なんだかヤケに氷が食べたい・・・。
季節柄、おいしいカキ氷が食べたいという話をしているわけではありません。
やたらと氷が食べたいのは、身体のSOSサインかもしれないんです。
カキ氷ばかり食べている、ドリンクに入っている氷をつい噛んでしまう、そんなあなたは要注意。
目次
氷食症って知ってる?
季節に関係なく、氷が食べたくて仕方がない・・・
氷食症とはれっきとした病気の一つ
氷食症は、石や土、チョークなど栄養がないのにもかかわらず、食べずにはいられなくなる「異食症」の一種です。
1日に、製氷皿1皿以上を氷を食べてしまっていたら、氷食症と位置づけられます。
そして食べ方の特徴は、口の中で徐々に氷を溶かして食べるのではなく、ガリガリと噛んで食べること。
中には、コンビニのロックアイスを何袋も食べないといられないという重症者もいるとか。
こういった氷食症の人の血液検査をすると、共通するのが「鉄欠乏症」であるということ。
なぜ、鉄欠乏症だと氷食症に結びつくのかは、またはっきりとはわかっていませんが、鉄分の不足にともなって、自律神経のバランスが崩れ、口の中の温度が上がってしまうために、口の中を冷やしたいという欲求から起こるという説が有力です。
妊娠中は、特に鉄分が不足がちになるため、妊娠中に氷食症を引き起こしてしまう方も多くいます。
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女性と鉄との関係性~鉄欠乏症
ヘモグロビンとミオグロビン鉄
成人の女性の体内には2500mg程度の「鉄」があり、その70%弱が血液中の血色素であるヘモグロビンに含まれていて30%程度が肝臓などに蓄積されています。(貯蔵鉄)
また、組織鉄・輸送鉄、ミオグロビン鉄も数%ずつ存在しています。
血中のヘモグロビンが身体に酸素を運び、ミオグロビン鉄は筋肉の働きをサポート。組織鉄・輸送鉄はエネルギーを生み出したり、脳の働きをサポートする重要な役割があります。
鉄はマイナスになりがち?!
人間が1日に食べ物から摂れる「鉄」はわずか1~1.5mg。
その一方で、なくなっていく「鉄」は、腸・皮膚から1mg程度、女性の場合生理中はさらに0.5mgにもなるのです。
鉄はどうしても失う分量の方が多くなってしまいがち。
それでも、ある程度までは貯蔵鉄から補充してバランスを保とうとするのが私たちの体です。
しかしながら、ずっとマイナスが続けば貯蔵庫は空になってしまいます。
病院で鉄欠乏症と診断される場合、貯蔵鉄が0になり血色素値なるものが50%を下回った状態をさしています。
氷食症の症状がみられるようになるのは、日々の鉄の不足を補ってくれる貯蔵鉄がなくなったあたりから。
細かく状態を知るためには、血液中の血清フェチリンの値をみると隠れ鉄欠乏症も明らかになります。
鉄が食事で補いきれない理由
鉄は吸収されにくい
鉄分を食事で補うのはとても困難なこと。
鉄分といえば「ひじき」を連想しますが、実は植物性の鉄は吸収されにくいんです。
反対に、赤身のお肉や魚などの動物の鉄は吸収されやすい反面、動物由来の鉄を摂りすぎると栄養バランスが崩れてしまいます。
「鉄」は毒素でもあるために、一定量以上摂りこめないように、私たちの体自身がブロックしてしまう作用も。
鉄欠乏のサインと氷食症発症
記憶力・集中力の低下は鉄欠乏のサイン
通常行われる血液検査では、貧血でないのならそれまでで、あまり鉄欠乏まで詳しく検査はされません。
でも、実際に鉄が欠乏すると体には様々な症状があらわれてきます。
・持久力がない
・朝起きられない
・記憶力・集中力の低下
・理解力の低下
たとえ貧血と診断されなくても、女性の40%は鉄欠乏の状態にあるといわれています。
その40%全員氷食症を発症するわけではありませんが、上記にあてはまるなら要注意。
氷食症は何科で診察をうければいいの?
将来妊娠を望むなら鉄欠乏は回避すべき
現在の一般の内科では、まだまだ氷食症の認知度は低いもの。
女性で、将来妊娠を望んでいるのであれば、産婦人科の受診をおすすめします。
前でも触れたように、妊娠中は胎児にかなりの鉄分をとられてしまうので、産婦人科医はたくさんの鉄欠乏症の患者さんを診ているので理解も得られやすいといえます。