食中毒というと、やはり暑い季節に起きやすいというイメージがあります。
実際に食中毒が起こりうるのは、7~9月がピーク!
この時期は暑さで身体も弱っているうえに、「菌」にとっては好条件がそろい
食中毒にかかってしまうんです。
飲食店などで食中毒が出ると、たちまち報道されたりしますが、
食中毒になりやすい場所の2番手は「家庭」なのをご存知ですか?
家庭での食中毒の発生は、風邪や体調不良と勘違いするほどの軽度の
症状も含めると、実際にはっきりしている統計上の数字よりも
何十倍も多いと考えられています。
目次
食品を買うときの予防策
言うまでもありませんが、お肉・お魚・野菜等の生鮮食品は、新鮮なものを
選ぶこと。
お肉、お魚の水分は漏らさないように個別にビニール袋に入れましょう。
長時間持ち歩くことも避け、なるべく速やかに帰宅しましょう。
冷蔵庫での保存の予防策
生鮮食品、冷蔵品、冷凍品はただちに冷蔵庫へ。
消して冷蔵庫は詰め込みすぎないことが大切です。
30%程度は空間がある方が、冷蔵庫内が冷えやすくなります。
冷蔵庫での保存時も、お肉やお魚の水分、汁がほかの物へ移らないよう
に注意してください。
そして、生鮮食品を触る前は、せっけんなどを使いしっかりと手を洗うこと。
キッチンでの予防策
キッチンにゴミを置きっぱなしにしていませんか?
タオル、フキンは非常に細菌が増えやすいものです。清潔でしょうか?
調理中
調理するときには、まな板をキレイに洗い、流水で流しましょう。
違う食品を切るごとに、同じようにまな板を洗うことが肝心。
可能であれば、お肉用・お魚用・野菜用、とまな板を分けるとなお安心です。
生野菜など、生のまま口にいれるものを切る前には、まな板と包丁を
熱湯消毒するようにしてください。
もちろん、調理を中断したときも再び食品に触るときは手をしっかりと
洗うようにしてください。
調理後は、包丁・まな板・フキン・スポンジなど洗剤を使ってよく洗い、
汚れが酷い場合は漂白剤に1晩漬け置くようにしましょう。
スポンジなどは煮沸消毒もおすすめです。
冷凍食品の解凍時の予防策
冷凍した食品を室温で放置し自然解凍するのはやめましょう。
室温での解凍は、食中毒をおこす菌の増殖につながる場合があります。
解凍する場合は、冷蔵室で時間をかけて行うか、電子レンジを使って
解凍しましょう。
また、一度解凍した食品をまた冷凍しなおしたり冷凍→解凍を繰り返すのは
やめてください。
食事中の予防策
いざ、食事。
食卓につく前にきれいに手を洗いましょう。
調理してから長時間、室内に料理を放置してはいけません。
もし、O157の細菌が付着していた場合わずか15分程度で2倍にも増殖します。
食中毒をおこす菌類
上の表が、食中毒を引き起こす主な原因菌です。
なかには症状の軽いものもあり、ただの体調不良と感じることもありますが、
本当に重篤な症状を引き起こした場合、障害や後遺症を引き起こすこともあります。
食中毒とギランバレー症候群
上記の食中毒の原因となる原因菌のなかのカンピロバクター。
カンピロバクターは井戸水や鶏の保菌率が高いといわれており、近年食中毒の
発症で一番多い原因菌です。
死亡例や重篤例は少ないのですが、食中毒回復後に手足の運動マヒが起こる
「ギランバレー症候群」を発症する場合があります。
年間2000人以上が発症しているというこのギランバレー症候群ですが、
驚くことにその3割はカンピロバクターが原因といわれています。
鶏肉を生で食せる飲食店なども存在していますが、無菌の鶏はいません。
たとえ鮮度がバツグンでもカンピロバクターに汚染されていれば食中毒に。
鶏肉はやはり、しっかりと火を通していただくのが賢明なようです。
寝かせたカレーにウェルシュ菌?
一晩寝かせたカレー。
作ったその日よりも美味しい、と思う方も多いはず。
ところが、一晩寝かせたカレーはウェルシュ菌の宝庫。
どんなにウェルシュ菌が増えても味で確認することは難しく、加熱しても
ウェルシュ菌は死滅しないので食中毒になってしまうこともあるのです。
そのウェルシュ菌の増殖率は、凄まじく10分で2倍に。
およそ8時間放置すると、280兆倍にもなるんだとか。
こんな数字を聞いたら、カレーもその日に食べきらなければ・・・と
思ってしまいますね・・・。
食事中の「ながらスマホ」は危険
食事をしながらスマホをいじってしまう、という方いませんか?
とくにひとりでの食事中に、つい触っているという方は多いんだそうです。
スマホの画面の細菌は、トイレよりも微生物が多いといわれており、
食事しながら触っていたら指先→口や鼻→体内、と菌をとりこんでしまう
ことになりかねません。
アルコール入りのウエットティッシュなどで、スマホ画面の清潔を保ちつつ
食事のときは触らないようにしておきましょう。
食中毒の予防策まとめ
直中毒の予防には、三原則というものがあります。
発症率の高い今の時期は特に注意しておくことが大切です。
画像出典:大阪市北区ホームページ
夏の行楽ではアウトドアやBBQもつきもの。
なんとなく~と調理していると、本当に食中毒になってしまう可能性が。
衛生面、食べ物の放置はしないようとことん注意を払いましょう。
また、9月にさしかかり涼しさを感じると家庭での保存や衛生面での緊張感が
緩んでしまうのも事実。
もう一度、ご自宅のキッチンから見直してみてはいかがでしょうか?