外反母趾を我慢して過ごすと、将来にも多大な影響を及ぼします。
女性にとても多い外反母趾についてしっかりと知っておきましょう。
目次
1:外反母趾を知ろう
外反母趾とは、足の親指が外側にそって親指の付け根が出っ張ってしまった状態を指します。
その、出っ張った親指の付け根の部分が靴にあたり痛みや腫れを引き起こします。
こんな症状を自覚しているのにもかかわらず、なんとなく我慢し、放置している人は多いのではないでしょうか?
外反母趾は重症になると、たとえ靴を履いていなくても地面に足をつけただけで激痛が走る様になってしまいます。
外反母趾の治療は早め、が肝心なのですが、実は日本の医療において外反母趾の治療は発展途上。
本当に大切なのは、靴の選び方であり、靴での調整をする治療が大切ですが、まだそこをきっちり実践できている医師は少ないんだそうです。
外反母趾は、症状が重くなってもたいていの場合は手術の必要がありません。
靴でしっかりと筋肉のバランスを整えていくことで、改善していくものなのです。
とはいえ、おしゃれしたい気持ちが先行して、なかなか患者のほうも実行できないジレンマがそこにはあります。
2:外反母趾の問題は足全体に及ぶ
曲がってしまった親指に気を取られがちですが、実はそれは間違いです。
たとえ、親指がまっすぐにできたとしても、外反母趾の症状の改善にはつながりません。
外反母趾は、足の構造上、いくつものトラブルが重なり合っておこっています。
外反母趾に悩んだら、足全体を見ることが重要
開張足
足の指の付け根の幅が広がって、足の横アーチが崩れて下がる状態。
このタイプの人は、足裏の指の付け根部分の中央にタコができます。
この状態は、まさに外反母趾の一歩手前の段階です。
外反母趾
開張足を放置しておくと、親指が内側方向に回旋していきます。
その角度のまま親指を曲げると外にそってしまう原因に。
どんどん進行するので油断は禁物です。
3:外反母趾は全身の健康にも悪影響!
外反母趾が直接的に何らかの病気の原因になることはありません。
ですが、痛みを我慢しながら歩かないようになってしまっていては話は別になります。
痛みを我慢しながらでは、正しい歩き方は不可能な上に、必要最低限しか歩かなければ運動不足になりがち。
これは間接的に、様々な生活習慣病を引き起こす原因となります。
高齢になれば、運動不足がたたって骨粗鬆症や腰痛に悩まされることもあります。
歩く、ということはとても重要なのです。
4:外反母趾改善のカギは靴
短距離を歩くくらいならば、意識して筋肉の使い方を矯正することも可能かもしれませんが、ごく普通に歩行している中での矯正は難しいものです。
人の歩き方というものは、靴で決まります。
外反母趾改善には、厚めの中敷きを取り外しできる「整形靴」の調整が一番です。
このような中敷きは、義肢装具士などの技術者によるオーダーメイドが基本です。
整形外科医と連携している靴屋さんはまだ少数ではありますが、病院で医師の診断をうけ、きちんと作ってもらうのが最良の方法といえます。
オーダーメイドの中敷きを作るのが難しい場合は、せめて中敷きが厚いドイツ製のコンフォータブルシューズを扱うお店をのぞいてみましょう。
5:きちんと医師の診断を受けよう
腰や首の神経の病気が、実は軽い外反母趾の症状であることもあります。
足が痛む人は絶対に放置せずに、整形外科を受診しましょう。
病院で、外反母趾改善のためにつくる靴の中敷きは1年半に1度までなら保険適用です。
健康な足にかわいい靴は禁物
つい、ハイヒールばかり履いたり、足の形に合っていない靴でも、かわいいからと言って履きたくなってしまう・・・
私もそんな女性の一人です。
本来、おしゃれのための靴と歩くための靴は違うもの。
TPOに合わせた靴選びこそが、健康な足先、健康な体を作る基本なのです。
歩くための靴、とは土踏まずから足の甲にかけての「足の腰」と言われる部分を両サイドからしっかりとおさえる形の紐靴がベスト。
下に落ちてしまった足の縦アーチと横アーチを支えるため、中敷きは土踏まずと足裏の中央あたりにパッドがあるものを選びましょう。
単に横幅の広い靴が外反母趾対策用といわれ販売されていますが、これでは靴の中で足が泳いでしまうので逆効果。注意しましょう。
6:外反母趾の再発予防は?
ハイヒールだけが原因であるとか、外反母趾に対する日本の常識は誤解が多いのが現状です。
鼻緒のついた草履やゲタがよいとか、裸足が一番だというのも迷信のようです。
絶対的な比率は少ないものの、子供や男性でも外反母趾の症状がでることがあるので、ハイヒールが原因だと言い切るのはあまりにも短絡的。
本当は、足を動かすくるぶしの筋肉のバランスが崩れることが直接的な原因です。
くるぶしの筋肉のバランスが崩れると、足裏全体にかかる力の異常が起きてしまうため、足の変形を引き起こすのです。
また、遺伝傾向も高いともいわれています。