幸せのホルモンとも言われるセロトニン、あなたは足りていますか?
食べ物で増やすことはできるのでしょうか?
仕事に家庭に育児に人付き合い・・・
どれもとっても重要なものだけど、現代社会はストレスでいっぱい・・・。
ストレスが要因となって、体や心の不調を訴える人は増加傾向にあります。
そんなストレスと大きく関係し、私たちの心や体の安定を保ってくれるセロトニン。
今では鬱病対策としても注目を浴びているんですよ。
この記事では、ストレスやセロトニンの増やし方についてまとめます。
目次
ストレスは様々な原因によってひきおこる
脳内には、神経伝達物質があり神経細胞に情報を伝達しています。
しかし、ストレスが溜まって体や心が疲れた状態が続いてしまうと、神経伝達物質の量や神経細胞の働き、脳の血流にまで変化が現れてきます。
ストレスを感じると、脳からはホルモン分泌が促進され心拍数が増えます。
また血圧も上昇し、食欲がなくなるなどの反応も出てきます。
私たちが一般的に言うストレスとは、正しくは「ストレッサー」といいます。
ストレスの原因は大きく3つに分けられ、それぞれのストレッサーが加算されつつ、複合的に作用することでストレスを引き起こすといわれています。
ストレスの大きさというものは、受ける側の状態によって変わり、もちろんストレスに強い人も弱い人もいます。
そして、人間は慢性的なストレスにさらされ続けると、鬱病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などにつながると考えられています。
また心の病気以外でも、風邪などの感染症にかかりやすくなったり、高血圧や円形脱毛症、胃潰瘍や不整脈など様々な部分にトラブルが起こったりします。
ストレッサーとは
上でも書いたように、ストレッサーとは文部科学省の心のケア各論で3つに分類され、各ストレッサーがそれぞれに加算されながらストレスを引き起こすとされています。
1.生活環境ストレッサー
・大切な人、物などとの離別 ・友人、職場、家族などの人間関係
・環境の変化2.外傷的ストレッサー
・地震、火災、噴火、台風、洪水などの自然災害
・戦争、テロ、暴動などの社会的不安
・暴力、事故、犯罪、性的被害などの生命の危機にかかわる体験
・家族や友人の死、大切な物の喪失などの喪失体験3.心理的ストレッサー
・~するかも、~したらどうしようという否定的な予期など
これらが混ざり合って私たちにストレスを引き起こしています。
セロトニンで心のバランスを整える
セロトニンはストレスに大きく関わるホルモンとして知られています。
他にも、ノルアドレナリンやドーパミンも同じようにストレスにかかわっています。
ノルアドレナリンは、危険を察知してそれに立ち向かおうと戦闘態勢に持ち込む働きがあります。
しかしながら過剰に分泌されると、不安神経症やパニックになってしまいます。
ドーパミンは、快感、喜び、意欲を伝達する働きがありますが、これも過剰になってしまうと依存症などを引き起こします。
セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンが過剰になって暴走しないようにコントロールし、心のバランスを整えてくれます。
近年の研究では、鬱病の人は脳内のセロトニンが少ない傾向にあることがわかり、セロトニンの脳内濃度を高くする薬品が使用されています。
日光浴でセロトニンを増やそう
人間の精神状態と日光は、とても強い関係があります。
人間は、陽が昇るとともに活動しはじめ、日が沈んだら休息するというサイクルで長年生活してきました。
これは体内時計とも密接に関連しています。
しかし現代では、夜中でもネオンが輝き、夜でも明るく、昼夜逆転の生活を送っている人も少なくはありません。
脳内のセロトニンは太陽の光を浴びることで増えるといわれています。
実際に冬の日照時間が少ない北欧などでは冬の間だけに発症する「冬季鬱病」の患者さんが増加する傾向があり、この原因は日照不足によるセロトニン分泌の減少にあると考えられています。
天気の良い日には、太陽の光をたっぷりと浴びてセロトニンをたっぷり作る様にしましょう。
しかし、太陽光には紫外線も多く含まれているので、日焼けなどの対策はしっかりと行うようにしてください。
セロトニンを増やす食べ物とは?
食生活が乱れたり、栄養不足だとストレスを感じやすくなるといわれています。
しかしながら、セロトニン自体が含まれている食品というものはありません・・・。
セロトニンはどんな食べ物で増やすことができるのでしょうか?
セロトニンの原料となる「トリプトファン」
セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから作られています。
しかしながら必須アミノ酸は、体内では作ることができません。
そのため食べ物から摂取することが必要です。
トリプトファンは、お肉やお魚、豆腐、ナッツ類、乳製品に多く含まれています。
(・しらす干し・赤身の魚・プロセスチーズ・たらこ・アーモンド・ごま・納豆・豆乳・そば・肉・ヨーグルト・牛乳・バナナなど)
神経活動に使用されるブドウ糖
ブドウ糖は、はちみつや果物に多く含まれる単糖類です。
ご飯やパンから摂取した炭水化物は、体内にある消化酵素によって分解や吸収が行われ、最終的にブドウ糖になって腸で吸収されています。
ブドウ糖は脳のエネルギー。
脳には血液脳関門と呼ばれる部位があり、ここでのエネルギー要素はブドウ糖以外通しません。
つまり、ブドウ糖は脳の活動維持に唯一の栄養素であることがわかります。
そしてトリプトファンが、脳内に取り込まれるためにはインスリンが活躍しているのですが、インスリンはブドウ糖を摂ることで分泌されています。
このことからもブドウ糖を摂取することが、ストレスを抑えて精神の安定を保つことに繋がることがわかります。
ブドウ糖が不足してしまうと、脳はエネルギーを作ることが出来なくなるので、思考能力が低下したり、集中力が欠けることになりませう。
血中にブドウ糖が豊富にあると記憶力が増す、ということもあるそうです。
脳のエネルギー源はブドウ糖のみですが、ブドウ糖は脳内に蓄えておくことができません。
そのため一定量のブドウ糖は摂取し続ける必要があります。
神経系統維持に必要なビタミンB群
ビタミンB6は、セロトニンの合成に必要不可欠です。
ビタミンB6が豊富に含まれている食べ物は、カツオ、マグロ、ニンニク、牛レバー、バナナ、唐辛子、バジル、ピスタチオ、パセリなどです。
そして脳の正常な動きを保つビタミンB12は、海苔やしじみ、鮭、牛レバー、鶏レバーに多く含まれています。
食べ物をよく噛んで食べることもセロトニン増加に
食事を摂るときに一定のリズムを保って、よく噛んで食べるとセロトニン神経が活発化するといわれています。
ストレスに関わる栄養素は、幅広い食べ物に含まれています。
やはり、心の健康も体の健康も維持していくためにはしっかりと食べ物を摂取することが大前提なのです。
必要な栄養素が不足すると、どうしてもストレスへの抵抗力も低下してしまいます。
心のバランスを保つセロトニンを不足させないためにも、栄養のバランスを考えた食べ物をよく噛んで食べること。
トリプトファンやビタミンB群を意識的に摂取していくことを心がけましょう。
そして朝は朝陽をしっかりと浴びて、セロトニンを作るようにするなどを心がけて、ストレスに負けない自分づくりをしていきましょう。
現代のストレス社会でも、十分私たちは対応していけます。
無理をし過ぎず、健康的な毎日を過ごしましょう。
セロトニンを増やすには、腹式呼吸も効果的。
一定のリズムで深く深呼吸をこころがけて。
また、友人や知人との楽しい会話や恋人とのふれあいも大切です。