お肌がカサカサしたり、粉がふいたり。
乾燥肌やシワ、たるみを気にする女性は後を絶ちません。
アラフォーの私の周りでも、トークの中心は「老い」や「お肌の悩み」「太りやすくなった」など、年齢的なものばかり。
効果的な化粧品を追い求める日々は終わりがないけれど、もう一度中から改善することも考えてみよう。
今回は女性特有ともいえるお悩みを解消すべく、肌を変えることのできる「食事」についてまとめます。
目次
お肌のカサカサが止まらない
年齢を重ねるとどうしても衰えるお肌のターンオーバー。
下の図のターンオーバーのように若い世代とは違って、年齢肌のターンオーバーの周期はどんどん長くなっています。
お肌のカサカサが気になるならまず、ターンオーバーを促す「ビタミンA」とコラーゲン合成を助ける「亜鉛」を摂取するように心がけること。
ビタミンAは、お肌のバリア機能をUPするために皮膚や粘膜の上皮組織に働きかけ、常に最良の状態を作るべく細胞を生み出す元となっています。
そのためビタミンAの不足は、お肌の乾燥を起こし潤いをなくし、ダメージも受けやすくなります。
そして更なるターンオーバーの乱れを起こす原因に。
ビタミンAは2種類
ビタミンAのひとつは緑黄色野菜などに含まれるβカロテンが体内で変換されて作られます。
そして動物性食品に含まれているビタミンAは、別名でレチノールとも呼ばれています。
レチノールは化粧品などにも多く配合されているので聞いたことがある人も多いと思いますが、実はこれもビタミンAだと知っている人は少ないかもしれませんね。
レチノール(ビタミンA)を食事の中から摂り入れれば、お肌を内側から整えて美しくしていくこともできるというわけです。
不足しがちな亜鉛を補う
そしてお肌のターンオーバーに欠かせないのが「亜鉛」です。
亜鉛は細胞が新しくなる際に、遺伝情報が含まれたDNA合成にかかわっています。
さらにビタミンCと一緒にコラーゲン合成をも助けています。
現代人の亜鉛不足は深刻なので、意識的に摂ることが重要です。
ビタミンを意識してサラダを沢山食べることもいいけれど、お肌の直接的な材料となるのはたんぱく質。
たんぱく質もしっかりと摂るようにしましょう。
お肌のかさかさ対策におすすめの食材
コラーゲン合成を助ける亜鉛とお肌のターンオーバーを促すビタミンAを合わせて摂りましょう。
ビタミンC | 鉄分 |
海苔 | 煮干し |
パプリカ 赤 | レバー 豚 |
芽キャベツ | 海苔 |
菜の花 | レバー 鶏 |
ブロッコリー | 高野豆腐 |
ゴーヤ | なまり節 |
パセリ | イワシ丸干し |
豆苗 | サクラエビ |
小松菜 | 赤身肉 牛 |
プチトマト | サバ缶 |
カキ
お肌の細胞はたんぱく質でできています。
カキのたんぱく質は、必須アミノ酸全てと、12種類の他のアミノ酸を含んでいます。
更にはビタミンA、B群、C、Eも揃っている上に、亜鉛、カルシウム、カリウム、リン、鉄などのミネラルも豊富。
カキはまさに食べる美容液のような食材であるといえます。
高野豆腐
ダイエット食品としても人気のある高野豆腐は、たんぱく質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄が豊富です。
そのまま煮たりしてもおいしいけれど、高野豆腐の粉末を活用すると幅が広がります。
高野豆腐の粉末は、ハンバーグの種に混ぜるとジューシーにふっくらと仕上がります。
そして野菜炒めに加えれば、程よく水分を吸収して炒り豆腐のように。
から揚げの衣として使用しても美味しい。
高野豆腐の粉末も販売されていますが、おろし金ですりおろせば自分でも簡単に作れます。
トマト
βカロテンとは、カロテノイドの一種。
体の中で最も効果的にビタミンAへと変わります。
変化しなかったものも、抗酸化物質としてアンチエイジングや生活習慣病予防に。
そして人参と同様にβカロテンが豊富なのでは?と勘違いされやすいトマトも、お肌には最適。
トマトに含まれるカロテノイドはリコピンで、強い抗酸化作用を持ち紫外線からお肌を守ってくれます。
お肌のシワやたるみが気になる
コラーゲンが大事というけれど、コラーゲンで何なのでしょう。
コラーゲンは細胞同士をつなぐ繊維性のたんぱく質です。
熱が加わると、ゲル状になり固まる性質を持つ食物繊維のひとつでもあります。
コラーゲンは人体を構成するたんぱく質の4割ほどをも占めていますが、皮膚に存在するコラーゲン量はもっと多く、水分3割、コラーゲン7割でできています。
そのためコラーゲン不足は、お肌の潤いやハリを失う原因となって老化もすすむことに。
コラーゲンはお肌にとって想像以上に重要なものなのです。
コラーゲンを摂るならコラーゲン豊富な豚足やフカヒレを食べれば・・・
という安易な考えはやめましょう。
たんぱく質はいずれも消化吸収されるときに、アミノ酸へと分解されてしまいます。
そのため直接的にお肌に届くことはありません。
お肌のシワやたるみが気になるならば、フカヒレを食べるよりも赤身肉や魚を食べること。
赤身肉には、コラーゲン生成に必要な亜鉛や鉄が含まれています。
そしてコラーゲン生成には、ビタミンA、Cも欠かせないので野菜をたっぷりと摂ることも忘れずに。
お肌のシワ・たるみ対策におすすめの食材
コラーゲン生成を助けるビタミンCとコラーゲンの材料となる鉄分を合わせて摂りましょう。
亜鉛 | ビタミンA |
煮干し | 鶏 レバー |
カキ | 海苔 |
するめ | うなぎ |
牛 もも肉 | ホタルイカ |
コンビーフ缶 | オクラ |
豚 肩ロース | パセリ |
海苔 | 豆苗 |
鶏 レバー | パプリカ |
ホタテ | ほうれん草 |
高野豆腐 | おかひじき |
赤身肉 牛
赤身の牛肉と言えば、モモ肉です。
モモの上にあるランプ肉もキメが細かく柔らかくて美味しい。
お肉を選ぶときには艶やかな深紅の物が新鮮です。
肉汁が出ていたり表面が乾いているものは、鮮度が落ちている証拠。
赤身の肉にはカルチニンというアミノ酸が豊富に含まれていますが、このカルチニンは脂質の代謝を促進し効率よく体脂肪を燃やしてくれます。
更年期の食事対策
更年期なんてまだまだ、と思い込むのはやめておきましょう。
女性は30代後半あたりから女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が徐々に減少して閉経を迎えます。
この期間のホルモンバランスの乱れから、顔がのぼせたり、急な発汗、肩こりなどの様々な症状があらわれます。
更年期であるという自覚がない人でも、エストロゲンの現象で骨からカルシウムが流れ出しやすくなり、骨粗鬆症になるリスクが高まっていることも。
大豆製品に豊富に含まれているイソフラボンは、体の中でエストロゲンと似たような働きをします。
そのため更年期にさしかかる女性には、積極的にとってほしい食材だといえます。
しかし、骨のことも考えるとイソフラボンだけでなくビタミンDも重要に。
カルシウム吸収や運搬をコントロールしているビタミンDは、不足すると丈夫な骨がつくれません。
意識的にビタミンDを食事に取りいれていれば骨量減少予防だけでなく、骨密度を増加させる効果も。
骨の元ともいえる主要成分カルシウムは、男女問わず不足傾向にあるので意識的に摂るようにしましょう。
更年期対策におすすめの食材
骨を丈夫にするビタミンDと、女性ホルモンエストロゲンの代わりとなるイソフラボンを合わせて摂りましょう。
ビタミンD | イソフラボン |
きくらげ | 大豆 |
しらす | 高野豆腐 |
いくら | 納豆 |
鮭 | 味噌 |
煮干し | 油揚げ |
うなぎ | 豆乳 |
干しシイタケ | 豆腐 |
水煮缶 サバ | おから |
イワシ | 醤油 |
サバ | 金山寺味噌 |
イソフラボン摂取量の目安
イソフラボンの1日の摂取量の目安は、納豆であれば1パック、豆腐なら半丁、豆乳なら100ccほど。
更年期を感じているのなら少し多めに摂ってもいいでしょう。
また人間も太陽の光を浴びると体内でビタミンDを合成します。
適度な日光浴も習慣に。
エストロゲンを知ろう
エストロゲンの元になるのは、コレステロール。
しかし、閉経することによりエストロゲン分泌がされなくなると、体の中のコレステロールが使われなくなり余るため、どうしてもコレステロール値が上昇してしまいます。
エストロゲンは、心臓、血管や様々な臓器の機能UPに関わっていて、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、がんなどの生活習慣病のリスクを軽減します。
またアルツハイマーの予防効果があることもわかっています。
これがエストロゲンを持つ女性の方が男性よりも寿命が長い理由なのです。
不足するエストロゲンを補う気持ちで、大豆製品は積極的に摂りましょう。
ビタミンD
ビタミンDはいくらや鮭などの魚介類に多く含まれています。
またシイタケやきくらげに含まれているエルゴステリンは紫外線にあたるとビタミンDへと変化します。
缶詰でも、鮭缶はビタミンDだけでなくカルシウムも豊富なので活用しましょう。
食事を変えればお肌も変化していく
いかがでしたか?
コラーゲンを摂るために、フカヒレを頬張ってこれで明日はお肌がぷるぷるに!
なんて思っていた女性には目からウロコではなかったでしょうか?
たしかに食べた直後、唇はプルプルしてくるような感じがしますよね・・・
私たち人間は、食べたものを一度体内で分解して必要なものへと作り替えて生きています。
どれを何に変換するかは、脳内ホルモンが指示。
いくらコラーゲン自体を食べまくっても体内ではアミノ酸になってしまうというのが現実です。
お肌を根本的に変えたいのなら、変換された後の働きを見据えて食事を摂りましょう。
各項目の食材を合わせつつ、食事を摂る様にしていくとおのずとお肌も変わっていきます。
化粧品でのケアは二の次。
まずは、中からしっかりと栄養素でお肌づくりをしていきましょうね。