朝が弱い・・・なんだか午前中はずーっとだるいまま・・・
立ちくらみもしばしば・・・血液循環がうまくいかずに、こうした症状を引き起こす「低血圧」。
低血圧の人の多くは、血管の収縮や拡張を司る自律神経の働きが弱いことが原因と考えられ、子供、高齢者、若い女性に多くみられます。
今回は低血圧について、基本的な血圧の数値・低血圧の原因・低血圧の改善のためにできることなどをまとめていきます。
低血圧って?
血圧は、動脈の内側にかかる厚を「mmhg」という単位で表すもの。
心臓の収縮と拡張した際の両方の血圧を測ります。
一般的にいわれる血圧の数値の「上」は心臓が収縮したときを指しています。
この数値が100以下、また血圧の「下」(心臓の拡張期)が60以下であると「低血圧」であるとされます。
血圧の数値が低いと、血液循環がスムーズにいかないので主に心臓より上の体の部位に症状が出ます。
例えば、血液が十分に行き届かないために「めまい」を起こしたり、ひどくなれば気を失ってしまうことも。
また、内耳や肩の筋肉の血行不良で耳鳴りや肩こり、頭痛が起こることも多くあります。
朝、すっきり起きることができない、日中だるく夕方から元気になるという体調の変化があることも低血圧の特徴です。
低血圧(軽度)の症状
・頭痛 ・肩こり ・耳鳴り ・朝起きられない
・いつも元気がない ・目がかすむ
低血圧(重度)の症状
・立ちくらみ ・失神する ・目の前が暗くなる
低血圧の原因はなに?
立ち上がる、座る、横になるなど、どんな時でも血圧は自律神経やホルモンの働きによって微調整されており、脳や体には一定の血液が送られています。
低血圧といわれれる人は、体質的にこの2系統の働きが弱いといわれています。
例えば、寝起きだったり急に走ったりしてだるくなってしまうのは、急な変化に血液が追い付かないためです。
このような体質になる原因は、未だはっきりとはわかっていませんが、生活習慣が大きく影響しているのは事実です。
運動不足や筋肉量が少ない人は、血管の収縮力が弱かったり血のめぐりが悪かったり・・・。
そして、十分な食事を摂っていない人も、水分や塩分の不足などが一因になっていることもあります。
低血圧はこんなときに起こりやすい
●入浴後
体が温まると、体温調節のために皮膚の血管に血液が集まります。
湯船につかっているときは水圧などで血圧が保たれますが、お風呂からあがるときにめまいなどが起こりやすくなるため、座ったまま体を拭くなど工夫しましょう。
夏の暑い日や、飲酒後も同じような状態になるので要注意。
●食後
食後は消化器系統に血液が多く集まり、他の器官は休憩にはいってしまうので、どうしても体がだるくなりがちです。
●スポーツ
体を動かすと筋肉に血流が集中します。
そのため、体のあらゆるところに血が回らなくなり、食後と同じようにだるさを感じます。
気分が悪いなと感じたら、無理せずに休憩をとるようにしましょう。
低血圧の改善策は?
朝食は必ず摂ろう
体を活性化させて血液をきちんと循環させるために朝食は決して抜いてはいけません。
水分、塩分をしっかりと摂るように心がけましょう。
時間がなくて食べられないという場合でも、せめてお味噌汁やカップスープは飲んでください。
その他にも、コーヒーやチーズも血圧を維持するのに役立ちます。
特に、チーズに含まれている「チラミン」という成分は血圧をあげる作用を持っているのでおすすめです。
チラミンは、ゴーダチーズなどの固いチーズに多く含まれていますよ。
頭を高くして寝る
夜更かしせずに、規則正しい生活を送ることは前提として・・・
すっきりと目覚めるためには、頭を高くして眠ることが効果的です。
ベットの頭の方だけ15センチほど脚を底上げして眠ると、朝に分泌された昇圧ホルモンと呼ばれる血圧を上げる成分が、夜の間に出始めてくれます。
結果的に、体が早くから動き出す準備を始めるので寝起きがとてもよくなります。
スポーツなら水泳を
低血圧の改善には運動も是非、取り入れてほしいもの。
心臓が活発に鼓動して、血管が収縮・拡張することで心循環器系の働きが向上します。
ですが、激しい運動は逆効果になるので注意が必要です。
一番おすすめなのは水泳。
水に入ることで血管が収縮し、さらには水圧がかかることも血圧を保つのには効果的です。
あくまで、自分のペースでゆっくり泳ぐように心がけましょう。
泳げない人であれば、水中ウォーキングでも大丈夫です。
起立性低血圧症が増えている・・・
起立性低血圧症とは、普段は何ともないのに立ち上がったときにめまいがする症状をさします。
さきでも書いたように、急な動きに体の自律神経がついていけず、脳の血圧が一気に下がってしまうことが原因です。
起立性低血圧症の目安は、座っているときと立っているときの血圧の差が20以上あるかないかが目安となります。
一般的な低血圧と同じように、食後、入浴後、運動時に起きやすいので、気配を感じたらすぐに椅子に座って前かがみの体勢をとり、心臓と頭を同じ高さにしましょう。
椅子が近くにない場合は、かまわずその場にしゃがみこみましょう。
低血圧は命に直接かかわる問題ではない・・・と我慢している人も少なくはありませんが、酷くなると「QRL」生活の質までをも大きく下げてしまうことも。
いずれにしても、セルフケアをしても症状が緩和されないときは、神経内科に相談しましょう。
自律神経の働きを強め、血圧を安定させる薬剤などで対処していくことも一つの方法です。