夜になるとなんだか脚がムズムズして、眠れない・・・
なんとも言えない不快感は気のせいではなく「むずむず脚症候群」かもしれません。
以前も「むずむず脚症候群」について記事を書きましたが、今回は7つのポイントにわけて「むずむず脚症候群」をまとめました。
以前の記事:夜になると足に不快感!ジダバタしたくなるむずむず脚症候群の原因
妊婦さんの2割はこの症状に悩まされるといいますが、大抵は出産後に自然に治ります。
女性に増えているという「むずむず脚症候群」、あなたの脚の不快感もこれなのかもしれません。
目次
1「むずむず脚症候群」とは?
なんという安易な名前なのだろう、と私もはじめは思いましたが・・・
「むずむず脚症候群」はその名のとおり、脚にムズムズと不快感を感じ、リラックスしているときほど症状の悪化するやっかいな病気です。
「むずむず脚症候群」は、レストレスレッグス症候群(RLS)と呼ばれることもあります。
訳すると、「落ち着かない脚」。
夜、ゆったりと眠ろうかな・・・と思っているときほど脚に異常な感覚がおきます。
「かゆい」「ほてる」「くすぐったい」「虫がはっているかのよう」「脚の中に手をいれて掻きたい」など、人によって表現の仕方は様々ですが、とにかく脚が不快で動かしたくなります。
症状の種類から、病気だとは思わずに我慢している潜在的患者さんもかなり多いといわれています。
あなたの脚は大丈夫?
「むずむず脚症候群」の見極め方
①脚がムズムズして不快
②リラックスしていると悪化する
③脚を動かすと楽になる
④夕方から夜にかけて症状が酷くなる
この4項目にあてはまるのであれば、「むずむず脚症候群」であるといえるでしょう。
人によっては、脚だけでなく内ももやお尻、腕、腰回りにまで症状が出る場合もあります。
「むずむず脚症候群」は不快でなかなか寝付けないだけでなく、夜中に目が覚めてしまったり熟睡できなかったりするなど、「むずむず脚症候群」の患者さんの6割は慢性的な睡眠不足状態になってしまいます。
そのことから、疲労感や倦怠感、日中の眠気に悩まされててしまうことに。
2.どうして脚がムズムズするのか
「むずむず脚症候群」の理由は、まだはっきりと解明されていません。
しかし、脚の筋肉を動かすのも、かゆみを感じるのも、全ては脊髄を通って脳へと伝達されています。
その、脳と脊髄に何らかの問題が生じていると考えられています。
有力なのは、神経伝達物質であるドーパミンの機能が低下しているという説。
手足を動かすなど、様々な運動を円滑に行えるように脳からの指令を筋肉に伝えているドーパミンが、その合成に必要な「鉄」の欠乏など何らかの原因で上手に働かなくなることで、「むずむず脚症候群」の症状が出る、と考えられています。
血管の中を何かがはい回っているようなムズムズ感。
中には家の中を歩き回ってようやく、症状が治まるという人もいるようです。
3.「むずむず脚症候群」の症状が出る原因とは?
「むずむず脚症候群」の原因についても、現状でははっきりとわかっていません。
ただし、「むずむず脚症候群」には一時的なものと、併存する病気によっておこる二次性のものとに大まかに分類されます。
一時的な突発性の場合は遺伝的要素が強く、いわば体質によるもので症状は軽めであるといわれています。
しかし、二次性の原因として考えられるのは、貧血や腰の病気、鉄分不足に陥りやすい月経過多である人などが多いようです。
男女の比率では1対5、と圧倒的に女性に多い病気です。
4.「むずむず脚症候群」の治療方法とは?
「むずむず脚症候群」を疑った場合に、まず行われるのが二次性の病気があるかどうかの検査。
例えば、貧血検査では血清鉄とフェリチンの量が重要になってきます。
これらの値が異常に低ければ、鉄剤が処方されることになります。
脚のムズムズ自体を改善するには、ドーパミンの作用を有効にするパーキンソン病の薬が有効であるとされています。
少し前までは、日本ではまだこの病気の患者への処方は認可されていませんでしたが、最近になりプラミペキソールという薬がRLS治療薬として認可されました。
5.何かの病院を受診すればいいの?
感覚的に考えると、整形外科や皮膚科を受診してしまいそうですが、それでは原因不明で終わってしまうことが多いようです。
「むずむず脚症候群」は日中、ほとんど症状が出ない上に、本人に不快感があるだけなので病気と認識されにくいものなのです。
そのため、未だにあまり知られていない病気であるといえます。
そのうえ、通常の血液検査では異常は発見できません。
「むずむず脚症候群」をすでに認識しているお医者さん、もしくは睡眠専門医に相談するのがベター。
6.「むずむず脚症候群」の症状を緩和するには?
就寝前の軽い運動をするのがおすすめです。
その後、脚をマッサージして眠りにつくようにしましょう。
そして重要なのは「むずむず脚症候群」の症状から意識をそらすこと。
ムズムズしだすのでは、とびくびくしながら脚を意識しすぎることは逆効果です。
寝入る直前まで、なにかに集中していればそのまま眠れることもあります。
眠くてたまらなくなるまで本を読んだり、目が冴えてしまわない程度にスマホでメールやゲームをしたりと工夫してみましょう。
7.日常生活で気をつけることとは?
直接的な原因とは言えないものの、「むずむず脚症候群」の症状を悪化させる要因になりかねないのが不規則な生活です。
もちろん、バランスの悪い食生活もよくありません。
カフェイン飲料や飲酒、喫煙も控えるようにしてください。
軽症の場合は、貧血などの原因とみられる疾患がある場合は、その治療と並行して「生活習慣の改善」が一番重要な治療法になります。
また、激しい運動も避けた方がいいでしょう。
疲れたまま眠ると、症状がでやすくなってしまいます。