体の中にすんでいる様々な菌。
その菌はなんと兆単位で存在しているのですよ。
私たちの体はこの菌のバランス次第で健康や美しさも手に入れることができます。
その反面、菌のバランスが崩れると病気やトラブルの原因にも。
目次
美容も健康も腸内細菌が保っている
体に住み着いている「常在菌」はなんと2.5キロにもなります。
そしてそのうちの1.5キロを閉めているのが腸内細菌です。
腸内細菌の種類は1000種類以上あり、その数は1000兆個にもなります。
この1000兆個もの腸内細菌のうち、体にいい働きをする菌が増えれば健康や美容が保たれ、逆に体に悪い影響を及ぼす菌が増えれば、有害物質や毒素が作られ様々な病気の発生源にとなってしまうのです。
腸に直接関係のある病気はもちろん、がん、免疫にかかわる病気、肥満、脳機能の低下などにも腸内細菌が関わっていることが分かってきました。
また、腸内細菌だけでなく肌や頭皮にも沢山の菌が住んでいて、悪玉菌や善玉菌が存在し、悪玉菌が増えれば肌荒れやカサつき、かゆみやニキビといったお肌のトラブルがおこるのです。
つまり、体内に住んでいる菌を上手にコントロールすることが、快適な体を維持する最大のポイントなのです。
今や女性の2人に一人は便秘といわれています。
便秘はまさに腸内環境のバランスが乱れている証拠!
しっかりと腸内細菌の種類や特徴を知っておくことが重要です。
便秘の原因は腸内細菌の乱れ
日本人の48%は便秘に悩んでいるといいます。
毎日、気持ちのよい排便ができているかどうかはとても重要なこと。
便秘による腸内細菌の乱れが最も出やすいのは「乾燥肌」や吹き出物などの肌の不調です。
この場合、腸内細菌の影響に加えて肌荒れなどのトラブルは皮膚の常在菌のバランスの乱れによりさらに悪化していることも。
大腸の菌のバランスで腸内環境は決まる
小腸が口から入った食べ物を消化吸収する場所なのに対して、大腸は食べ物の残りカスを留めて「便」に変え排泄をする場所です。
しかし、大腸はただ便を出すだけではなく、ほとんどの腸内細菌が住み着いている「腸内細菌の居住空間」なのです。
ここにビフィズス菌、乳酸菌や酪酸(ラクサン)菌などのいわゆる「善玉菌」、増えすぎると有害物質を出して体に害を与える「悪玉菌」、それ以外の「日和見菌」が生息しています。
腸内環境は、これらの腸内細菌のバランスで決まるのです。
大腸に住んでいる腸内細菌
・善玉菌
ビフィズス菌、乳酸菌など
・悪玉菌
黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌など
・その他
大腸菌(無毒株)、ファーミキューテスなど
でも!腸内細菌は単純ではない
腸内細菌はこれまで善玉菌、悪玉菌とそれ以外の日和見菌の3つに分類されて考えられてきましたが、そう単純なものではないことも分かってきました。
腸内細菌は生まれるときに母親から引き継ぎます。
新生児の時は、ビフィズス菌が優勢で他の菌が抑えられていますが、成長するにしたがって他の菌が優勢になり、腸内細菌の勢力図が変わってきます。
ビフィズス菌や酪酸(ラクサン)菌は確かに体によい働きをしていますが、それ以外の菌、とくに日和見菌といわれる菌はほとんど未知でどんな働きをするのかがわかっていないのです。
現時点でわかっている腸内細菌の種類と特徴
健康維持の味方になってくれる菌、体に有害な物質を作る菌、未知数の謎の菌が入り乱れている大腸。
食事や生活習慣によって腸内細菌のバランス日々変化しています。
腸内環境の味方:善玉菌
①ビフィズス菌(ロングム菌・ビフィダム菌)
人の腸内に最も多いといわれる善玉菌。
ビフィズス菌の役割はオリゴ糖などを分解して、酢酸や乳酸を作り出し腸内細菌を酸性にして悪玉菌の働きを鈍らせることです。
ビフィズス菌がどれだけいるか、が腸内環境のカギを握っているといっても過言ではありません。
②乳酸菌(ラムノーサス菌・サーモフィルス菌・ブルガリア菌)
これらの菌もブドウ糖などの糖質を分解して乳酸を作り出し、腸内の環境を酸性に保つ役割を果たします。
ヨーグルトや乳酸菌飲料を作るときに必要とされますが、実はもともと人間の腸の中にはあまり多く存在しません。
③酪酸(ラクサン)菌
長らく、酪酸(ラクサン)菌の働きは謎でしたが糖から酪酸を作り出し、腸内環境を整えるということがわかっています。
長寿者の便を調べると、ビフィズス菌と酪酸菌がとても多いという傾向があることから「長寿菌」ともいわれるようになりました。
腸内環境の敵:悪玉菌
①ウェルシュ菌
タンパク質などをエサにして有害な物質を作り出し、食中毒や感染症の原因にもなる悪玉菌の代表格です。
私たちのおならが臭いのは、この菌が多いという証。
食品の中で増殖すると下痢などをおこします。
②黄色ブドウ球菌
善玉菌が腸内で体に役立つ発酵作用を促すのに対し、悪玉菌は体に悪い腐敗作用を促します。
黄色ブドウ球菌は腐った食べ物の中で増殖しそれが体内に入り、さらに増えることで食中毒の原因になります。
要注意!溜めこみ便
便の8割は水分で残りは食べカスやはがれた腸の粘膜や腸内細菌です。
この便が3日以上、腸にとどまって便秘になると大腸内での腐敗がすすみ、腸内環境が悪化します。
未だに謎の菌(大腸菌・ファーミキューテス・バクテロイーデス)
ファーミキューテス類とバクテロイーデス類はどの菌か、はっきりとわかっていません。
しかし、腸内バランスによって痩せる・太るに影響があることはわかっています。
日和見菌の代表格である無毒性大腸菌も未だ明確にはわかっていません。
腸内細菌バランスチェックをしてみよう
腸内細菌のバランスを自分で確認するのは難しいものです。
以下の10個の項目に当てはまる数をチェックし、善玉菌と悪玉菌のバランス状況を見てみましょう。
肉を食べることが多い | 野菜をあまり食べない |
運動不足を自覚している | 牛乳や乳製品をあまり食べない |
お酒を毎日飲んでいる | 顔色が悪い |
便秘気味である | ストレスを感じている |
トイレ後の臭いが気になる | 便が硬く出にくい |
<チェック0個>
善玉菌が優勢で健康な腸内環境
<チェック1~2個>
善玉菌、悪玉菌の数はいい勝負である。
<チェック3~5個>
悪玉菌が増加中。生活習慣の見直しが必要。
<チェック6~8個>
悪魔だ菌が優勢で不調をきたす疑いも。
<チェック9個以上>
腸内は悪玉菌に支配されています。
腸内細菌を善玉菌優勢に導く10つのポイント
腸内細菌のバランスは食生活や生活習慣によって、いとも簡単に変化します。
それなら、腸内細菌の善玉菌を優勢にするべく手だてをするべきです!
腸内環境を善玉菌で支配しよう
①野菜はしっかりと
野菜は食物繊維が豊富。1日350gは摂るようにしましょう。
ヨーグルトを食べても悪玉菌を減らす食物繊維が不足していては快便生活はやってきません。
②座りっぱなしはNG
デスクワークでも、長時間座りっぱなしでいると「溜めこみ」の原因に。
少しでも意識的に立つ時間を増やしましょう。
③インナーマッスルを鍛えよう
悪玉菌排出をサポートする下腹部のインナーマッスルを鍛えましょう。
腹筋もよいけれど、スクワットも効果的です。
④ストレスは趣味などで発散!
腸はとてもストレスに弱い、デリケートな臓器。
音楽や読書、映画やなにか好きな趣味の時間を設けてストレスを解消しましょう。
⑤育菌初心者はヨーグルトをこう選ぼう
ヨーグルトは最近、いろんな「菌」に特化したものが販売されています。
どれを選べばよいのかわからないという人は、「特保」マークのあるヨーグルトを。
健康効果が国から認められていますよ、という証拠です。
⑥朝はなるべく歩こう
出来るなら、一駅分ほどしっかりとウォーキングしましょう。
少しの移動なら移動手段を徒歩にするなど、日ごろの運動で腹筋を鍛え、悪玉菌を溜めこまない体づくりを。
⑦玄米を30回噛んで食べてみよう
主食を玄米にすると便の材料になる食物繊維がたっぷりと摂れます。
しっかりと噛んで食べると、食べ過ぎの防止にもなります。
⑧甘味はオリゴ糖で
甘味料を摂るなら砂糖ではなく、善玉菌のエサになるオリゴ糖を選びましょう。
オリゴ糖はゴボウやリンゴなどにも豊富に含まれています。
⑨油はオリーブオイルを
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、大腸までしっかりと届きます。
そして、腸の収縮運動をサポートしてくれる働きがあるので、使用する油はオリーブオイルを選んで。
⑩ヨーグルトは1日1パック21日間
ビフィズス菌の働きを助けるヨーグルトは1日300gくらいを目安に食べたいもの。
超に定着しないので、毎日続けることが大切です。
21日間、つまり3週間はしっかりと続けましょう。