花粉症の人にとって、春はスギ花粉に悩まれる時期なので、「今年はどのくらい花粉が飛ぶのか」と気になってしまうものです。
花粉の飛散量によって症状の出方も変わってくるため、早い時期から対策をとるという人も少なくありません。
今回は、2021年はいつからスギ花粉が飛び始めるのか、どのような傾向になっているのか、花粉症になると現れる症状について解説していきます。
毎年花粉症に悩まれている人だけではなく、「目のかゆみや鼻水が出るようになったらもしかして花粉症になったかもしれない」と感じている人も、ぜひ目を通してみてください。
目次
花粉症の症状について
花粉症は、1年を通して飛散している花粉によってアレルギー症状が現れます。
スギ花粉が代表的ですが、その他にも様々な花粉が原因となる花粉症に悩まされている人は少なくありません。
まずは、風邪とはどのような違いがあるのか、花粉症になるとどのような症状が現れるのかといった点についてみていきましょう。
花粉症と風邪の違い
花粉症と風邪の症状は、似ている部分があるため勘違いしてしまう人も少なくないので、以下でそれぞれの症状の特徴を説明していきます。
・くしゃみが連続で出る、
・水のようにさらさらした透明な鼻水が出る
・目がかゆくなる
・発熱・喉の痛み・咳は出ない人が多い
・花粉が飛散する時期にだけ症状が現れる、など
天気が良くて風が強い日、雨が降った後の晴れた日、乾燥している日、気温が高い日にくしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状が目立つ場合は花粉症の可能性が高いと考えられます。
・くしゃみが連続で出ることはほぼない
・水っぽい鼻水から粘りがある鼻水に変わっていく
・目のかゆみは基本的に現れない
・発熱・喉の痛み・咳が出る
・1週間から2週間ほどで症状が治まる、など
どちらも似たような症状ではありますが、現れ方が違う部分もあるので、どっちなのか判別が難しい時は「いつから症状が出ているか」「どのくらい症状が続いているか」を確認してみると良いでしょう。
そして、耳鼻咽喉科やアレルギー科のあるクリニックへ足を運び、花粉症と風邪のどちらなのか診断してもらうことをおすすめします。
花粉症のモーニングアタックについて
花粉症に悩んでいる人の中には、起きた時にくしゃみや鼻水が止まらなくなってしまうという人も多く見られ、これらの症状はモーニングアタックと呼ばれています。
モーニングアタックを少しでも改善するには、就寝前に飲むタイプの薬を処方してもらうと良いでしょう。
夜にはどのような症状が?
花粉は夜にもたくさん飛散しているため、夜になると鼻詰まりがひどくなって寝不足になってしまう人も少なくなく、寝不足になると昼間の眠気につながり、仕事のパフォーマンスが低下してしまう可能性もないとは言い切れません。
アレルゲンとなる花粉を吸いこんでから数十分の間に起こる症状は即時相反応、数時間後に起こる症状は遅発相反応と呼ばれており、鼻詰まりなどは遅発相反応で起こるケースが多く見られるため、昼間に花粉を吸いこんで夜に症状として現れるのです。
スギ花粉はいつから飛び始める?
日本気象協会、2021年のスギ花粉の飛散が始まる時期は例年並みもしくはやや早めだと発表しています。
スギ花粉は2月の上旬から飛散がスタートし、九州、四国、本州と広がっていきますが、2月上旬に飛散が始まると考えられているのは、九州、四国、関東の一部となります。
冬期に一定期間低温にさらされた樹木が休眠打破することでスギ花粉の飛散が開始するため、2021年のスギ花粉飛散量は全国的に例年並みになるのではないかと考えられています。
スギ花粉は飛散が始まる前から少しずつ飛び始めるため、2月の上旬に飛散が始まると予想されているエリアでは1月中から対策を取った方が良いと言えるでしょう。
2021年の花粉にはどのような傾向が?
花粉の飛散量を知るには、前の年にどのくらい飛散したかがとても重要なポイントになります。
続いては、昨年の飛散量を踏まえた上で2021年の花粉にはどのような傾向があるのかみていくことにしましょう。
飛散量が多くなると予想する声も
花粉の飛散量は、少ない時と多い時が交互に来るという傾向があると言われています。
2020年のスギ花粉は、2019年と比べてみると飛散量が少なかったため、2021年は花粉の飛散量が多いのではないかと考える人もいます。
しかし、2011年~2020年の飛散量の平均値と比べてみると、そこまで多く飛散するという予測にはなっていません。
その理由には2020年夏の気候が関係しており、2020年は例年と比べると梅雨がとても長く、日照不足傾向にありました。
日照不足になってしまうと雄花の成長が悪くなってしまいますが、梅雨が長くて日照不足が短くなってしまったものの梅雨明け後は猛暑が続きました。
これまでの統計の中でこのような気候になったケースがほどんどなく、猛暑が続きの時に雄花が一気に成長した可能性も高いと考えられるので、2021年の花粉飛散量は予測が難しいとされているのです。
年末年始の寒波によって花粉が飛び始める準備を始めた可能性
花粉の飛散開始を予測する際に注目されるのが植物が持っている休眠打破という仕組みです。
この仕組みの流れを見てみると、暖冬であれば開花が早いのではないかと思ってしまう人も少なくありませんが、実際は暖冬の年は芽がそこまで成長せず、開花する時期が遅くなる傾向にあります。
このことから、ある程度冬に寒くなった方が休眠打破のきっかけ作りができ、開花しやすくなることが分かるでしょう。
2021年の冬は、全国的に年末年始に強い寒波に襲われ1月下旬には比較的暖かい日が増えてきていました。
植物の仕組みを踏まえて考えてみると、寒波による寒さで休眠打破され、徐々に暖かくなることで開花が順調に進みやすくなるコンディションが整っていると言えるでしょう。
2021年の花粉飛散量が平年並みもしくはやや早めだと予想されるのは、そのような理由があるためです。
花粉症の季節になると辛い症状に悩まされることになってしまうので、いつから花粉が飛散するのかを知って少しでも早く対策をとりたいと思う人は少なくないでしょう。
2021年の花粉飛散量は例年並みだと考えられていますが、2020年が少なかったので、その分飛散量が多くなるという考えもあるので、どちらにせよ少しでも早く対策をしておいて損はありません。
辛い症状が現れる前に医療機関を受診するなどし、それぞれに合った対処をすれば症状も軽減できるため、耳鼻咽喉科やアレルギー科のあるクリニックへ行くことも視野に入れてみることをおすすめします。