お肌や髪のわかりやすい老化に悩んでいる場合ではないかもしれません。
脳の老化も40代になったらはじまっているんです。
脳が活発に動くために必要な認知機能は、きちんと予防しないと40歳代からどんどん衰えていきます。
しかし、脳はトレーニングすることで活性化させることもできます。
40歳になったら覚えておきたい脳の活性化。
毎日の暮らしの中にどんどん取り入れていきましょう。
目次
脳の老化は前頭葉から
脳の働きはニューロンという神経細胞により支えられています。
ニューロンの数は、出生時に一番多く、後は加齢とともにどんどん減少していくもの。
人間は約1,000億個ものニューロンを持つものの、なんと1日で10万個から20万個も減少するのです。
ニューロンが死滅しやすいといわれる脳の部位は、記憶・物事の判断にかかわる海馬、側頭葉、前頭葉の細胞であるといわれています。
特に前頭葉は、「ワーキングメモリー」とよばれ脳の中のいわばメモ帳。
経験から得た知識や記憶を前頭葉が総動員して、考え、判断して決断し、表現するという作業を行っているのです。
メモ帳のように記録をする役割の他にも、気持ちをコントロールすることにも関わっているので、前頭葉を老化させないことが生き生きと生活するカギに。
ところがその前頭葉から脳の老化がはじまるといわれています。
しかし、わずかながらニューロンは新しく生まれ変わることができることが最近の研究で明らかになってきました。
日々の生活の中で、脳の活性化を意識した暮らしを送ることで脳の衰え、老化を予防することができるのです。
脳には新しい刺激が必要
毎日、生活の中で脳に刺激を与えることは、脳の活性化につながっていきます。
新聞を読んだり、本を読んだり、今までに知らなった新しい情報を脳にいれましょう。
脳の活性化には料理も大きく役立つこともわかっています。
食事のメニューを考えたり、食材を切る、炒める、盛り付ける、というプロセスは前頭葉の活性化を促します。
そして人との会話も脳の活性化には重要です。
笑ったり、相手の良いところを思い浮かべたりしながら会話したり、相手を褒めることも脳の活性化に効果があることもわかっています。
脳を活性化させる食べ物
魚を食べると頭がよくなる、という話は聞いたことがあるかと思います。
どうして、魚を食べると頭がよくなるといわれているのでしょうか?
魚の脂肪にはDHAが豊富に含まれています。
DHAはアセチルコリンなどの神経伝達物質を活性化させる働きを持っているので、DHAが増加すると記憶力や理解力が向上されるためです。
現に、認知症患者さんの脳ではDHAが減少していることもわかっています。
DHAを多く含んでいる魚は、イワシやサバなどを代表とする青魚です。
また、レシチンやチロシンという栄養素を多く含む食品も、脳の活性化に役立ちます。
これらの両方を含む食べ物は、
・豆腐 ・納豆 ・枝豆 ・きな粉などの大豆食品です。
レシチンを多く含む食べ物は卵黄や小麦全粒粉など、チロシンは鶏肉、魚介類、乳製品にも多く含まれています。
大豆(レシチン、チロシン)や魚(DHA)には善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きもあるので、動脈硬化などの生活習慣病の予防にもつながります。
指先を動かして脳を活性化
手の指の神経は、広範囲のはたらきに直結しているので老化防止・脳の活性化の効果が期待されています。
脳には、手と指の運動にかかわる部分が非常に多く、指先を動かすと脳に沢山の刺激が伝わっているということになります。
毎日の生活の中でも、物をつまんだり、洋服のボタンをとめたり、紐を結ぶ、本などのページをめくるなどの指先の動きは、多くの神経細胞によってコントロールされて動いています。
高齢になって指先を使う細かい作業が難しくなるのは、神経細胞の働きが衰えて指先の感覚が鈍くなるためです。
しかし、指先をよく動かしていると脳が刺激され鈍くなった神経細胞の働きを改善することもできるのです。
ピアノなどの楽器演奏や編み物、園芸、陶芸、麻雀など指先を使う趣味を楽しみながら取り入れ、意識的に指先を動かし脳に刺激を与えることで脳はどんどん活性化されます。
食事はしっかりと噛んで脳を活性化
よく噛むと唾液が沢山分泌されるため、消化吸収がよくなります。
その結果、健康に大きく関わることは知られていますが、しっかりと噛むことは脳の活性化にもつながります。
食べ物を噛む、という行為には咬筋、側頭筋などの筋肉の他に、顔の表情筋や首や肩の筋肉も使われています。
これらの筋肉をコントロールしているのも脳。
つまり、しっかりと噛んで筋肉を動かすことで脳の神経を刺激していることになります。
また「食べる」という行為そのものも、味覚や臭い、視覚、歯ごたえや喉ごしなどの触覚も刺激されるため、脳の活性化に役立っています。
歩くことは脳を元気に!
歩くと足の筋肉の動きが脳を刺激して神経細胞の働きが活発になります。
また歩くことで体内のカルシウム代謝がよくなり、脳にもカルシウムが供給され神経伝達物質のドーパミンが増えることもわかっています。
さらに、早歩きを続けると記憶を司る脳の海馬の容積が2割も増えるという研究結果もあるほど。
できるなら1日30分ほど早めのペースでウォーキングしましょう。
歩くことで全身の血液循環がよくなり、循環器系全体の働きも良くなるので高血圧改善やコレステロールの現象、脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病予防にもつながります。
アルコール、喫煙は脳の活性化の妨げに
脳の働きをよくするためには、多くの酸素を必要とします。
酸素は血液によって脳に運ばれるので、血管の収縮によって血流が悪化すると、脳に必要な酸素量が減少してしまいます。
そして血管の収縮による血流悪化は、動脈硬化を起こす原因にもなり、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすきっかけになることも。
体に良くないことは、もちろん脳にとってもよくありません。
毎日の食生活に注意しながら、喫煙者なら喫煙はやめること、そしてアルコールの飲みすぎにも注意しましょう。
見た目だけでない老化防止を心がけよう
ついお肌のシミやシワ、たるみにばかり目が行って体の老化にまで関心が持てないのが40歳代。
若々しく美しくいるためにも、脳の活性化、老化の防止はとても重要なことです。
日々、新しい情報をスマホで確認しているから・・・という人も本や新聞を読む習慣をつけることをおすすめします。
新しい情報で脳に刺激を与えつつ、タイミングよくページをめくるという指からの刺激も脳に与えられるので効果的ですね。
今や高齢化社会で医学の進歩により平均寿命も長くなりました。
健康的で意欲的な将来を見据えて、今のうちから脳の活性化を意識しておきましょう。