最近では腸内フローラという言葉も広がり、ダイエットにも健康にも腸内環境が重要であることが知られています。
美腸とは、毎日スッキリとよく「出せる腸」。
しっかりと腸活をして、美腸になればむくみや溜めこみの悩みもなくなります。
あなたの腸は「美腸」ですか?
ダメな腸のポイントをまとめながら、「美腸づくり」に役立つ腸活食べ物もご紹介します。
目次
ダメな腸 ケース1:消化吸収低下
腸にはいろいろな働きがあるけれど、本来最も重要なのは「消化吸収」。
最近ではオーガニックや無添加へのこだわりのある人も増えていますが、自分自身の腸の消化吸収能力をわかっている人は少ないんです。
人間の腸は胃とつながっています。
それなのに、「腸」だけ美腸に!なんて考えはおかしなもの。
胃と腸、双方がきちんと消化→分解→吸収できているかどうかがとても重要なのです。
きちんと消化吸収が行われていれば、全身に食べ物の栄養素が運ばれていきます。
食べ物でしっかりと摂るべく栄養素が摂れているかは、体の代謝にも大きく関わっています。
消化吸収には、胃と腸だけでなく口できちんと唾液が分泌されているか、胃で胃酸がきちんと出ているか、腸へ行く前にしっかりと酵素が働いているか、など知っておくことが重要です。
そして腸は、排出力も重要。
食べ物が消化、吸収されたあとのカスをきちんと体外に排出できているかも美腸かどうかの大きなポイントになるのです。
食べ物はしっかりと噛んで唾液を出し、胃に負担がかからないように、ゆっくりと食べる。
それだけでも、胃や腸の消化吸収を改善する糸口になるのです。
胃と腸は一本の管!
食べ物は胃の胃酸や消化酵素で消化されて、さらに一番消化酵素活性の高い小腸でさらに消化され吸収されるの。
そして大腸の上の方で水分が吸収され、下の方で便が作られるのよ。
代表的なのは、アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、マルターゼ、ラクターゼ、スクラーゼ、セルラーゼ、などよ。
酵素は代謝にも消化にも使用されますが、酵素の不足は消化不良や代謝を悪くする原因に。
潜在酵素には限りがあるため、足りない分はどうしても食べ物から補う必要があります。
特に重要なのはたんぱく質。
酵素の元はたんぱく質なので、たんぱく質をバランスよく摂取することが酵素の働きをよくすることになります。
消化吸収力チェック
1.食前に重曹水
50ccの水に食用の重曹2gをいれ重曹水をつくります。
食事の5分前に飲んで3分以内にゲップが出れば「きちんと胃酸が出ている証拠」。
食事前にゲップが出なくても、20分以内に出れはまずよいでしょう。
もしも食事を終えてもゲップが出ない人は、胃酸の分泌力が不足している可能性大です。
食べ物を食べ始める前ににおいや料理の見た目をしっかりと楽しむことでも胃酸分泌が促されます。
2.ブリストルスケール
ブリストルスケールとは、便の状態をあらわす尺度。
便の色や形によっても消化吸収の状況がわかります。
腸内の最も理想的な状態は、適度に酸性が保たれているということ。
便の色は黄褐色、バナナ状であると腸内環境が良好だとされています。
腸粘膜のトラブルや過度のストレスなどで、腸のぜんどう運動が弱まってしまうと硬い便になったり、ゆるくなったりします。
そして腸内に腐敗物質が増加すると、便はアルカリ性へと傾いてしまいます。
ダメな腸 ケース2:リーキーガット症候群
リーキーガット症候群という名称を知っていますか?
まだあまり知られていない名称ではありますが、すでにアメリカではアトピーなどの原因としても注目されています。
リーキーガット症候群は、和訳すると「漏れている消化器官」。
実際には腸壁に穴があいて、腸内で消化されなかった食べ物や毒素が体内へと吸収されてしまう症状をさします。
これは超粘膜のバリア機能が崩壊してしまった状態。
アメリカではアトピーだけでなく、自己免疫疾患であるアレルギーや、関節炎、腸炎、など様々なトラブルの原因であるとされ、研究がさかんに行われています。
リーキーガット症候群になる原因は、ストレスや食生活など様々です。
リーキーガット症候群の主な症状
喘息や肌荒れ、花粉症などのアレルギー症状、頭痛、不眠、免疫不全、
過敏性腸症候群、アレルギー、下痢・便秘、関節炎、慢性疲労、肝臓病、
リウマチ など
食生活の偏りや鎮痛剤や抗生物質の多用もリーキーガット症候群の原因に。
また、胃酸や消化酵素不足で消化不良を起こすこともリーキーガット症候群の要因だといわれています。
ダメな腸 ケース3:糖質過多
糖の過剰摂取は、胃の消化力を弱めるといわれています。
また、糖は腸の炎症をも引き起こすといわれています。
腸の常在菌であるカンジタ菌も糖が大好物。
糖質を過剰に摂っていると、カンジタ菌が異常繁殖してしまい、腸内環境を悪くすることもあります。
糖の摂りすぎは、抗酸化作用の低下、脂肪細胞の増加、肝機能低下などをも招きます。
しかしながら、糖は必須栄養素。
全く摂らない、というのも間違いです。
炭水化物の糖質オフダイエットが流行していますが、本来セーブしたいのは人工の甘味料です。
ジューズやお酒、白い砂糖を使用した食べ物ほど要注意なのです。
ダメな腸 ケース4:下半身の筋肉
男性に比べると、女性はもともと筋肉がありません。
スムーズな排便力には、下半身の筋肉もとても重要になってきます。
もし便秘がちなのであれば、腸やその機能にばかり目を向けず、排便に必要な筋肉に柔軟性を持たせましょう。
運動不足や座りっぱなしのデスクワークの多い人、立ち仕事で立ちっぱなしの人などは、股関節まわりの筋肉が硬くなりこわばっていることが多いです。
すると、腸もつまりやすくなってしまいます。
下半身の筋肉のこわばりは、下半身の冷えや腸の血行不良にも影響します。
これらが全て便秘の原因に。
和式トイレで用をたすときの体勢は、下半身の便をいきむ筋肉を一番効果的に使用できるポーズです。
しゃがんだ時に足の裏が床にぺったりと付かない人は、お尻にある一番大きな筋肉が硬かったり、上半身、下半身をつないでいる筋肉の柔軟性が少ない可能性があります。
60秒、この姿勢がキープできれば問題はありません。
もしできない人は、少しずつキープできる時間を延ばすようトレーニングを。
美腸づくりが出来る食べ物:ヨーグルト
美腸をつくるといえば、乳酸菌。
乳酸菌といえばヨーグルトですが、我が国日本には、納豆や漬物など乳酸菌や納豆の宝庫である「美腸」づくりに最適な食べ物が沢山あります。
ヨーグルトの3つの活用方法
乳酸菌といえばヨーグルト。
牛乳が乳酸菌によって発酵された上に、カルシウムやビタミンB群などの栄養素もたっぷり含まれています。
もちろん、ヨーグルトをそのまま食べても効果はありますが、腸を冷やさないようにしたり、不足しているビタミンCを加えたりすれば、更にヨーグルトの美腸効果が高まります。
1.あたためる
ヨーグルトは人肌程度にあたためると、乳酸菌の働きが高まります。
その上、冷たいままよりもやさしく腸まで届くので、腸内活動も活発化します。
あたためすぎると分離してしまうので、熱の加えすぎには注意。
少しだけ水を加えてあたためると、なめらかなヨーグルトに仕上がります。
さらにオリゴ糖を加えれば、美腸効果は最大限に!
ホットヨーグルト
プレーンのヨーグルトに100gに水を大さじ1加える。
レンジで1分ほど加熱する。
オリゴ糖やはちみつを加えて食べる。
2.こす
ヨーグルトを「こす」と出来上がるのがホエイ。
ホエイとは、牛乳から乳脂肪やカゼインというたんぱく質(栄養吸収を妨げることもある)などを取り除いた「上澄み液」のこと。
ホエイにはミネラルやビタミン、たんぱく質が豊富で水と同じように使用することができます。
料理に使用すれば、栄養バランスを整える手助けにも。
そしてこされたほうのヨーグルトは、ギリシャヨーグルトのように濃厚でクリーミーになるので、低カロリーながらも食べごたえのあるデザートに最適です。
3.ホエイ
ザルにキッチンペーパーをしき、ヨーグルトを入れて1時間ほど放置する。
料理には水分として使用でき、炊飯やカレーなどに入れるのがおすすめです。
酸味が多少あるため、水と併せて使用するようにしましょう。
4.乾物もどし
乾物であるドライフルーツや切り干し大根などの乾燥野菜は、栄養素が凝縮された優秀な食べ物。
でも水でもどしていたら、せっかくの栄養素が流れ出てしまうこともあります。
ヨーグルトを使って乾物をもどせば、栄養素が閉じ込められるだけでなく、乾物に含まれる食物繊維と同時摂取できることで、腸のぜんどう運動も活発に。
またヨーグルトで戻すと、ドライフルーツの食感もよりもちっとして美味しくなります。
乾物はプレーンヨーグルトに入れて1晩ほど放置するだけ。
フルーツ類はそのまま食べれは美味しいデザートに、切り干し大根などの野菜類はマヨネーズと和えると相性がよく美味しいです。
美腸づくりが出来る食べ物:豆乳ヨーグルト
美腸づくりに豆乳ヨーグルトが絶大な効果をもたらすと評判になっています。
豆乳は植物性。
その植物性のなかで育った乳酸菌は、胃酸にも負けずしっかりと腸まで届くといわれています。
そのため美腸効果をしっかりと実感できるという声も多数!
豆乳ヨーグルトを続けると、便秘がなおり、風邪などもひきにくくなるという効果も。
女性なら気になるイソフラボンも摂れるので、美腸だけでなく美肌にも効果的な食べ物であるといえます。
豆乳ヨーグルトの作り方
材料
・玄米 ティースプーンで山盛り1杯
・無調整豆乳200ml
1.玄米は洗っておきます。
容器にいれた玄米に、豆乳を玄米が隠れるまで入れる
蓋をしたら、すこし固まるまで常温で置いておく
2.トロっと固まったら1次発酵が完了
ニオイが臭くて気になるという場合には、作り直しましょう。
3.2の状態の倍の高さの位置まで豆乳を入れ、沈殿部分は動かないように気をつけながら上のほうだけやさしく混ぜて蓋をします
4.3の状態から6時間~半日程度放置します。
そこへ残りの豆乳を入れ、常温で放置すれば完成です。
5~8時間もすれば固まります。
この過程が面倒くさいという人は、市販のプレーンヨーグルト100gに無調整の豆乳を注ぎ、常温で固まるまでおいておく、という方法でも作ることができます。
20℃前後が「常温」です。
気温が高すぎる場合には注意しましょう。
美腸づくりが出来る食べ物:醤油ぬか床
日本で古くから親しまれてきたぬか漬け。
ぬか漬けはとても優秀な植物性乳酸菌を含んだ美腸フードです。
整腸作用のある酪酸菌を沢山含んでいるのも嬉しいところ。
普通は塩を使用してぬか床を作りますが、美腸に最適なのは醤油のぬか床です。
醤油は塩分濃度が高いので、カビも生えにくくぬか床の手入れも簡単にできます。
しかも醤油には旨み成分であるグルタミン酸も沢山。
簡単でなおかつ、とても美味しいぬか漬けを作ることができるのです。
醤油ぬか床の糠漬け
材料
米ぬか1kg(米ぬか100%のもの)
醤油600ml
水300ml
使用する米ぬかは煎ったいりぬかでも、生ぬかでも大丈夫です。
材料を混ぜ合わせて醤油ぬか床を作ったら、お好みで昆布や赤唐辛子を入れても◎。
きゅうり、人参、カブ、なすなどお好みの野菜を漬け込みます。
美味しいぬか漬けのポイントは、野菜の茎や根も入れ込むこと。
醤油によって乳酸菌の風味がよりまろやかに仕上がります。
醤油のぬか床を手で混ぜるのも大事なポイントです。
清潔に洗った手でぬか床を混ぜれば、手に付着した乳酸菌がぬか床に移るので、作った人ならではの味わいに。
常温で一晩寝かせたら出来上がり。
長めに漬け込むのがお好みの場合は、好みの味になるまで漬け込みましょう。
美腸づくりが出来る食べ物:納豆
納豆菌は腸内の乳酸菌を増やす働きを持っています。
しかも胃酸にも強く、腸までしっかりと生きて届きます。
なんと、腸内で一週間も滞在することのできる超エリートな美腸菌なのです。
納豆はそのまま食べても十分に美腸づくりをサポートしてくれますが、さらなる効果を期待するなら刻んだり砕くのがおすすめです。
大豆の皮は丈夫なため、皮が壊れているほうが消化も吸収もスムーズに。
そして納豆菌を増量させる食べ方もあります。
納豆は100回以上かき混ぜてから常温で20分放置しましょう。
これだけで納豆菌が2倍になるといわれています。
美腸づくりが出来る食べ物:らっきょう
らっきょうは、カレーの時くらいしか食べない・・・という人も多いかもしれません。
でも、今らっきょうに含まれている「フルクタン」という成分が注目されています。
生のらっきょうを5粒たべると、フルクタンは約6g摂取できます。
現代人の不足が問題視されている1日の食物繊維を補えます。
しかも、ヨーグルトなどの乳酸菌をもつ食べ物と一緒に摂取すると、効果はさらにアップします。
残念なのは、らっきょうが一番食べられているであろう「漬物」の状態だと、フルクタンの含有量は1/2になってしまうとか。
腸と乳酸菌のQ&A
知っておきたい5つのポイント
Q1:腸まで届かない乳酸菌もある?
A:胃の中は強力な酸性。
そのため乳酸菌は長い時間胃の中で生きることはできません。
でも、死んだ乳酸菌もまだ生きている乳酸菌のエサになってサポートします。
ヨーグルトを選ぶ際には、機能性表示食品を選ぶとよいでしょう。
Q2:乳酸菌はどれでも一緒?
A:乳酸菌は何千種類も存在するといわれています。
乳酸菌は個々に個性を持ち、効果も違います。
便秘→シロタ株(ヤクルト)
肌荒れ→ブルガリア菌2038株(ブルガリアヨーグルト)など機能性ヨーグルトはその菌によって選ぶと効果的です。
そして即効性は求めずに、2週間程度は摂取し続けるようにしましょう。
Q3:乳酸菌の摂りすぎはよくない?
A:摂りすぎたからといって、乳酸菌が害を及ぼすことはありません。
注意しておきたいのは、乳酸菌食品に含まれる糖分や脂肪分。
低カロリーのものや、低脂肪、無糖を選ぶのがおすすめです。
乳酸菌摂取量の目安は、100~300億個。
ヨーグルトは1日300g程度食べるとよいでしょう。
Q4:肛門から乳酸菌を入れると効く?
A:確かに乳酸菌は胃を通らない方が効果が高いといえます。
しかし、乳酸菌は腸の免疫機能の本拠地である小腸の末端部分へ入らないと意味がないのです。
この部位に直接乳酸菌を入れるのはとても難しく実際にはなかなかできません。
Q5:糞便移植は効果があるの?
私たちに最もいい乳酸菌は、腸内環境の素晴らしく整った人、つまり美腸の人の腸に棲む乳酸菌です。
そのため、美腸な人の便を採取して生理食塩水に混ぜ、腸内に送ることで腸内のバランスが整うといわれています。
しかし、糞便移植はまだ出来上がっている治療方法ではありません。
もしも研究がすすみ、一般的になれば慢性の腸炎などの改善に効果が期待されています。