鼻づまりで苦しい・・・風邪をひいたかな??
誰にでも起こりえるくしゃみや鼻づまり。
花粉症やアレルギーが原因でない限り、鼻づまりの原因の大半は「風邪」であることがほとんどですが、実は思いもよらない病気が潜んでいることもあるんです。
それは副鼻腔炎(ふくびくうえん)。
昔は「ちくのう症」と呼ばれていました。
最近この副鼻腔炎が長引き、なかなか解消しない重度の副鼻腔炎というものが増えているそうです。
薬を飲んでも治らず、手術を受けても再発してしまうことも・・・。
身近でありながら実はよく知らない「鼻づまり」についてまとめます。
目次
- 副鼻腔炎という鼻づまり
- ちくのう症が副鼻腔炎と呼ばれるようになったきっかけ
- 副鼻腔炎は急性と慢性がある
- 急性副鼻腔炎
- 慢性副鼻腔炎
- 再発を繰り返す「好酸球性副鼻腔炎」
- 症状からみる鼻づまりの病気の正体
- 1:副鼻腔炎(急性・慢性)
- 副鼻腔炎の症状
- 副鼻腔炎の鼻水・鼻づまりの特徴
- 副鼻腔炎の特徴的な症状
- 副鼻腔炎の原因
- 副鼻腔炎の治療
- 2:好酸球性副鼻腔炎
- 好酸球性副鼻腔炎の症状
- 好酸球性副鼻腔炎の鼻水・鼻づまりの特徴
- 好酸球性副鼻腔炎の特徴的な症状
- 好酸球性副鼻腔炎の原因
- 好酸球性副鼻腔炎の治療
- 3:アレルギー性鼻炎
- アレルギー性鼻炎の症状
- アレルギー性鼻炎の鼻水・鼻づまりの特徴
- アレルギー性鼻炎の特徴的な症状
- アレルギー性鼻炎の原因
- アレルギー性鼻炎の治療
- 4:慢性上咽頭炎
- 慢性上咽頭炎の症状
- 慢性上咽頭炎の鼻水・鼻づまりの特徴
- 慢性上咽頭炎の特徴的な症状
- 慢性上咽頭炎の原因
- 慢性上咽頭炎の原因の治療
- 5:副鼻腔真菌症
- 副鼻腔真菌症の症状
- 副鼻腔真菌症の鼻水・鼻づまりの特徴
- 副鼻腔真菌症の特徴的な症状
- 副鼻腔真菌症の原因
- 副鼻腔真菌症の治療
- 6:鼻中隔弯曲症
- 鼻中隔弯曲症の症状
- 鼻中隔弯曲症の鼻水・鼻づまりの特徴
- 鼻中隔弯曲症の特徴的な症状
- 鼻中隔弯曲症の原因
- 鼻中隔弯曲症の治療
- 鼻づまりが原因となる体への悪影響
- 1.口呼吸になる
- 2.鼓動が早くなる
- すぐに解消したい鼻づまり
- 1.朝の鼻づまり解消方法~鼻カイロ
- 2.外出時の鼻づまり解消方法
- 3.鼻水がでない鼻づまりの解消方法
- 4:寝苦しい夜の鼻づまり解消方法
- 鼻づまり解消方法まとめ
副鼻腔炎という鼻づまり
副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは、鼻の穴の内側にある「鼻腔(びくう)」に隣接している骨の中の空洞(これを副鼻腔という)に、炎症が起きている状態をさします。
左右に対になり8個あります。これらの副鼻腔が花粉やアレルギーなどに反応すると、粘膜に炎症を起こし膿や鼻水が溜まり、頭痛や発熱がおこることがあります。
これが副鼻腔炎です。
副鼻腔は鼻腔を取り囲むように配置しており、「自然口」というごく小さな穴で隣合う鼻腔とつながっています。
そのため副鼻腔も内部にありながら、外部と通じているので花粉やアレルゲン、ウイルス、細菌が侵入し炎症を起こすことがあるのです。
ちくのう症が副鼻腔炎と呼ばれるようになったきっかけ
昔、ちくのう症と呼ばれていたものが「副鼻腔炎」と呼ばれるようになったのは、薬治療で軽症の人が増えたことや、CTなどが普及したことから、例え副鼻腔が炎症を起こしていても、膿が溜まらないこともあることが判明したからです。
そのため、最近では膿が溜まっていない場合も含めて「副鼻腔炎」と呼ばれるようになりました。
副鼻腔炎は急性と慢性がある
副鼻腔炎には、急性と慢性があります。
急性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎は、主に鼻風邪が原因となって起こります。
この場合は膿を吸引して外へ出し、薬が処方されることで治ることがほとんどです。
慢性副鼻腔炎
副鼻腔炎の症状が3ヵ月以上継続すると、慢性副鼻腔炎と診断されます。
慢性副鼻腔炎は、急性に比べて深刻で「副鼻腔と鼻腔をつなぐ自然口がふさがっている」、「鼻の中の繊毛の働きの衰え」などが原因と考えられています。
鼻の中の繊毛は鼻水を排出する働きを持っているので、この働きが衰えると副鼻腔の中で病原体がどんどん増殖し、膿もたまり、炎症も悪化してしまうのです。
慢性副鼻腔炎になると、嗅覚障害や味覚障害も起こり、食べ物の味や匂いがわからなくなってしまうこともあります。
再発を繰り返す「好酸球性副鼻腔炎」
ここ最近の副鼻腔炎患者は増加の傾向にあるそうです。
約200万人程度が副鼻腔炎を患っており、そのうちの約20万人は「慢性副鼻腔炎」であるといわれています。
しかし、実際には医療の発達で昔と比べると重度の副鼻腔炎患者は減っているそうなのですが、最近では再発を繰り返し、「難治性」といわれる副鼻腔炎患者が増加しているそうです。
この難治性の副鼻腔炎は、「好酸球性副鼻腔炎」と呼ばれ厚生労働省により難病指定されています。
そもそも好酸球というのは、白血球の一種で元々はアレルギーの反応を抑える働きがあります。
しかし、好酸球があまりに活性化してしまうと、副鼻腔に炎症が起きてしまうのです。
鼻タケといわれる鼻のポリープができ、鼻づまりが酷くなり早い段階で臭覚障害に陥るのが特徴です。好酸球性副鼻腔炎は、例え手術を受けて鼻タケを取り除いても再発を繰り返しやすいといわれています。普通の副鼻腔炎や花粉症、またはアレルギーであると思い込み、自分が好酸球性副鼻腔炎であると知らない人も多いそうです。好酸球性副鼻腔炎は重症化すると、耳や目にも合併症が起こりかねないので早期に治療をすることが重要です。
症状からみる鼻づまりの病気の正体
鼻水、鼻づまりだから風邪!
そう思いこむのは危険です。
ただの鼻づまりと思っていても、本当は副鼻腔炎だったりその他の鼻の病気である可能性があるのです。
鼻づまりの症状の悪化や難治化するのを防ぐためにも、鼻づまりが気になったら鼻の病気でないかしっかり見極めるようにしましょう。
鼻の病気は、症状がそれぞれ特徴的で発症の原因も異なります。
そのため当然、治療法も変わってくるのです。
鼻づまりの症状から6つの鼻の病気の可能性をみていきましょう。
1:副鼻腔炎(急性・慢性)
副鼻腔炎の症状
副鼻腔内に膿、鼻水が溜まる病気。
その炎症が1ヵ月以内に治まれば「急性」、3ヵ月以上継続するなら「慢性」と診断されます。
慢性副鼻腔炎は現在でも「ちくのう症」と呼ばれています。
副鼻腔炎の鼻水・鼻づまりの特徴
鼻水は黄色もしくは緑色のドロドロとしたものが多い
副鼻腔炎の特徴的な症状
頬骨周辺に、歯痛のような痛みがみられることがある
副鼻腔炎の原因
細菌、ウイルスの感染、アレルギーによる副鼻腔内の炎症
副鼻腔炎の治療
抗生剤、抗炎症剤の服用、ネブライザーでの吸引など。
排膿洗浄、内視鏡下手術
2:好酸球性副鼻腔炎
好酸球性副鼻腔炎の症状
難治性、つまり治りにくく再発を繰り返す副鼻腔炎。
一般的な普通の副鼻腔炎と違い薬の効果もあらわれにくい。
鼻にポリープ(鼻タケ)ができやすく臭覚障害が生じやすい。
好酸球性副鼻腔炎の鼻水・鼻づまりの特徴
まるで糊のような粘り気のある鼻水が出る。
鼻にポリープ(鼻タケ)ができるせいで、両方の鼻づまりを起こす。
好酸球性副鼻腔炎の特徴的な症状
篩骨洞(目がしらのあたり)に炎症が起きやすく、目の奥の痛み、頭痛が起きやすい。
好酸球性副鼻腔炎の原因
白血球の一種の好酸球が活性化して副鼻腔内に炎症を起こす。
好酸球性副鼻腔炎の治療
鼻洗浄、点鼻薬、ステロイド、内視鏡手術
3:アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎の症状
花粉症などに代表される鼻炎。
アレルギーを起こす物質であるアレルゲンが鼻腔に侵入することでアレルギー反応を起こし発症する。
アレルゲンは人様々異なる。
アレルギー性鼻炎の鼻水・鼻づまりの特徴
鼻水はサラサラしているが、悪化するととめどなく流れ続けるようになる。
アレルギー性鼻炎の特徴的な症状
くしゃみや目のかゆみが繰り返しおこり、頭痛を引き起こすこともある。
また、鼻をかみすぎることで中耳炎になってしまうことも。
アレルギー性鼻炎の原因
花粉、ペットの毛、ダニ、カビなどのハウスダスト
アレルギー性鼻炎の治療
抗アレルギー薬、後尾神経切断術、舌下免疫療法、レーザー手術
4:慢性上咽頭炎
慢性上咽頭炎の症状
鼻と喉の境目にある「上咽頭」に炎症が起きる。
3週間以上継続すると慢性と診断される。
副鼻腔に炎症が起きていないのに、後鼻漏(こうびろう:喉に鼻水が流れる)が起きる場合、上咽頭炎の可能性が高い。
慢性上咽頭炎の鼻水・鼻づまりの特徴
上咽頭から分泌されるものが喉の奥を流れる後鼻漏(こうびろ)が起こる。
それが原因で咳が続き、夜寝苦しいこともある。
慢性上咽頭炎の特徴的な症状
鼻、喉の違和感。
喉の痛みが長引く、耳の後ろが痛い、咳、喉がイガイガする。
慢性上咽頭炎の原因
細菌、ウイルスの感染。
口呼吸による粘膜の乾燥。
慢性上咽頭炎の原因の治療
上咽頭に縁か亜鉛を塗る「Bスポット治療」に注目が集まっている。
5:副鼻腔真菌症
副鼻腔真菌症の症状
副鼻腔真菌症に真菌、つまりカビが増殖して強い炎症を起こす。
免疫力が低下している、糖尿病やがん患者に起こりやすく命にかかわることもある。
副鼻腔真菌症の鼻水・鼻づまりの特徴
左右どちらかの鼻から悪臭のする鼻水が出る。
鼻血がでることもある。
副鼻腔真菌症の特徴的な症状
副鼻腔真菌症が重症になると、頭痛、高熱、視力障害などの思い症状があらわれる。
副鼻腔真菌症の原因
真菌「アスペルギルス」などが原因となり、副鼻腔内で増殖することで起きる。
副鼻腔真菌症の治療
副鼻腔内の洗浄、内視鏡手術による真菌の塊の除去
6:鼻中隔弯曲症
鼻中隔弯曲症の症状
鼻中隔は鼻腔を左右に分ける壁。
この壁が左右、どちらかに曲がってしまうことで起こる。
S字やC字に変形して、出っ張った部分の鼻腔が狭くなることで鼻づまりが起こる。
鼻中隔弯曲症の鼻水・鼻づまりの特徴
鼻水は出ないが、鼻腔が狭くなってしまった方の穴だけ鼻づまりが起こる。
鼻中隔弯曲症の特徴的な症状
鼻をかむと鼻血が出る。
寝ている際にいびきをかく。
鼻中隔弯曲症の原因
鼻中隔が曲がってしまう原因の多くは先天的なもの。
まれに外傷によって鼻中隔弯曲症となることもある。
鼻中隔弯曲症の治療
鼻中隔の曲がり具合が強いと鼻中隔の軟骨、骨を削る手術が行われる。
鼻づまりが原因となる体への悪影響
鼻づまりで悩む人は多くいます。
上でまとめた6つの病気のいずれかで鼻づまりに悩まされている人の中には、通院して薬を飲んでもなかなか治らないという人もいます。
また、鼻づまりに慣れてしまって放置している人も少なくはありませんが、たかが鼻づまりと侮ってはいけません。
鼻づまりは、私たちの健康や寿命までも左右するかもしれません。
1.口呼吸になる
鼻づまりが酷い人は、自然と口呼吸をしがちになります。
口呼吸は集中力の低下も懸念され、ドライマウスも招きます。
また口呼吸は、基礎代謝を下げ太りやすくなるということもあります。
肥満になってしまえば、糖尿病になる可能性も。
2.鼓動が早くなる
鼻づまりを起こしている人は、呼吸がしにくいために酸素不足になりがちです。
そのため心臓は全身に酸素を運ぶために鼓動を早くし、血流も早くなります。
これを繰り返していると循環器系に大きく負担がかかり、老化を加速することにも。
すぐに解消したい鼻づまり
鼻づまりを起こしていると、仕事に集中できない、寝苦しい、朝起きた時は必ずつまる・・・など日常生活のなかでも不快なタイミングが多くなります。
薬を飲まずに即効性のある鼻づまり解消方法はないものなのでしょうか?
1.朝の鼻づまり解消方法~鼻カイロ
朝、鼻水は出ないのに鼻づまりで苦しい・・・
これには自律神経が大きく関わっています。
朝の鼻づまり解消方法のおすすめは鼻カイロ。
ちいさなタオルを濡らし、軽く絞っておきます。
後はレンジで30秒くらい温めます。
この温かいタオルを鼻の穴から鼻の付け根まで覆うように使用します。
その状態で鼻で呼吸するのを意識します。
タオルが冷えたら終了し、ティッシュで鼻をかみましょう。
鼻を温めることで血行がよくなるので、寝ている間に溜まっていた血液が流れて血管が引き締まり、鼻の通りがよくなります。
また鼻カイロはアレルギーの人にもおすすめ。
温めるとアレルギーを引き起こすヒスタミンの放出を減少させることができるため、鼻づまりだけでなく、くしゃみやかゆみも軽減できます。
2.外出時の鼻づまり解消方法
外出しているときに鼻づまりになって困っているのなら、鼻づまり解消のツボ押しがおすすめです。
中指の腹の部分で鼻の穴の脇から目頭までを両方の手の指で鼻を挟むように上下にこすります。
1分くらいは続けましょう。
こする力は撫でる程度で、優しく行うだけで効果的です。
鼻の穴の脇から目頭までは、鼻づまり解消につながるツボの密集地帯。
この動作が外出中にしにくい、という人は小鼻のすぐ脇にある「迎香」というツボを押しましょう。
これらのツボ刺激をしても鼻づまりが解消しないという人は、鼻づまりを起こしていない側の脇の下を圧迫してみてください。
10秒程度で鼻づまりが解消し、すーっと鼻が通ります。
この脇の下圧迫も自律神経をうまく操る方法のひとつです。
3.鼻水がでない鼻づまりの解消方法
鼻水がでているわけでも、鼻の奥に溜まっているわけでもないのに、鼻づまり。
これはとても苦しいですよね。
こんな場合には、背筋を伸ばして椅子に座り、鼻から息を吸って吐く。
その後鼻をつまんで口を閉じ、息を止める。
息を止めたら苦しく感じるまでゆっくり頷くように頭を上下にしたり、体を左右に揺らします。
最後に鼻から指を離してゆっくりと(鼻から)息を吸います。
鼻をつまんで一定の時間息を止めると、脳は酸素不足?と感じます。
そうなると空気の入り口である鼻腔を広がってくれます。
そのため鼻通りがよくなり鼻づまりが解消します。
4:寝苦しい夜の鼻づまり解消方法
鼻づまりのまま眠ると口呼吸になり、起きたら喉がガラガラに・・・なんてことも。
寝るときに鼻づまりが起こって寝苦しい人は、枕元に皮つきのまま輪切りにした玉ねぎを2切れほど置いて寝てみましょう。
玉ねぎには最強のポリフェノールといわれるケルセチンが含まれており、このケルセチンは強い抗酸化作用を持つと同時に、アレルギーを引き起こすヒスタミンを抑制する効果があります。
ポイントはしっかりと玉ねぎの臭いを感じる距離に置いて眠ること。
ケルセチンは皮部分に多いので、必ず茶色の皮がついたままスライスしましょう。
鼻づまり解消方法まとめ
いかがでしたか?
鼻づまりはアレルギー体質、と思い込んでいたのに副鼻腔炎だった、という人も多くいます。
日々鼻づまりに悩まれているのなら必ず一度は耳鼻科の受診をしておいた方がいいでしょう。
鼻づまり解消方法も是非試してみてください。
体質改善を目指していきたい、という人は「なた豆」でできたお茶がおすすめです。
鼻水が喉を通る不快感に悩まれる方、鼻づまりをどうにか解消したい人にとても人気のある健康茶です。