになってしまうとマッサージでの解消はほとんど不可能です。
取り返しがつかなくなる前に、しっかりと血流ケアをしましょう。
血行不良改善には「冷却入浴法」
血行不良に悩む人に試してほしいのが、冷却入浴法。
ポイントは全身をしっかりとあたためてから、顔や手先、足先をあえて冷やすことです。
そうすると、体の中心部で温められた血液が冷えてしまった末端へと流れだすので血液循環が加速していきます。
お風呂の温度は42度以上で、やや熱め。
基本的には自分の好ましい温度でかまいませんが、冬場は42度以上がおすすめです。
入浴前はしっかりと水分補給しておくことも忘れずに。
入浴中は、汗をかくのでどうしても血液が濃くなりがちです。
サラサラの血液を保つために、入浴前にはお水を飲むのを習慣づけましょう。
万が一、入浴中にのぼせてしまったら冷たいタオルで顔を冷やしましょう。
冷たいお水でタオルを絞って顔を冷やすことで、血液の流れがスムーズに。
しっかりとした弾力のあるしなやかな血管と、スムーズな血流をめざす。
これが血管若返りの基本です。