最近、若い女性に老人のような腸内環境の人が増えているそう。
腸は食物の栄養を吸収して便を排出するだけでなく、体の免疫機能や自律神経のコントロールとも大きく関わる重要な臓器です。
本来、腸内環境は加齢とともに悪化していくものですが、最近は若いのにもかかわらず悪玉菌が優勢の人が多いといいます。
女性のがんの死亡数1位は大腸がん。
ましてや母親の腸内環境は、子供にも受け継がれるとも言われています。
そのため、アトピーやアレルギーを抱えた子供も増加傾向に。
自分だけでなく将来の子供の健康を保つ上でも、腸内環境の改善はとても重要なのです。
悪玉菌に対抗するには善玉菌を積極敵に摂ること。
その筆頭が「乳酸菌」です。
乳酸菌の力を最大限に活用するために、機能性ヨーグルトに焦点をあててまとめていきます。
乳酸菌は何をしてくれるのか
小腸、大腸に棲む乳酸菌は、主に炭水化物を発酵させて乳酸や酢酸、ビタミンBなどを産生しています。
乳酸菌のつくる「酸」は下痢をおこす菌や、毒性のある菌を抑えこみ腸内を清潔にする働きがあります。
また腸を刺激してぜんどう運動を促すので便秘を防いでもくれます。
このような整腸作用のほかに、近年では免疫力を上げて風邪を予防したり、花粉症などのアレルギー症状を軽減するなどの試験結果も報告されるようになりました。
さらには、高血圧、高尿酸血症などの幅広い生活習慣病についても乳酸菌摂取による改善事例も報告されています。
主に、整腸作用を担っているのは大腸で、免疫細胞が多いのは小腸であるといわれています。
どうして、乳酸菌にこのような働きがあるのか、未だその全容は明らかにはなっていません。
機能性ヨーグルトの選び方
最近はコンビニでも気軽に買うことのできる機能性ヨーグルトが沢山あります。
機能性ヨーグルトは特定の機能に照準を絞って、それに最適な乳酸菌を選んで使用したものです。
乳酸菌は主に上で述べたような特性を持っていますが、さらに得意分野をもつ乳酸菌もあるのです。
胃酸に強く、胃を守る力に優れた乳酸菌、プリン体と戦う乳酸菌などは代表的な例といえるでしょう。
ヨーグルトの機能を期待するのであれば、自分の目的に合ったものを選びましょう。
乳酸菌を調べていくと、得意な分野もわかってきます。
下で商品別に乳酸菌とその得意分野もまとめていきますが、選んだヨーグルトは2週間は継続して摂る様にしましょう。
そして改善が見られれば継続、変化がなければまた違う乳酸菌のものを試してみる、というように自分に合ったものを見つけましょう。
機能性ヨーグルトを食べたからといって効果はすぐにみられるものでもありません。
免疫力の向上には、数カ月くらいたってから改善を自覚できるような場合も。
違う種類の乳酸菌を一緒に食べてもいいの?
腸の中には数百種もの善玉菌が存在し、腸内フローラといわれるように、まさに「お花畑」のように互いに協力し合いながら共存しています。
善玉菌の敵は、悪玉菌。
悪玉菌はアルカリ性の環境を好みますが、善玉菌はチーム一丸となって「酸」をつくり悪玉菌に対抗します。
多くの種類の乳酸菌を同時に摂ったからといって、善玉菌の乳酸菌同氏がケンカになり互いの効果を弱めてしまう、ということはありません。
ちなみに、機能性ヨーグルトの摂取の目安は1日100グラムから400グラムといわれています。
何よりも継続が肝心なので、風味を変えたり無理をしすぎず摂取し続けていくことも大切です。
機能性ヨーグルトの効果的な食べ方
ヨーグルトは、ビタミン、ミネラル、たんぱく質が豊富で、まさに完全食といわれる食品のひとつです。
特に、ダイエットをしている人は腸内環境が悪化しやすいため、食物繊維とヨーグルトを一緒に摂るとよいでしょう。
機能性ヨーグルトにフルーツを加えればビタミンCの補給にもなりますし、サラダやシリアルと一緒に食べることで食物繊維もしっかり摂れるのでおすすめです。
また、乳酸菌は胃酸に弱いので胃酸の多い空腹時には避け、食後に摂る方が効果的です。
機能性ヨーグルトの製品別乳酸菌とその特徴
最近の機能性ヨーグルトはその種類も多様になり、一見したところでは何に効果的なのかわからないことも。
ここでは乳酸菌の種類別にその特徴についてまとめます。
目的に合ったヨーグルト選びを
R-1乳酸菌
高機能成分であるEPS(多糖体)を産生する特徴を持ちます。
風邪やインフルエンザの予防にも。
LG21乳酸菌
LG21乳酸菌は、胃の中でも生き残る力が強いといわれている乳酸菌。
ピロリ菌に対し、殺菌作用の強い乳酸を作り出すといわれています。
L-55乳酸菌
人間の胃酸や腸液への耐性がとても強い乳酸菌。
胃の中での生存率は100%で、まさに生きたまま腸にとどく乳酸菌といわれています。
花粉症やアレルギー対策に。
LGG乳酸菌
生きたまま腸まで届き、善玉菌を増やし悪玉菌を減らし腸内環境を整える乳酸菌。
下痢予防にとどまらず、アトピーやアレルギー改善、風邪やインフルエンザの予防にも・
PA-3乳酸菌
尿酸値と関わりの深いプリン体への可能性に注目した乳酸菌。
ビールが好き、グルメ志向の人、男性におすすめな乳酸菌です。
フェリカス菌
球状で小さく、腸内の狭いところまで行き届く乳酸菌。
加熱殺菌処理されている乳酸菌だが、近年は乳酸菌は死滅してからも効果を発揮するといわれています。
一度に多くの菌数を摂取することが可能。
整腸作用、花粉症などのアレルギー対策に。
クレモリス菌FC株
発酵過程でEPS(多糖体)を放出し、粘り気を出す乳酸菌。
カスピ海ヨーグルトの粘りは、クレモリス菌FC株によるもの。
腸内環境を整えたり、アレルギー改善、風邪やインフルエンザの予防の他にも、糖尿病の予防・改善、メタボの予防・改善も。
LB81乳酸菌
本場ブルガリアで古くからヨーグルトづくりに使われてきた2種の乳酸菌を合わせたもの。
整腸作用に優れ、腸内環境を良好に保つ。
腸内のビフィズス菌の増加、アンモニア・インドールなどの腸内腐敗産物の軽減作用。
いかがでしたか?
体によいとはわかっていても、今やどのヨーグルトを手に取っていいのか迷っていた方も多いと思います。
乳酸菌の特徴や、その効果を知っておくことで体調に合わせて機能性ヨーグルトを選んでみては?