季節の変わり目は体調の変化も起こりやすくなりますが、春は髪の毛の生え変わりの季節とも呼ばれています。
髪の毛には独自の育毛サイクルがありますが、なぜ春は髪の毛の生え変わりが多いと言われているのでしょうか?
春が髪の毛の生え変わりと呼ばれる理由についてご紹介します。
目次
なぜ髪の毛は抜けるの?
ブラシで髪をとかしたり、入浴時にシャンプーをしたりすると、髪の毛が抜け落ちるのを実感することがあるでしょう。
ブラシやシャンプーにより物理的に抜けていると思われがちですが、実は髪の毛は自然と抜けているものです。
髪の毛の成長にはサイクルがあり、抜ける時期と育つ時期があり、次の3つの期間に分けられます。
細胞分裂により髪の毛が生え、伸びていく
②退行期(休止期)
細胞分裂が止まり、成長がストップする
③脱毛期
毛根の退行で抜け落ちる
一定のサイクルによって髪の毛は成長と退行を繰り返しており、1つのサイクルは約4年~6年程度の時間がかかってきます。
髪の毛が抜けること、生え変わりが起こることは自然な現象です。
休止期に入って抜け落ちる髪の毛は1日100本程度と言われています。
毎日そんなに抜けていると薄くなるのではと心配になるかもしれませんが、100本前後なら薄毛になる心配はありません。
また、髪の毛の生え変わりには、他にも重要な役割を担っています。
それは、体内の不要な物質を一緒に排出し、頭部に受ける衝撃から身を守るためです。
また、季節によって変わる温度変化に対応するためでもあります。
なぜ春は髪の毛の生え変わりの季節と呼ばれている?
冬毛からの生え変わり
動物には、季節に対応できるように夏毛や冬毛といったように、体毛を生え変わらせて適応できる力があります。
寒い冬を耐えるための冬毛は暖かくなってくると必要がなくなり、抜け毛という形で排出されるのではないかということです。
新陳代謝が活発になった
暖かい季節になると、新陳代謝が活発になってきます。
中医学では髪の毛は血の余りからできているとされ、体内の栄養が豊富できちんと循環されていれば、髪の毛の悩みも減ってくると考えられています。新陳代謝が低下しがちな季節から、暖かい季節に変わってことで新陳代謝も活発になり、滞りがちな血流が流れ出したことで髪の毛が持っている機能が正常に動き出したということです。
環境の変化
春は天候だけでなく、環境変化も多い時期です。
新しい世界へと進むのは、今までと大きな環境の変化が訪れることであり、気が付かないうちにストレスを溜め込んでいる可能性があります。
これによって体にも様々な症状が出ますが、髪の毛には抜け毛という形で影響が出やすいです。
免疫力の低下
春にはスギ花粉をはじめ様々な植物の花粉が飛び、花粉症を患っている人にはとても辛い季節です。
自己免疫疾患としてアレルギーや花粉症を持っている場合、免疫力の低下によって髪の毛が抜けてしまう場合があります。
春には髪の毛の生え変わりで健康的なサイクルを目指す
適度な運動を心掛ける
適度に体を動かすのは、血行促進やストレス発散に良いでしょう。
体が温まってくると新陳代謝も良くなっていき、血行促進も期待できます。
バランスの良い食事
栄養バランスの良い食事は、髪の毛の生え変わりにも重要です。
ヘアサイクルによって髪の毛は生え変わったとしても、元気な髪を生やすための栄養が不足してしまうと髪の毛の質や量も変わってしまいます。
髪の毛はタンパク質でできているため、良質なタンパク質の摂取が健康的な髪の毛を生やすためには必要です。
また、タンパク質を合成させるためには、ミネラルやビタミンも欠かせないでしょう。
卵や肉、魚といった様々なタンパク質の摂取や鉄分、亜鉛の摂取、ビタミンB類は髪の毛の形成に必要なので、チーズや海藻類、緑黄色野菜を積極的に取り入れる食事を心掛けましょう。
正しいシャンプーでケア
シャンプーはただ髪の毛を洗うだけでなく、頭皮の環境改善や整える効果があります。
そのため、正しいシャンプーの方法を身に付けることが髪の毛の生え変わりにも欠かせないでしょう。
洗浄力が強いシャンプーの方が、頭皮の汚れが落ちやすく髪が綺麗になる印象があるでしょう。
洗う時は頭皮を揉むように洗うと血行促進効果が期待できます。
頭皮マッサージも効果的
頭皮のマッサージは、血行促進やコリをほぐす効果が期待できます。
顔や肩の筋肉がこわばってしまうと頭皮にもコリが伝わり、固くなった頭皮は髪の毛の生え変わりにも影響を与える恐れがあります。
頭皮マッサージを行うことで固くなった筋肉や皮膚をほぐし、顔のたるみや肩こりの軽減も期待できます。
また、毛穴に詰まった汚れを浮き上がらせてくれるため、シャンプーの洗浄効果を高めてくれるでしょう。
湯船に浸かりながら行うと、温まっているのでより効果を感じやすいです。
紫外線予防にも気を付ける
頭皮は体の中で最も紫外線を浴びやすい部分です。
春から紫外線も徐々に強くなっていくため、髪の毛の生え変わりを促進させるには紫外線対策にも力を入れておきましょう。
紫外線対策には帽子の着用がおすすめですが、その分蒸れやすい状態になってしまいます。
蒸れやすい状態が続くと雑菌の繁殖にもつながるため、通気性が良いものや日傘、紫外線防止スプレーなどを活用して工夫しましょう。
春に起こりやすい髪の毛の生え変わりには、周期的なものと環境の変化も関係しています。
1日に抜ける髪の毛は100本程度ですが、生え変わりやすい春はもっと抜ける場合もあります。
生え変わりの季節は髪の毛が健康的に生まれ変わるように、健康や頭皮の状態をいつも以上に気にしてみましょう。
もし部分的に抜けてしまう場合やごっそりと抜ける場合は、脱毛が疑われるので専門の医療機関に相談した方が良いです。