ダイエットに失敗しがちな人は食品の栄養素を考えずにただ食べなかったり、自分が太っている原因もわからないままひたすら食事量を減らして頑張って、結局挫折してしまうことが多いんです。
安易なカロリー制限は、体の代謝そのものをダウンさせ自らリバウンドさせやすくしているようなもの。
カロリーにとらわれず、タンパク質を上手に摂りこむことがダイエットの新常識なのです。
タンパク質を意識的に摂って、理想のボディメイキングを。
目次
タンパク質とは
タンパク質は、私たちの体の代謝に欠かせない筋肉を作り出す重要な存在。
タンパク質の摂取量が減ってしまうと、基礎代謝の20%をも担っている筋肉が衰え、痩せにくい体になってしまいます。
基礎代謝の30%を占める肝臓も、その構成要素はタンパク質。
一時的なダイエットではなく、ずっと太りにくい体を保っていきたいのならタンパク質摂取は重要なポイントになります。
ちなみに摂取したタンパク質は、そのままでは体に吸収できません。
胃や腸内でアミノ酸に分解・合成することで筋肉を作り出しています。
代謝UPにつながる筋肉増量は、合成を繰り返して行えるだけのタンパク質摂取が必要です。
タンパク質には、動物性と植物性がありそれぞれ違った特徴を持っています。
動物性タンパク質を多く含む食品ベスト10
タンパク質は、肉や魚介、卵、牛乳、チーズなどの乳製品に多く含まれています。
タンパク質を構成しているのは、20種類のアミノ酸です。
このうちの11種類は体内で合成することが可能ですが、残り9種類は体内で合成することができず、必須アミノ酸と呼ばれています。
動物性タンパク質は、食品からのみ摂取するしかない必須アミノ酸9種類全ても含まれています。
また、体内で効率よく利用されていることも特徴といえます。
しかし、一概にタンパク質といっても肉の元である動物の種類や部位によって、タンパク質や脂質の量も異なります。
筋肉を効率よく作っていくのには動物性タンパク質が適していますが、過剰な摂取は脂肪蓄積や肥満の原因にも。
動物性タンパク質ベスト10 /100g中 | ||
1位 | ビーフジャーキー | 64.5g |
2位 | 鰹 | 25.0g |
3位 | 赤身のマグロ | 26.4g |
4位 | 鶏のササミ | 23.0g |
5位 | 牛肉(モモ肉) | 22.3g |
6位 | 若鳥の鶏肉 | 22.9g |
7位 | 豚肉(モモ肉) | 21.5g |
8位 | 鯖 | 20.7g |
9位 | 鶏肉(ムネ肉) | 19.5g |
10位 | マイワシ | 19.8g |
植物性タンパク質を多く含む食品ベスト10
大豆などの豆類、穀物類、野菜に含まれているのが植物性タンパク質。
豆類は、きな粉や豆腐などの大豆加工食品やピーナッツバターで摂取でき、穀物類はお米やパスタも含んでいます。
動物性タンパク質と比べると必須アミノ酸の一部が不足していたりするなどのバラツキがあるのも特徴です。
植物性タンパク質摂取のポイントは、動物性タンパク質とバランスよく組み合わせること。
二つを組み合わせることで、理想的なアミノ酸バランスを得ることができます。
植物性タンパク質ベスト10 /100g中 | ||
1位 | きな粉 | 35.5g |
2位 | ピーナッツ | 26.5g |
3位 | フライビーンズ | 24.7g |
4位 | 生湯葉 | 21.8g |
5位 | ゴマ | 20.3g |
6位 | カシューナッツ | 19.8g |
7位 | アーモンド | 19.2g |
8位 | 油揚げ | 18.6g |
9位 | ピスタチオ | 17.4g |
10位 | 納豆 | 16.5g |
動物性、植物性のタンパク質は7:3摂取が理想的
1日に必要とされるタンパク質の量は、体重1kgに対し1gが最低限のラインです。
55kgの体重であれば、5.5gは少なくともタンパク質摂取が必要です。
動物性と植物性のタンパク質をうまく組み合わせるといっても、なかなか難しいもの。
ですが、基本的に動物性タンパク質を優先するようにしましょう。
その比率は動物性タンパク質7に対し、植物性タンパク質3が理想的。
動物性タンパク質で足りない部分を植物性タンパク質で補うイメージで摂りましょう。
目標とする1日のタンパク質摂取量は、肉類・魚介類を手のひら2枚分、卵3個、納豆や豆腐などの大豆加工食品を2~3品ほどです。
タンパク質を摂りすぎるとなにか問題が起こるのでは?と思いがちですが、現代人はタンパク質不足の人がほとんど。
病気などでない限り、タンパク質摂取量に上限はありませんのでご安心を。
レバー、赤身肉摂取で体温UP
例え同じ食事法を実践していても、ダイエット効果が出やすい人とそうでない人には個人差があるもの。
その中でも「冷え症」であるかないかは、とても重要なポイントになってきます。
私たちの体は、体温が1度下がるだけでも基礎代謝が14%程度落ちるといわれています。
冷え症の克服にもタンパク質摂取は効果的ですが、なおかつ「鉄」の摂取も欠かせません。
血のめぐりをよくする、赤血球中のヘモグロビンを作り出すにはタンパク質と鉄を摂取することに限ります。
実は鉄分は、ほうれん草やヒジキなどの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」よりも、レバーや赤身肉に含まれている「ヘム鉄」の方が体内へ吸収されやすいんです。
鶏や豚のレバーは、鉄もビタミンAも豊富。
レバーは意識的に摂るようにしていきましょう。
定食には+卵か納豆を基本に
定食は、ごはん・汁物・焼き魚などのメインに副菜とバランスよい食事の代表ともいえます。
しかし、さらに卵か納豆をプラスすることで、ぐんとタンパク質摂取量があがります。
外食時にはカロリー気にしておかずを減らすよりも、ごはんなどの炭水化物を減らすべき。
カロリーばかり減らすことを考えずに、必要な栄養素をしっかりとプラスしていくことを覚えておきましょう。
コンビニならサラダチキン、サバ缶がおすすめ
仕事の合間にコンビニでランチを済ませよう、なんてこともありますよね。
忙しいからといってカップラーメンで済ませるなんて絶対にやめておきましょう。
コンビニで購入してほしいのは、人気のサラダチキンとサバ缶。
コンビニに並ぶ糖質や脂質だらけの食材のなかで、この二つはとても優秀なタンパク源です。
シンプルな味付けのサラダチキンは、低カロリーな上に高たんぱく。
ダイエッターの間で大人気のアイテムとなっています。
また鯖もタンパク質が豊富なだけでなく、痩せホルモンともいわれるGLP-1を促すEPAも含まれています。
サバ缶は1缶あたり30gとボリュームもたっぷり。
おにぎりのおともにサバ缶をプラスすれば、いいことばかりです。
間食はコンビニのおつまみコーナーで
高糖質製品にあふれるコンビニでは、ダイエットの敵ばかりですが、おつまみコーナーにある食品には高たんぱくのものも。
例えば、するめは高たんぱく、うずらのおつまみはビタミンB群や鉄分が鶏卵よりもずっと豊富。
なおかつナッツ類は、ダイエット中の間食のマストアイテム。
ちょっと小腹がすいたら、コンビニのスナック菓子コーナーはスルーして、おつまみコーナーを覗きましょう。
また、常日頃飲む、飲料にも注意。
いくら高たんぱくを意識して、太りにくい体づくりを目指していてもジュースやゼロカロリー飲料に手を出していては意味がありません。
ゼロカロリー飲料はやめて、お水や無糖のお茶を手に取るようにしましょう。
卵は1日に2~3個食べよう
コレステロールの摂りすぎを懸念して卵は1日1個まで、といわれていたのはもう昔のお話。
現在の厚生労働省の基準においてもコレステロール摂取の上限値はすでに撤廃されているんです。
タンパク質は、一度に20g前後摂取することが効果的。
そのため1個あたり6g程度しかタンパク質を含まない卵(鶏卵)は、3個くらいは食べたほうがいいと考えられます。
しかし、オムライスや親子丼、卵かけごはんなどは炭水化物の過剰摂取で糖質オーバーになることもあるので要注意。
そして、生卵には栄養阻害物質である「アビジン」が含まれているので、卵かけごはんはあまりおすすめではありません。
卵を食べるときには必ず加熱調理しましょう。
オムレツや卵焼きなど、油でコーティングされた料理は、消化時間が3時間以上ともいわれています。
空腹対策にも効果絶大!
そして豆知識をひとつ。
ゆで時間に応じて変わる温泉卵とゆで卵にも大きな違いがあるんです。
温泉卵に比べて消化時間が1時間多くかかるゆで卵は、腹持ちを考えたおやつにも最適です。
ジュースがわりにプロテインも
ダイエット中に食べてもいい甘いもの、それはフルーツ!
なんて思い込んで食べ過ぎている人、とても多いそうです。
ヘルシーなイメージが強いフルーツも、実は糖質でできています。
糖質はなかなかエネルギーにできず、脂肪となって体内にとどまってしまいます。
その上フルーツは満腹感が少なく、すぐにお腹がすいてしまいがち。
これはグリーンスムージなども同様です。
フルーツをジューサーでしぼったものやスムージーよりも、タンパク質の豊富なプロテインを飲むようにしたほうがダイエットの視点から見ると効率的といえます。
プロテインは、むくみ解消効果もあるのでお気に入りのフレーバーを見つけておくのもよいでしょう。