いつもは何でもないのに、月曜の朝になると胃が痛くなる・・・
電車に乗っていると、お腹の調子が悪くなる・・・
など、市販の胃薬や整腸剤を飲んでいるのにも関わらず、症状が治らない胃痛・腸の不調は精神的なものである可能性が大。
もともと、胃や腸の働きは脳からの指令をうけ自律神経でコントロールされているもの。
ストレスというものは、脳の視床下部にも影響を及ぼすので脳からの指令と自律神経のバランスも狂わせてしまいます。
それこそが、胃腸トラブルの原因に。
そして、ストレスによる胃腸トラブルはレントゲンや内視鏡検査では「異常なし」と判断されることが多いものなので、不調の原因がメンタルであるのかどうかハッキリさせることも大切です。
ストレスによる胃腸トラブル3つ
症状のパターンはいろいろですが、大きく分ければ3つに分類されます。
①胃痛
ストレスによる胃炎の典型的な症状は、空腹時、または不安感が生じたときに「みぞおち」のあたりが「しくしく」と痛む、というもの。
胃では常に、胃酸を分泌しながら、その一方で胃の粘膜を守るための防御機能が働いています。
ストレスによってこのバランスが崩れると、粘膜に炎症が起き、痛みの原因になります。
胃と腸をつなぐ十二指腸も、ストレスによって炎症を起こしやすい部位。
みぞおちの右よりが痛む場合は、十二指腸炎や十二指腸潰瘍の可能性もあります。
・しくしく、とした痛みが続く
・空腹時に痛み、何か食べると治る
・食欲がなく量が食べられない
という症状がみられるなら、ストレス性の胃痛であると考えられます。
②便秘がちである
自律神経の乱れは、便意を起こしづらくなり便秘になることが多いものです。
ストレスに悩んでいる人は、ほとんどの場合が「多忙」であり、トイレにゆっくり行く時間を取れないことも一因です。
便意を我慢し続けると、腸は鈍感になり便意事態を感じにくくなります。
そして、便秘を気にすることで腸の働きが鈍り、慢性便秘になってしまうという悪循環になってしまうことも。
コロコロとした固い便が少量しか出ない・・・という人は典型的な慢性便秘といえます。
・多忙でトイレにゆっくり行けない
・硬くてコロコロした便が出る
・環境が変わると便秘になる
という症状がみられるなら、ストレス性の便秘であると考えられます。
③便秘と下痢を繰り返している
腸の動きがストレスにより安定せず、便秘と下痢を繰り返している・・・この症状は過敏性腸症候群です。
便秘とは違い、腸の活動が活発になりすぎている状態。
便秘と下痢を繰り返すとはいっても、下痢気味であることのほうが多いです。
しかも、この症状は緊張したときや不安を感じたりするような場面で多く起こります。
いつもお腹の調子が悪くなり、通勤電車に乗れないという人もいるほど。
市販の整腸剤などでも効果が見られない場合は、消化器科を受診しましょう。
薬剤とカウンセリングによって、必ず良くなる病気のひとつなのでご安心を。
・緊張するとお腹が痛くなる
・常に下痢気味で突然便秘になってしまう
・通勤電車など混雑した場所でお腹が痛くなる
という症状がみられるなら、ストレスによって過敏性腸症候群になっている可能性が高いです。
ストレス性の胃腸トラブル対策法
胃痛や腸トラブルを避ける食習慣とは?
水分はしっかりととる
忙しいとついついおろそかになる「水分補給」。
便通を整えるために、水分は欠かせないものです。
便秘がち・・・と思う人は1日1リットルくらいの水分は意識的に摂るようにしましょう。
ただ注意してほしいのは、過敏性腸症候群の人は下痢を増長する作用がある飲み物は避けましょう。(牛乳など)
辛いものなどの刺激物も同様です。
朝食は抜かないこと
お腹が痛くなることを考えてしまって、朝食を抜いてしまうひとも少なくはありませんが、これは本当は間違い。
食事は、ほぼ決まった時間に摂るのを習慣づけるのが理想的です。
消化器系のリズムを保つようにし、便秘を防ぎましょう。
忙しい朝でも、少量でも食べる習慣を心がけることが大事です。
ストレス性の胃痛は、朝の空腹時に痛むことも多いので朝食を摂ることで痛みがやわらげることにつながります。
噛みごたえのある野菜を摂る
便の状態を整えるために、しっかりと摂りたいのが食物繊維。
ごぼう、人参、れんこんなどの根菜を積極的に摂りましょう。
また、ブロッコリーやかぼちゃなど噛みごたえがあり、尚且つ食物繊維が多く含まれている野菜を選びましょう。
胃痛や腸トラブルを避けるストレス対策とは?
しっかりと心のデトックスを
ストレスは適度に吐き出そう
悩んでいることを、誰かに話すということはとても大切なこと。
ストレスはいわば、心の毒素。
気の許せる友達や、診療内科などのカウンセリングを利用するのもいいでしょう。
話を聞いてもらうことで、症状が緩和することも多くあります。
予定を詰め込まない
ストレス性の胃痛を引き起こす人の大半は、真面目で繊細、几帳面なタイプです。
空き時間をつくることが、NG行為であるかのように予定を詰め込みがちですが、何もしない時間を作るということも大切です。
友達に誘われたからといって無理して出かけたりせずに、時にはひとりでゆっくりと過ごすことも大切です。
アロマを有効活用してみよう
鼻から脳に直接、香りの成分の刺激が伝わるアロマテラピーも、ストレス緩和のメンタルケアに最適です。
ストレス対策には、「ネロリ」のエッセンシャルオイルが定番です。
また、胃の健康を助ける作用があるのは「カモミール」、便秘には「フェンネル」がおすすめ。
湯船に垂らしてゆっくりと入浴したり、キャリアオイルに混ぜてマッサージに使用するのも有効です。
もちろん、ディフューザーで部屋に香りを漂わせるのもOKです。